状況説明〜その2〜
『でね。さくちゃん...あなたには今までの人間界ではなく、魔界にて生活してもらいます。そしてそこで、次期大魔王様になられる為の帝王学等を学んで貰うのよ。これは先程も言ったけれど今回、さくちゃんが不慮な事故で亡くなってしまった為の緊急の措置なのよ。
しかし本来であれば、18歳の誕生日を迎えてからの覚醒と言う形でしたが、今回はそのような事を言ってる場合では無いので、大魔王様の独断で行われたのよ。ここまではいいかしら?』
と重複する部分も合わせて陽華は説明すると桜次郎は、
『ん。そこまでは納得はしてないけれど理解はしたよ。で、これからは魔界で生活しないといけないのもわかったけれど、みんなにお別れとかって出来ないの?』
と少し寂しそうに桜次郎が陽華に聞くと
『さっきも言ったけれど、さくちゃんの遺体...。あれじゃあ、ゾンビが挨拶に来るようn..『あ〜ごめん。やっぱいいや〜。陽華姉〜気にしないでっ!』..。』
と鬱げに話す陽華の言葉を遮るように桜次郎が無理しながらも明るく話しかけた。そしてその後を続ける言葉はまた寂しげに
『会うのは諦めるから...。でも夢の中とかでお別れとかも...無理なのかな?』
と陽華に聞くが陽華も残念そうに
『さくちゃんごめんなさい。死神にはそー言った能力は無いの。もしかしたら大魔王様にお願いしたら出来るかもだけれど...。現時点では方法が無いの。ごめんなさい...。』
と徐々に小声になりながら謝る陽華にどう声をかけたらいいかオロオロする桜次郎だった。
しかしすぐに桜次郎は決意した表情で言った。
『陽華姉〜、とりあえず魔界に連れてって。そこで大魔王様にって、自分の本当の親父か〜。何て言えば良いんだ?まいっか。大魔王様にお願いしてみるよ。だからまずは魔界に連れてってよ。まずはそれからだね。』
と、拳を握り更に決意する桜次郎を見ながら、陽華も決意を決め桜次郎に話しかけた。
『もっと詳しく細かい話は魔界に着いてから話すけれど私にとって一番大事な話をするね。あのね...えっとね...う〜ん、改めて意識しちゃうと恥ずかしいな〜...。えっとね...。』
何か急にモジモジし始めた陽華に桜次郎は
『陽華姉〜どうしたの?急にモジモジしだしてトイレ行きたいの?ちょっと動きが気持ち悪いんd..(バチ〜〜ンっ!)..痛って〜っ!』
先程とは逆の頬を撫ぜながら涙目の桜次郎を睨みながら陽華は
『ホント、さくちゃんはデリカシーが無いのね...。これから先が思いやられるわ。は〜。』
と最後は小声で呟くと小さくため息をついた。そして再度覚悟を決める為に大きく深呼吸した後陽華はドヤ顔で、
『わたし、さくちゃんのお嫁さんになるの〜〜〜っ!』
『は〜?...は〜?』
『いや〜ん、もう恥ずかしいじゃない。』
あまりに咄嗟の事で頭で処理しきれていない吃驚顏の桜次郎と、言った台詞が頭の中でリピートしそれに対して恥ずかしがる表情の陽華。
もしその場面を見れる存在がいたら、2人の表情に大爆笑していただろう。
が、ここは狭間の空間で、桜次郎と陽華以外はいなかった為、その面白い光景を誰も見ることは出来なかった。
期待して待っていて下さった方にはホントすみません。かなり間があいてしまいました。
思いつきで書き始めたので、初めからストックなど無い状況で...。
今後も頑張ります。
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もう少し前置きが続くかと思いますが、宜しくお付き合い下さい。