キャライメージ『白銀の世界に、一滴の色』
物語のあるリボン作家『いろいと』です
私の作るリボンには、1つずつ名前と物語があります
手にとって下さった方が、楽しく笑顔で物語の続きを作っていってもらえるような、わくわくするリボンを作っています
関西を中心に、百貨店や各地マルシェイベントへ出店しております
小説は毎朝6時に投稿いたします
ぜひ、ご覧下さい♡
Instagramで、リボンの紹介や出店情報を載せておりますので、ご覧下さい
hhtps://www.instagram.com/iroit0
白銀の世界は眩しくて目を開けていられない
目の前に広がる光景に心を弾ませる
冬になればスノボー、スキーは外せないのだ
休みがあれば、必ずと言って良いほど雪山へと足を運ぶ
ピンと張り詰めた冬の空気は、私の背筋を伸ばしてくれる
リフトに乗り、上から滑ってくる人を次々と目で追う
気持ち良さそうに颯爽と滑っていく様を見ては、体がウズウズしていた
周りを見れば真っ白
うさぎか何か小さな動物が歩いた足跡
雪の重みで少しずつ木から落ちる白い雪
何もかもが真っ白でキラキラしている世界に、私は魅了されていく
頂上へと着いた私は、セッティングをしさっそく雪山を駆け降りる
音のない世界へ入っていくようで、わくわくが止まらない
滑っていると風の音、雪を滑る音、自分の呼吸音が支配する
体重を前に後に、バランとりながら滑らかに雪の中を駆け巡る
真っ白な気持ちになれるような気がする雪山
私は風のように勢いよく滑っていく
·
ゲレンデへと戻った私は、もう一度リフトへと向かう為、一緒に来た仲間が降りてくるのを待っていた
『今日も楽しそうだな』
『うん!やっぱ雪いいね!』
『次は、もう一つ上行こうぜ』
後ろから声をかけてきたのは、会社の同僚でありスノボ仲間
『あ!二人だけズルい!私まだ初心者なのに!』
『君は、こいつに教えてもららえ』
『俺らは、ゆっくりいこうよ。そのうちお前らんとこ行くから待ってろ!』
後を追うように残りの2人がやって来た
一人は私の高校からの友人
そしてもう一人は、切れ長の目に泣きぼくろという色気のある、私の同僚
なぜ、ダブルルデートのような組み合わせで来たのかと言うと。
先日、たまたま会社近くで待ち合わせをしていた私と友達に鉢合わせをしたのは、この同僚
友達を見るなり雷に打たれたそうだ
ようは一目惚れ
今日は、一緒に初心者コースを満喫し、ゲレンデMagicを使うとかなんとか言っている
『じゃあ、私達は上級行ってくるから、12時頃にお昼一緒にしよう』
『オッケ!さっ!もっと滑れるように教えて下さい!先生!』
『任せろ!じゃあ、俺達はこっち。後でな!』
満面の笑みをした同僚に友達を任せ、私達はリフトへと乗り込んだ
·
上級コースは、さっきのコースより少し上
はやる気持ちを抑えて私は隣のスノボ仲間と話す
ゴーグルをおでこへとあげ目をこすっている
『どしたの?』
『いや、何か目が痛くて』
『大丈夫?』
『ん。もう大丈夫』
こする手を止め、こちらを向く
くっきり二重が、目をこすったせいか、いつもよりはっきりしている
ぱっちりとした大きな目は、子犬のようでとても可愛らしい
『・・・子犬みたい』
『は?なにが?』
『いや、気のせいだった』
『つうか、お前が子犬だ。何そのわくわくした顔。しっぽ振ってんなよ』
『振ってないわ!』
彼は、その可愛い顔とは裏腹に思った事はすぐ口に出すし、口が悪い
新入社員は、初めこの顔と表向きの対応で気持ちを奪われそうになるが、時間が立つにつれ、冷たい性格と口の悪さで打ち砕かれるのが通例だった
私は、腹を割って話が出来るので都合がいい
『二人良い感じになるといいね』
『あいつは、いいヤツだから大丈夫だろ』
『毒舌のあなたが言うなら安心だ』
『だろ。ま、俺らは裏表ない、いいヤツだからな』
『うっせー』
『その性格じゃ、お前は見つけるの難しいな』
ふん。と鼻をならし頂上に着くのを待つ
頂上の着くなり準備を終えた彼は、わざわざ私の前にやって来て、私の頭にポンと手を乗せてきた
『下で、待っててやる!早くこい!』
ジッと見つめニヤリと笑うなり、彼は滑っていってしまう
『は?なに?』
とりあえず、私は真っ白の雪山に少し色のある点が付いた事に知らないフリをして、彼を追いかけることにした
最後まで読んで下さり、ありがとうございます
色々なお話を書いておりますので、どうぞごゆっくりとしていってもらえると嬉しいです
また明日、6時にお会いしましょう♪