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貞操逆転世界でお金のためにホストになったら、神様が生んだ『子』と呼ばれるようになった  作者: 普通


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1/1

こんな世界でホストになる

僕は女の子の隣に腰を下ろして、なるべく笑顔で話し掛ける。


「今日も来てくれてありがとね」



「テツくんに会いたくて来ちゃった!」



「ありがとね、いつも僕に会いに来てくれて。本当に嬉しいよ」



「……か、かっこいいよぅ…」



「そうかな。由美さんもとてもキレイですよ」



「そ、そうかなぁ……テツくんに褒められると嬉しくって舞い上がっちゃうよ!!」




そんな会話が繰り広げられているのは貞操逆転世界のホストクラブだ。




――――


僕は貞操逆転世界に転生した。


最初に気付いた時は驚いたもの。ニュースや周りの環境が今まで自分が知っている者と全然違う。性犯罪では全て女性が犯人で男性が被害者。小学校や中学、高校ではクラスでは圧倒的に女の子が多くて、男は少ない。


よく前世では小学校なので男の子が好きな女の子に意地悪をしてしまうみたいなことがあったけど、この世界では男女が逆で起こっていた。やっぱりどの世界でも起こるんだと客観的に見ていた気がする。







この世界の男女比率が圧倒的に偏っている。男が少なく、女が多い。こういう比率になれば女は男を求めるようになってくる。


そして社会的地位がある人や金銭に余裕がある人が男を手に入れ、普通の企業に勤めているような女は男を手に入れることもできない。場合によっては話すことすらできないで一生を終えたりする。



それが当たり前の日常。







両親は離婚していて、母親が女手一つで僕と妹たちを育ててくれた。一応、男が生まれた家庭には政府から補助金が出ることになっているけど、それでもやはり僕以外に妹が2人を育てていくのはかなりキツイものがある。母親が朝から晩まで働いても限界があるもの。


父親は家を出て行って、どこかに行った。どうせ誰か他の女の人でも見つけて、そっちに行ったんだろう。この世界において、こういうことは別に珍しい話ではない。男の方が希少で重宝される世界だからこそ、男と結婚できるだけでも幸せ者として扱われる。いくら男性側が暴力を振ったり、何もしなかったとしても。



これが価値観。


僕もそんな環境で育ったが、さすがに母親が可哀そうに映った。


これだけ働いても全て子供の養育費に消えて、自分のために使える時間すらない。働いて、子供の世話をしたら、寝るの繰り返し。たぶん、僕に前世の記憶がなかったとしても母親を不憫に思った。



それでも母親は僕たちの前で辛そうな素振りを見せずにしている。






それが分かっているからこそ、僕は母親を支えることにした。家事などを含めて、母親が家に帰って何かすることがないようにやれることをやった。



母親は「義幸よしひこはそんなことしなくていいのよ」と口にしていたけど、今の状態を考えれば、僕が手伝うしかない。母親が仕事もして、家事もするようになれば絶対に1ヵ月以内に過労で倒れる。これは予想じゃなくて予言だ。母親にこれ以上、負担を掛ければ倒れてしまう。




でも、このままでは遅かれ早かれ、母親は倒れる。それを防ぐには僕が何とかしないといけない。妹たちはまだ中学生2年生と高校1年生だ。それに比べれ、僕はエスカレーター式で大学に行くことが決まっている、高校3年だ。


男は努力しなくても大学までは決まっているが、女は勉強を頑張らないと大学に行くことも出来ない。妹たちがどう思っているかは分からないが、行きたくてもお金の面で行けないというのは避けてあげたい。


そこで僕が金を稼ぐことにした。







僕が目を付けたのはホスト業だ。


男の僕がやれる仕事である程度の稼ぎが見込めるのはホストだと思った。そこまで容姿に自信はないものの、男でホスト業をやりたい人自体がほとんどいない。



まず、女性に対して抵抗感を持っている人がほとんどの中でホスト業に付きたいと思っている人が少ない。となれば僕でも簡単に仕事にありつける。



履歴書などを書いて、募集しているお店に出せばすぐに『合否について』という件名のメールがすぐに届いた。開けるとそこには色々と書かれていたけど、簡単にまとめると『合格』ということだった。


どうやら僕が応募したお店はこれからホスト業を始めようと思っているお店らしく、新しくホストを集めていた。それに加えて、場所も家からそこまで離れていない。これなら出勤も時間が掛からず、どうにかなりそう。





さすがに母親にも妹たちにもホストをやるなんて言えるわけがなく、黙っていることにした。もし、僕がホストをするなんて知ったら「絶対にだめだよ!お兄ちゃん、自分のことを安売りしちゃだめ!」「何か欲しいものがあるなら、お母さんが買ってあげるから、そんなことしないで」とか言われるに決まってる。僕だって本当であればホストなんて向いていない仕事をしたくはないけど、これ以上母親に無理をさせるわけにはいかない。




こういうのって事前に現場に行ったり、面接があったりするものだと思うけど、それもなく初出勤の日だけメールで連絡だけきた。


少し不安もあるけど、お金を稼ぐことが第一優先なのでしっかりと対価を得られるのであればどんなことでも頑張るつもりだ。





「ホストとして頑張ろう」



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