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Break!! 〜少年が起こした一つの奇跡〜  作者: おこめsun
第1章 始まり
3/6

第2話


美術館を後にして、家に向かってしばらく歩いていると、

ガサガサ…


突然、音が聞こえた。


「!?」


ベルは足をとめ、辺りを見渡す。しかし、誰もいない。


「・・・だ、誰!?」


普段全く人が通らないこの場所で、こんな事は初めてだった。ベルはしばらくその場に立っていたが、音は聞こえない。


「何だったんだろう」


ベルはまた歩き始めるが、またしばらくすると同じようなガサガサという音が聞こえた。


コツコツ・・・

次は足音までし始めた。


(やっぱり、誰かいる?)


「…誰かいるんですか!?」


ベルは叫んだ。


「いるんだったら、隠れてないで出てきてください!」


すると、背後に気配を感じた。振り向くと建物の上に、1人の少年が立っていた。


風になびく白髪に、大きく鋭い赤い瞳がベルを見ていた。スーツぽいお洒落な服装に、すらっとした身体・・・そして、漂うオーラ。


ベルは彼から目を反らせずにいた。少年はニヤリと笑みを浮かべ、


「さっきは残念だったな」


気づいた。今、目の前にいるのはあの、怪盗ホワイトテイルだという事に。


「ホ、ホワイト・・・テイル!」


ベルは驚きのあまり、足が動かなくなっていた。


「正解♪俺が、ホワイトテイルだ」


ホワイトテイルはまたニヤリと笑い、建物から飛び降りた。


「お前が美術館に行ってるところを見て、面白そうな奴だなって思ってさ」


「僕を、見ていたの…?」


「あぁ、そうだ」


ホワイトテイルの表情は、明るい。


「警察に通報するか?…別に構わないんだぜ。通報したって。俺は何があっても捕まったりしないからな」


「通報は、しない」


ベルはそうはっきりと言い切った。


「ほう、そうかい」


「・・・っ!」


ベルは内心、焦っていた。僕は今から何をされるのだろうか。もし、銃でも向けられたりしたら…


「・・・俺の勘は正しかったようだな」


「・・・え?」


「俺とお前、真逆な人生かもしれないが、気が合いそうだなって思ったんだ」


「いきなり何を…」


「通報なんて、死ぬほどされてるけどな。まぁ全て逃げ切ったけど。・・・で、お前、何。俺に何かされるとても思ってるのか?」


「まぁ・・・そう、だね…」


「俺が、お前に何をするって?殺人か?それとも、金をよこせって?」


ベルは何も言えなかった。


「俺は何もしないよ。俺は人は絶対に殺さない。ただ、物を奪いたいだけなんだよ」


「…君は、なんで、怪盗なんかに・・・?」


ベルはそれが一番最初に頭に浮かんだ素朴な疑問だった。何故、彼は何のために、怪盗になったのか。

しばらく黙っていたが、ゆっくりと口を開けてこう言った。


「・・・俺には、目的がある」


「目的?」


「あぁ。絶対に叶えなくちゃいけない事があるんだ」


「その目的って、何なの?」


するとホワイトテイルは、ゆっくりとベルに近づいてこう言った。


「お前、俺の相棒にならないか?」

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