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第三章 不器用な同棲生活

 最初のうちは伯爵のその女性的な性格に戸惑っていたけれど。

 次第に彼の魅力に惹かれていくようになる。

 伯爵はとても優しく思いやりがあり、私の事を「お嬢様」と呼び丁寧に接してくれていた。

 王宮や社交界で出会う男は皆慣れ慣れしく、直ぐに私の事を『イヴ』と呼びたがり、平気で身体に触って来るのに。

 伯爵の趣味はガーデニングと料理で、彼の作る料理は王宮の厨房を担当している一流コックにも引けを取らない腕前だった。


「ギャズリィ様は本当に伯爵なのですか……?」

「ええ、もちろんよ」

「それにしては……その……」

「あら、この格好の事を言いたいの? 男らしくないって」

「あ……いえ」

「男らしさって、そんなに重要かしら?」

「──!」


 私は伯爵の言葉に心を打たれた。

 伯爵はその優雅な動きで紅茶を淹れながら話し始める。


「わたくしは、自分らしく生きる事が一番大切だと思っておりますの。世間の常識に囚われずにね」


 目の前のティーカップが紅茶で満たされた。

 湯気と共に良い香りが鼻を楽しませる。

 その茶葉も、伯爵が育てたものらしい。


「イヴィリア様はどう思われます?」


 私は戸惑いながらも正直に答える事にした。


「私は……まだよくわかりません。でも、ギャズリィ様と一緒に居る時間が好き……です。誰に何と言われようとも」


 伯爵はその美しい瞳を細め、「素敵なお言葉ね」と微笑んだ。


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