ガーデッドオンライン
今回は完全に説明会になってしまいました....。
ガーデッドオンラインという一つのVRゲームタイトルが誕生したのは今から1年半ほど前のことだ。
このころのVR業界はひっきりなしにタイトルが生まれ続け、そしてそれと同じくらいのタイトルが姿を消していく弱肉強食の世界に突入していた。
そんな時代の中で生まれたガーデッドオンラインというタイトルは後に考えればどうして存続できていたのかが疑問に思われるようなデービューを果たしている。
ガーデッドオンラインのサービス開始に関する宣伝は一切行われていなかったのだ。
というのも大抵のゲームは人を集めるためにネット上にWEB宣伝を行ったり、雑誌などで告知したりと情報を発信するのが当たり前だというのに、あろうことか何かしらの宣伝行為を文字通り一切やっていなかったのだ。
このゲームを探し当てるにはVRのホーム画面新作ゲーム一覧を根気強く下まで見ていき、その中の最底辺あたりにポツリと存在しているのを見つけるしかなかったのだ。
当然一切の情報がなかったゲームに人々が気が付くはずもなくサービスを開始したこの新作タイトルは、マイナータイトルとして知る人ぞ知るゲームとなる。
だがこのゲームを見つけた人のほとんどがこのゲームの虜となったのは、今に至るまでサービスを続けているところからいうもまでもない。
このゲームの世界観は所謂ファンタジー系で、魔法や剣の世界で中世文明の世界を体現していた。
世界観的にはどこのゲームにもありそうなものだがこのゲームの凄いところは圧倒的なまでの自由度の高さにある。
まずレベル制を採用しているところは王道RPGのような感じだが、職業の数がそれこそ無限にあるのではないかと言われているほどに多い。
本来RPGのようなゲームシステムでは初期職といわれる職業を選び、そこから上級職と言われる職業に派生していくのが鉄板なのだがガーデッドオンラインではそもそも選ぶべき職業が存在しておらず、また職業を取るための条件なんてものも一切記載されていないためサービス開始当初は誰も職業を得ることできなかった。
だがしばらくするとようやく職業を得たものが出てくる。
その職業の多くが冒険者として冒険していた者たちで冒険者という職業を手にするのだが、あるものは魔法を頻繁に使い魔法士という職業に変わっていきやがて魔導士になった。
魔法ではなく剣でひたすら敵を討伐していたものは熟練冒険者から剣士になり、剣士から剣聖になった。
また、剣聖になったものと同じようにひたすら敵を倒していったものが剣聖ではなく剣鬼になった例もあり、同じことをしても同じ職業を得られる確証はなかった。
結局のところ職業ごとの取得条件ははっきりせず、自分が行動した事柄に関して縁のある職業を得られる程度のことしか分からなかった。
だが職業によっては非常に高い恩恵を得られる上に誰もがなれるものではないと分かったプレイヤーたちが自分だけのオリジナルジョブを求めていったのは当然と言えるだろう。
そしてこの職業システムだがさらにプレイヤー達を喜ばせたのが、ある一定のレベルに到達すると2つ目の職業を得られるということだった。
今までの1つのままだと今の職業が高い恩恵を受けれることが分かってしまった時点で、その職業をロックせざるを得ず新たな職業の開拓が困難になっていたためこれは非常にありがたいことだった。
職業1つ取ってもやりこみ要素は無限大だったがこれに合わせてユニークスキルというものがあることが発覚した。
レベル100に到達した瞬間に今まで見たことがないスキルを習得できたプレイヤーたちがスキルを確認すると、ユニークスキルという名前とともに非常に強力なスキルであることが判明した。
一部パーティを組んでいた者たちによってこのユニークスキルが完全に個人固有のスキルであることが分かり、このスキルに関しての詮索の一切を禁じることがプレイヤー内でのルールであることになる。
それも当然のことで、このユニークスキルという能力は非常に強力なスキルで使用次第ではそれなりのレベル差の敵が相手であっても容易に倒せるのだ。
ここまで挙げてきた色々な要素が自由度の高さということの証明であり、またこのガーデッドオンラインの魅力であったためプレイヤー間での根強い人気が続いたのも必然であった。
こうしてまた一人のプレイヤーがこの世界に魅せられて飛び込んでいく。
誤字・脱字、読みづらい部分があればご指摘いただけると幸いです。