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真夏の出来事2
お久しぶりです。あと2〜3話ほどで終わりますので、どうか最後までよろしくお願いします。
助けて。冷たい。寒い。苦しい…。
助けて。
助けて、助けて…。
どんなに足掻いても一向に浮く気配のない身体。
次第に重くなる手足。
助けて…助けて…。
僕はまだ、死にたくない…!!
やがて手足は動かなくなり、息ができなるなる。
空気ではなく大量に流し込まれる海水を、吐き出せるはずがない。
やがて、口だけではなくありとあらゆる穴から忍び込む海水に
僕は為す術もなく海底へと引きずり込まれていった。
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目が覚めた僕の目に真っ白な天井が飛び込んでくる。
嗅ぎ慣れてない薬品の匂い。
少しの違和感と、疲労感。
あぁ、僕は、目が覚めてしまったのか……。
ぼんやりとそう思い、彼の姿を探す。
ふと何処からか声が聞こえた。
『また来世で会おうぜ。元気でな。』
ひどく聞きなれた声だった。
そうか、僕は。
俺は助けられたのか。
窓から見える海がやけに青くて、嫌になるくらい眩しかった。