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嘘か誠か

作者: ゆり

嘘をついた男と女の本当の思いとはなんだったのだろう

ヒロから「もう関わらない」と言われてから何日が経つだろう。

あれ以来ヒロの声を聞いていない。別れてからも声を聞くだけでなぜか安心する私がいた。ヒロには腹が立つ事が多いけど

でも声を聞くだけで安心出来たのだ。声を聞くことすら出来なくなった今、私はどうしたら良いのだろう。


どうすれば良いのか分からないまま、1年はあっという間に過ぎた。ヒロとの出会いは職場の先輩がセッティングした食事会。

先輩夫婦と後輩の女の子と先輩夫婦の先輩だというヒロの5人での食事会。

なぜかカレー屋さんで不思議な味のカレー屋さん。美味しくなかったのかヒロはほとんど食べず、みんなの会話を聞いていた。

年齢の話になり、ヒロの年齢を言い当てた私、だから何だって話で案の定盛り上がらず。先輩夫婦が話だすも場が持たなくなりカラオケに移動。次々に歌っていくがいまいち盛り上がらない。後輩は先に自分の車で帰った。この集まりは何なのか良く分からなかった。そろそろ帰ることになり、私は家まで送ってもらい、

車を降りると、ヒロから名刺をもらった。名刺をもらってもすぐには連絡しなかった。車は良かったが服装が好みではなかった。


出会ってから3週間が経とうかという頃に、ヒロからもらった名刺に載っている番号へ連絡した。

連絡後、そんな経たずして2人で会うことになったのだ。


つけ麺を食べ、車の中で話をし、ヒロに「家が見たい」と言われ、片付いていない部屋に入れた。

2時間くらい話をしてから、ヒロが眠いと言い出し泊めることになった。とくに何も起こらず朝となった。


それから毎日連絡が来るようになり、お互いの今までのことを話すようになった。

ヒロはバツイチで子供は元嫁が引き取っていた。

私は3ヵ月前に彼氏と別れたばかり。


夏になり「俺の兄弟家族と泊まりで海に行こう」と言われた。


えっ、待って!!

どの立場であなたの兄弟達と会い、しかも泊まりで海に行くの?

私達は付き合っているの? 告白もしてない、されてない。

いつから付き合っているの? 私は驚いた。

「付き合ってって言ってないけど付き合ってるじゃん」

「2人きりではじめて会った日を付き合いはじめにしよう」ってヒロに言われ、呆れた。

そんな感じでヒロと付き合うことになった。


その日は仕事で行けないと断ると「他の人に代わってもらったらいいじゃん」と無責任な発言。無理な申し出だと思いながらも上司に相談、承諾してもらえた。


海に行き、バーベキューし子供達とたくさん遊んで笑った。

お酒も入り、大人達は酔っていた。

楽しかったのはここまで。私の近くに居たヒロの姪っ子の1人が

階段から落ち、血を流すほどのケガをしてしまった。

その子を抱きかかえお母さんに託した。泣き止まない女の子、

痛いよね、怖かったよね、本当にごめんね。

顔に傷が残ったらどうしよう・・・私が泣きそうなのが分かったようでヒロは私を車まで連れて行き、私を責めた。

ちゃんと見てなかった私が悪いけど、あなたもその母親も見てたよねって反論したかったけど、そこは我慢した。

兄弟達とのはじめましては最悪なスタートで、とんだ旅行になってしまった。


ヒロと会う回数も増え、一緒に居ると楽しかった。

でもちょっと疑問が出てきた。連絡すると割りとすぐ連絡が返ってくる。

仕事大丈夫?今は仕事中じゃないの?

変な違和感は当たっていた。ヒロは今まで定職に就いたことがなく、バイト生活。実家暮らしだから生活出来るのかと変に納得出来た。それに身体の調子が良くなかったのだ。薬を毎日飲み、体調が悪いとそのバイトも休んでいたのだ。


よくそんなんで家族を養えていたね。


ヒロは人にお金を貸し、利息で稼いでいた。お金を貸していたうちの1人と突然連絡が取れなくなった。その友人は罪を犯し、おつとめすることになったとだいぶあとになって知った。数人分のお金の回収をしヒロに渡していた友人がいなくなり、ヒロにはお金が入らなくなった。

それでも体調が良い時にはバイトに行き、何とかやっていた。


ある日「今日はもう眠い。寝るね」とメールがきた。

え?まだ19時ですけど!!

絶対嘘だと思い、その日眠れなかった。やっぱり、他の女と会っていた。「愚痴を聞いてもらいたかった」と言うヒロ。

その女の人は会ったことがある人だった。

なんで嘘つく必要があるの? 凄い腹が立った。

この件が、あってから私も男友達に話を聞いてもらった。

男友達からそんな男とは別れろと何度言われた事か。

ヒロから「男と連絡取ったら言え」と言われていたが黙っていた。後に連絡を取っていたことがバレて怒られた。ケンカになり、前に女と会っていた時のことを持ち出し、さらにケンカになった。


いつからかヒロがよく家に来るようになり、私が仕事に行っても家に居る日が増えていった。だんだん入り浸り、一緒に住むようになった。一緒に居ると楽しいし、落ち着いた。いざという時には頼りになる。でも働いて、生活費少しは入れてくれないかなってこんなことを思うようになった。

まあいっか私は元気で働けるし、言わないでおこうと決めた。言いたいことが言えないせいか、お酒を飲むと別れよっかと何度も言ってしまった。こんなことを言う自分が嫌だ。

生活費少しは入れてくれないかな?生活費入れれない実家に帰ったらどう?って言いたかった。でも言えなかった。

言ってたら変わっていただろうか。


ヒロは子供を欲しがった。子供と離ればなれで寂しかったと思う。寂しいなんてそんなことは言ってこなかった。私も子供は欲しかった、でもね・・・2人が生活するのがやっとだったのに子供は作れないよ。

子供が出来たら働いてくれてたのかな。私が働かなくてもいいように養ってくれたのかな。

ヒロはムリだって言った。何がムリ?ほとんどバイトも行かなくなり、家に居た。

生活が苦しくて、助けて欲しくても黙っていた。

別れた方がいいのかと思いながらもヒロと一緒に居る事を選んでいた。でも私はそんなに強くないから男の人に頼ってしまった。

ヒロにバレてしまい、「何で俺に頼らないのか」と機嫌が悪くなるが、ムリと言われているのにどうやって頼ったらいいの、教えてよ。


こんな生活が5年過ぎようとしていた頃、おつとめからヒロの友人が戻ってきた。友人と再会したヒロは私を忘れたかのようだった。昼夜とはず、家にほとんどおらず、戻ってきたかと思えば何か変だった。

昔してくれた話をしだしたり、他の男に頼るのはやっぱりおかしいなど何が言いたいのか分からない。

友人が戻ってきてからヒロとはすれ違っていた。


「友人と仕事するのに県外に行く」と突然言われ、様々な準備をし、いつでも行けるようになってからその話を聞いた。


ついて来てとも言わず、一緒に行こうとも言わず、ヒロはなんか嬉しそうにしている。

本当に私のことを忘れている、むしろ邪魔? もう私は必要ないみたいだ。悔しい。情けない。

今まで何だったの、お互い嫌な思いをしてきたこともあったけど

楽しい時もあったよね。最悪なスタートだった兄弟家族とも仲良くなれた。私の存在は友人がいない間のつなぎだったの?と確かめたい。


県外に言ってからもおかしな話は続き、明らかに嘘だと分かる。違和感だらけ。バレてないとでも思っているのか、メールの文面も変。

ヒロはこんな打ち方しない。きっと女が居るにちがいない。

女が居るのなら嘘つかれるより、別れ話された方が楽だ。

でもヒロは別れ話をして来なかった。卑怯だ。

友人が戻ってきてからずっと苦しい。いや、ヒモ状態の時も苦しかったが、今はもっとだ。

ここにはヒロが居ない。私を1人にしてバレる嘘をつき苦しめる。

別れを切り出される方がまだ気が楽になれるのに、ヒロは別れを言ってこない。


連絡がない。仕事が忙しいんだろう、忙しいんなら連絡するのはやめとこう、女と一緒だから連絡ないんだろう とかいろんなことを思った。


ヒロから電話だ。

久しぶりに声が聞けて嬉しい。

連絡を取っていなかった間の事をお互いが話はじめた。この声聞くと落ち着いた。

この人は本当にひどい、またつまらない嘘をついた。

1ヵ月に何回は帰ってくると言ったのに「面倒なことに巻き込まれ、私に迷惑がかかったらいけないから帰れない」と。何それ。

もっとまともな嘘はつけなかったの。

またしばらく連絡がなかった。



私はヒロに別れを告げた。


すぐヒロから電話がかかってくる。何で?連絡してこなかったのに。こういうときだけ。私は電話に出なかった。

もう終わりとメールを打った。

ヒロから「分かった」と返事が来た。


数日して家のポストに鍵が入っていた。ヒロが来たんだ。

もう1回会いたいと思うようになってしまった。自分から別れを告げたのに、会いたいだなんて私も身勝手。

別れを言わされた感じもあって何かしっくりこない。

職場でも何か身が入っておらず、ミスしたり、家ではお酒が増え、怒りと寂しさが増すばかり。


会いたい気持ちが強くなり、ヒロに連絡してみた。こっちに帰っていたのだ。しかも会うことになり嬉しくてたまらない。


ヒロとの再会。たくましくなっていた。

体調が悪くて働けなかったヒロが休みもなく働いているらしい。

ちょっとかっこ良くなっている。働けるくらい体調が良くなって良かった。色んな話をした。

やっぱりヒロには彼女が出来ていた。

彼女には何って嘘をついているのかと思う・・・

この人と居たら落ち着く、安心出来た。楽しい時間はここまでだった。


ヒロから「これで最後ね」と言われた。

そうだよね・・・「ありがとう」と言い別れた。

最後なら あんな下手な嘘バレバレだったよ。別れたかったのなら別れたいって言ってくれたら良かったのに。と言えば良かったと後悔。言えなかったことが心残り、まだヒロへの気持ちがあるのかな。


彼女が居るのは分かっていて、ヒロからも最後と言われたが再び連絡してしまった。最後と言われていたのに話が出来た。彼女の悪口を言っていたヒロだが、今は彼女のことが好きなようだ。

「俺ヒモだったよね。俺ら子供出来なかったね」と良くそんなことが言えるねと思いながら黙って聞いていた。

「今の彼女と結婚するからもう関わらない」きっと連絡を取っていたのが彼女にバレたのだと思った。


ヒロが子供欲しかったのは分かっていた。でもあのヒモ状態で子供が欲しいなんて良く言えたよね。

今は働けるくらい体調が戻って良かったと本当に思っている。

ヒロと連絡を取ることはなくなった。


嘘はもうつかないで。

嘘をついて得たものがこの2人にはあったのだろうか

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