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ゲームマスターメッセージ

今回も誰も喋りませんでした.....

次回は主人公のアイナが喋ると思うのでご容赦を...!


 そこは広大な森の中、近くに生き物の気配が一切感じられないことから見ようによっては異常に見える地帯。

 そんな地帯の中心に小さな小屋がポツリと建っていた。



 ログインと同時に視界に見えてきたのは昼食を食べる前に最後に見た光景で、私の便利なホームの一つ森の 中の小屋の中だった。

 静寂な部屋の中、蝋燭が辺りを優しく照らし出しほのかに香る木の匂いがとても心地良いものに感じられてついついここが仮想世界なのだということを忘れそうになる。


 少し視線をずらすと部屋の片隅に置いてある鏡に私の姿が映し出されていた。

 色素の薄い透き通った桃色の髪が綺麗に腰までのび、その髪と呼応するかなような整った顔立ちは美人であるが、あどけなさも感じられる可愛さにどこか儚ない印象をもたらす。

 すらりと伸びた手足はすごく細く触れると壊れてしまいそうな華奢さを感じさせ、現実世界で言うならDカップほどの平均よりやや大き目な胸のふくらみが目を奪う。


 鏡の向こう側に私が理想とした絶世の美少女こそがこの世界での私の姿だった。

 この自分の見た目はつくった当初から非常に気に入っており、毎回こうやって鏡を見る度にこの世界で生きているということを実感することができる。


 しばらく鏡に向かってぼーっとしていたが、気を取り直して外に出る準備をすることにする。

 準備と言っても特段時間のかかるものではなくメニューを開いてまず服装の変更をする。今着ている白いワンピースを装備から外して、かわりに黒のウエットスーツに上からビキニアーマーを着用して最後に全身を覆えるマントを着込めば服装は完成だ。

 あとはこのままでは長い髪が邪魔になるので後ろでまとめて邪魔にならないようにする。


 あとは軽くアイテム欄に必要なアイテムがしっかりと揃っているかの確認をおこなえば準備は完璧となる。

 特段不足なものはなく最後に私の得意武器である弓をもって扉に手をかける。


 外に出ると相変わらず外に生き物の気配は全くなく恐ろしいほどに静寂に包まれていた。

 生き物の気配が全く感じられないのは、この小屋を中心とした半径100mの範囲に生物の一切の侵入を許さない結界を張っているからだ。


 結界は非常に優秀なもので、結界そのものの防御力もそれなりにあるのだが、なにより強力な認識阻害の効果があり魔物はもちろん他プレイヤーに至るまで察知されないという優れものである。


 当然これを使えばこんな森の中であっても魔物に襲われることなくゆっくりと休憩することができるため非常に重宝している。

 もちろんこんな便利アイテムがおいそれと簡単に手に入るものではないので、今展開しているこれ一つしかないのだが.....


 今はこの結界を小屋に使っているのだが実はこの家も特別なアイテムの扱いになっており、持ち運びが可能の便利なものなのだ。


 もちろんこんな便利アイテムをここに放置しておくわけにはいかないので小屋ごとアイテムボックスに収納する。

 収納すると同時に索敵スキルを発動して周囲の警戒を始める。魔物の警戒をするのは当然なのだが、それだけでなくプレイヤーも気をつけておかなければならないのだ。


 このゲームはプレイヤーを襲うことによって装備等のアイテムを奪うことはできないかわりに、襲うプレイヤーの強さに応じた金額を本人から奪うことができるのだ。

 当然返り討ちにされた場合逆に自分が支払うためになるためあまり率先してやるものは少ない。

 しかし、全くいないわけではないので町が近くにない場所では警戒しておくにこしたことはない。


 索敵スキルによって近くにあまり魔物がいないことがわかったので、一先ず今のうちに移動して一旦町にむかうことを決めた。



 一時間ほどかけて近くの町に到達できたので先ずは冒険者ギルドに向かう。

 冒険者ギルドとは登録することによって様々な依頼を受ける事ができ、依頼によってはかなり簡単に金をかせぐことができるためプレイヤーのほとんどは冒険者ギルドに所属している。

 もちろん依頼だけでなく狩ってきた魔物の買取もおこなっており、冒険者ギルド員であれば金額が僅かに上がるところをとっても登録しないとう選択肢はないだろう。

 さらには有事の際(もちろんクエストによるものが大半だが....)に自分の身分を証明してくれるという利点もある。


 マントのフードをしっかり被って顔を見られないようにして冒険者ギルドの中へと入る。

 顔を隠すのは変に絡まれないようにすりためだ。というのも今の私の姿は自分でいうのもあれだが結構目立つという自覚があるし、VRゲームの仕様として基本的に自分と違う性別のキャクターを作ることができないため、私が実際にも女性であることが分かって絡まれるからだ。

 とくにこのゲームは女性が圧倒的に少ないので尚更絡まれる可能性が高い。


 中に数名のプレイヤーを見かけたため、絡まれる前にとっととやることをやってしまうことにした。

 まずは狩っていた魔物の買取をしてもらうため鑑定屋で鑑定をしてもらいに行く。

 そのあと情報ボードでこの付近のアップデート情報を確認してから受ける気はないが、一応依頼ボードの確認をする。


 予想通りというかなんというか私が受けたいと思う依頼は一切なかった。

 受けたい依頼がないのならもうここに留まっている意味はないため、早々にここから立ち去ることに決めた。


 冒険者ギルドを後にすると特にやることもないのでこの町での何か掘り出し物がないか確認することにする。


 服や小物を一通り見ていくが、やはりあまり大きくないこの町では特に目新しいものはなかった。

 かなりゆっくりと見回っていたためか既に時間が17時近くになっており暗くなり始めていた。このゲームでは現実世界と時間がリンクしているのでそろそろ親が帰ってくる頃合いになる。

 一応は顔を見せておかないと心配させてしまうので、仕方なく一度宿屋に泊まってログアウトをしようと決める。



 宿屋に行って部屋を取ると早速中に入って自分でかける結界を部屋にかける。

 基本的にプレイヤーが取った部屋に対して侵入することは不可能なのだが、盗聴することは可能なためできることなら結界を張ったほうが無難と言える。

 これが女性プレイヤーなら尚更である。


 結界がしっかり機能しているのを確認すると、武器や防具などをメニュー画面から解除してラフな格好になる。

 ただでさえ外では全身を隠して周りを警戒しないといけないため、せめて自分だけのプライベート空間くらいは楽な格好でいたかったのだ。


 着替えてから今日のアイテム整理を軽くして、それが終わると既に時間が18時近くになっていることがわかったのでログアウトすることにした。


 ログアウトしようとメニューを確認すると、突然通知がメニューに表示された。

 私の場合フレンドは特にいないので、通知なんてものはゲームマスターからの通知しかない。だから特段驚くことなくそのメッセージを確認する。


 『 いつもガーデッドオンラインをプレイしていただき誠にありがとうございます。

 この度はサービス開始当初より予定しおりました超大規模アップデートを実装するべく、皆様にその旨をご報告させて頂きます。


 このアップデートはこのガーデッドの世界を本物の世界にするため、かねてより慎重に準備を重ねてまいりました。

 サービス開始より経過を見ておりましたが、皆様のご協力によりようやく実装できると判断いたしました。


 つきましてはこのアップデートに同意して頂けるかどうかを回答していただき、同意された場合にのみ新たなガーデッドの世界をお楽しみ頂けます。


 一人でも多くの皆様にお楽しみ頂けますように今後とも努力を続けて参りますので、今後ともガーデッドオンラインをよろしくお願い致します。 』


 ガーデッドオンラインは現実に居場所がなかった私に私としての居場所を持つことができた世界だ。この世界がさらなる高みに至ると聞いて、なんとも言えない感激にも似た感情が私の中で沸き起こった。


 気がついたらアップデートにおける利用契約の一番下に来ていて同意ボタンを押していた。

 もう一度本当にいいのか再確認するメッセージが出たが、一切の躊躇いもなく先に進んだ。


 メニューウィンドウが消えると同時に視界が白一色に埋め尽くされて.....

 私の意識は闇に呑まれた....。


誤字・脱字、読みづらい部分などありましたらご指摘いただけると幸いです。

次回もできるだけ早く投稿できればいいなぁ......

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