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001 七志 零の日常

頑張りやす!

 2068年 4月11日


 日本に〈迷宮〉が生まれてから12年、北海道の札幌で七志 零(ななしれい)は生まれた。

 ごくごく一般的な家庭に生まれ、会社勤めの父、同じ会社で働く母……ちなみに社内恋愛だったらしい。今年16歳高校一年生になる僕、今年14歳中学2年生になる妹の四人家族。


 僕は運動神経は悪くない、むしろ中々高いほうだと思う。それに勉強も悪くはないはず。


 そんな平凡な僕はひとつだけ同年代のみんなと違うところがある。












 ーーーーーそれは〈迷宮〉に入っているということ。




 国が管理している〈迷宮〉に入るためには〈探索者〉にならないといけない。それには大前提として16歳以上という規定がある。


 だけど僕は10歳の時、小学五年生時から〈迷宮〉に入っている。





 ★


 10歳の頃、いつものように外に遊びに行こうと思い外に出て、いつも近道にと住んでる住民でも立ち入らない家と家の間をスルスルと移動していく。そして住民では絶対にわからなさそうなところを、体を半身にしながら歩いていた時に発見した。


「あれ?こんな所に空洞なんかあったっけ?」


 そこには石レンガが積まれたような高さ2メートル近くの入り口があった。

 小学生という好奇心の塊のような年代であった僕は、当然の如く中に入った。


 中は薄暗かったものの、灯なしでも進めるぐらいの明るさがあった。

 ドキドキワクワク探検気分で進んでいると、ラグビーボールぐらいの大きさの薄っすら青い色をしたゼリーみたいなのが、ゆっくりとしたスピードで床を張って進んでいた。


 それを僕は……


「えいっ!」


 蹴飛ばした。そして、


「あ、今の何だったんだろう。あんな蹴りやすいボール初めてだ!」


 と、はしゃいでいた。



 その後も何匹も居たので、当時大好きでハマっていたサッカーの如く蹴って蹴って蹴りまくっていた。


 何回か蹴ると、そのゼリーみたいなものが光となってキラキラと消えてしまった。

 そんな風に何匹もキラキラにすると、突然目の前に半透明のボードが浮かび上がってきた。




 七志 零 Lv.0


 HP:10/10

 MP:0/0

 STR:4

 VIT:4

 AGI:5

 DEX:4

 INT:0

 MND:4

 LCK:20


【スキル】

 《幸運:Lv.1》《カード化》


【称号】

【迷宮発見者】【子供は風の子元気な子】




 これを見た時ようやくここがテレビでやってる〈迷宮〉なのだと気づいた。


 本来なら国への連絡案件なのだが、小学生のこのお年頃、秘密基地など大好きなわけで親にも内緒で一人で〈迷宮〉に潜る毎日が始まった。









 ★




 〈迷宮〉に行くことが日課になって3年、中学2年生になった頃でも楽しみながらかつ安全第一で行なっていた。


 〈迷宮〉は現在発表されているのが369層までで、テスト勉強の日や旅行などの日を除いて、毎日入ってた零はというと8層だった。


 零は攻略よりもある事を目的として〈迷宮〉に入っていた。


 それが《魔法》である。……あとたまに出る宝石である。


 零は運動神経は同年代に比べて遥かに運動神経は良かったが、武術を習っていたわけではないため近接戦闘は不安だった。小学生のある時ゼリーみたいなやつ(命名スライム)を倒した時、野球ボールサイズの綺麗な真紅色をした球体がドロップした。それは『スキルオーブ』というやつで、今までも何回か手にしたことがあったが、それは《魔法》の『スキルオーブ』だった。


『魔法』が使えるようになり、零は攻略よりも《魔法》の練習に励むようになった。……だって、14歳だよ?中二だよ?あ、厨二病にはなりませんでした。



 《魔法》は込めるMP量により、威力、射程、速度が変わる。それに慣れれば早く使うことができたら、少ないMPで使うことができた。


 さらに、《スキル》はレベルという概念があるため練習すればするだけ伸びているのがわかった。

 目に見える形で努力が分かるのだ。


 その結果、わずか8層までしか行かないまでも零は満足していた。



 七志 零 Lv.23


 HP:260/260

 MP:650/650

 STR:46

 VIT:44

 AGI:66

 DEX:53

 INT:78

 MND:69

 LCK:120


【スキル】

 《幸運:Lv.13》《剣の心得:Lv.18》

 《弓の心得:Lv.16》《射撃:Lv.6》

 《空間把握:Lv.22》《回避:Lv.16」

 《索敵:Lv.20》《隠蔽:Lv.8》

 《身体能力向上:Lv.34》《体術:Lv.24》

 《魔力操作:Lv.Max》《魔力操作・巧:Lv.19》

 《魔力放出:Lv.Max》《魔力放出・巧:Lv.15》

  《魔力弾:Lv.56》《魔力砲:Lv.3》

 《四属性アロー:Lv.34》

 《四属性バレット:Lv.36》

 《四属性ボール:Lv.22》《電気ショック:Lv.11》《氷結化:Lv.26》《カード化》

 《インベントリ:Lv.10》《簡易鑑定》


【称号】

【迷宮発見者】【子供は風の子元気な子】

【スライムの天敵】【兎の天敵】【蛙の天敵】

【バッタキラー】【幸運者】【魔力はお手の物】





 そしてこうなった。1つずつ説明しておこう。


 《幸運》はLCKが上がるという分かりやすいもので、LCKはドロップ率やクリティカルに関わる。


 《剣・弓の心得》はドロップした剣や弓を自分なりに頑張って使っていたところでてきたものだ。


 《射撃》は魔力弾や魔力砲を使っていたところ出てきたもので、これによりより遠距離攻撃が可能となり、精度が上がった。


 《空間把握》はこんな風に飛んだら良いなと心掛けてたり、剣の間合いや敵の攻撃を躱していたら獲得出来た。


 《回避》は敵の攻撃をかわしていると獲得出来たもの。


 《索敵》は『スキルオーブ』で獲得したもので、モンスターの位置などが分かる。


 《隠蔽》も『スキルオーブ』で獲得できたもので、《隠形》の上位互換で、姿や気配を隠しステータスも隠せるという。


 《身体能力向上》は〈迷宮〉で体育の体操の練習で側転やロンダート、バク転を練習していると獲得できた。


 《体術》も上に同様。


 《魔力操作・巧》は魔力操作の上位スキルだ。魔力を動かすのに役に立つ。


 《魔力放出・巧》は魔力放出の上位スキルだ。これの派生で魔力弾と魔力砲が出た。


 《四属性アロー・バレット・ボール》は火・水・風・地の四属性それぞれ獲得した時ひとつに統合された。


 《電気ショック》は『スキルオーブ』で死ぬレベルの電気は未だ出せないが、シビらせることはできる。


 《氷結化》も『スキルオーブ』で獲得したスキル。様々なものを凍らせることができる。食べ物がドロップした時には役に立つ。


 《インベントリ》も『スキルオーブ』で、アイテムボックスの上位互換。レベルの累乗個入れることができる。


 《簡易鑑定》も『スキルオーブ』で名前だけしか分からない。詳細鑑定なら詳しく分かる。


 《カード化》は【迷宮発見者】の褒美で、ドロップした品をカードにできる。一度カードから解除したらカード状には戻せない。


【○○キラー】は○○の種族に与えるダメージが増える。いっぱい倒せば貰える。


【○○の天敵】は○○の種族に与えるダメージが更に増え、○○が逃げる事もある。メチャクチャ倒せば貰える。


【幸運者】はLCKが上昇して、ドロップの確率が上がる。


【魔力はお手の物】は魔力弾でお手玉したり、《魔法》で遊んでいたらついた。これがついてからさらに魔力が扱いやすくなった。


【子供は風の子元気な子】は状態異常にかから辛くなるらしい。……これは最初からあった謎称号だ。





 《インベントリ》の中にはドロップした剣、槍、弓、盾やミスリルといったファンタジー鉱石、金、銀、プラチナ、ダイヤモンド、ルビー、サファイア、エメラルド、珊瑚、アメジストなど宝石コレクションや『スキルオーブ』などが入っている。


 お陰で保有財産は親の貯金を多分超えているが、換金できないので所謂宝の持ち腐れ状態だ。

 でも、宝石は見ているだけで綺麗なので手放す気はサラサラない。



 今日も《魔力弾》《四属性ボール》各属性を周りに飛ばしながら歩く。これはペン回しみたいなもので、今では無意識は無理だが、なかなかスムーズに出来るようになった。

 たまに指の間を縫うように移動させたりする。


 《索敵》に反応があったので、《ファイアボール》だけ目の前に飛ばし、他は今まで通り自身の周りに飛ばし続ける。


「ギャァッ!」


 ポイズンフロッグの悲鳴を聞き、光となり倒れたのを視認したドロップ品をみる。


「またカエル肉か、食べられるけど持ち帰るほどじゃないな」


 ドロップ品を拾わずその場に放置して先に進む。こうして〈迷宮〉内に長時間物を置いておくと、いつのまにか無くなっている。


 前にずっと目の前で観察していたら、迷宮に吸収するように消えたのを確認した。他にもモンスターの血や体液も吸収される。


 余談だが、迷宮探索の最初の方は服を汚しまくって母に怒られまくっていた……



 その後、8層まで探索を終えたので帰ることにする。

 迷宮は階層ごとに2つ水晶玉が壁に埋まっている。水晶玉の大きさは3メートルぐらいもあり、光を発しているので薄暗い迷宮でも見つけやすい。

 その水晶玉に手を触れると、今まで到達した階層に転移できる。

 先に進む場合はもう一つの水晶玉に触れると、次の階層に転移できるということだ。


 そんな生活を零は一人でし続けていた。

ブクマ、評価よろしくお願いします!

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