でっかい
でっかい夢がある。
「馬鹿だなー、そう簡単に宇宙飛行士になれるかっての」
しかもお前だし、と和斗は鼻で笑った。
「何だよ!夢は大きく!!」
「大きすぎて夢で終わるぞ」
「ちょっとは応援しようとか思えないのか?!」
「思えないね」
昴の父は昔宇宙飛行士で、名前も星を愛する父からつけられたものだった。寝ても覚めても星を熱く語る父親だったため、昴も必然的に宇宙飛行士に強い憧れを持つようになっていった。
「お前が広人さんみたいにかっこよくて頭よくて英語ペラペラだったら応援したかもしんないけど」
「宇宙飛行士にかっこよさなんてはいってない!」
「突っ込むべきところがそこしかないのはわかるが・・・現実みろって」
ひらりと目の前に現れた英語の解答用紙。それは見るも無残な結果で毎回のことといえば話しは終わってしまうが。
「宇宙飛行士目指すんならせめて平均点とれよ」
父広人が事故で亡くなるまで、昴はずっと父を教師に様々なことを教わった。しかしそれも昴の記憶力の頼りなさで覚えていることは無いといっても過言ではない。実際に、授業の8割は記憶にないのだ。それがその無残な結果というわけだ。
「こ、これからだ!俺の才能が開花するのは!」
「高校2年で開花しねえんだったらあきらめという言葉を知れ」
これ見よがしに大きなため息をつく和斗に顔をしかめながら、昴は掌を作って天井に向かって突き出した。と、同時に立ち上がったため通りすがりの勝にアッパーを食らわす羽目となり、昴は仕返しに平手打ちを食らうこととなった。しかし勝は柔道部に所属する喧嘩馴れしている男だ。昴は勝にしては十分手加減された左頬をさすりながら性懲りもなく掌を天井に突き上げた。
「勢いがなくなったな」
「うるさい!今度ぶたれたら俺は泣く!」
「そんなこと宣言すんなよ」
「俺様はぁー!」
やれやれと言いたげな和斗を尻目に昴は声を張り上げた。
「親父と同じ宇宙飛行士になる夢をぉー必ず叶えることをぉーここに誓いまぁーっす!!」
何回目だよそれ、と他のクラスメートに突っ込まれながら昴は合掌した。
「ここは墓場じゃねぇぞ」
和斗がそう言ったと思うと、次の瞬間に昴の頭上に大きな手が乗っかってきた。それは和斗のものだった。
「ま、努力してみるんだね」
「何様だ!お前は!!」
「ん?学年1位の和斗様だけど?」
「くっそー!この根性悪のくそ眼鏡−!!」
「あっそ、だったら英語はもう見てやんないから」
「え?!嘘?!嘘だってば!」
「嘘つきは泥棒の始まりだ。俺は友人兼幼馴染が強盗なんてお断りだね」
昴がしまったと思っても後の祭り、後悔先に立たずのような感じで。しばらく和斗に平謝りする昴が目撃されたのは言うまでもない。
・・・予定は未定!!(ごめんなさいごめんなさいごめんなさい




