第1話「最高」
ここは自分が通っているトレーニングジム。
「松下さん、最近いい調子ですね。ただ体は壊さないでくださいよ?」
「分かってるさ。ただ、次の大会こそは上位に行きたいからさ。」
「そうなんですね。確かに最近苦戦してましたもんね」
「コーチ、やめてくれ、心に刺さる」
二人の笑い声が響く。
その声に割り込むように電話の着信音が鳴り響く。
「松下さん、電話鳴ってますよ」
「ん?ホントだ。誰だろう」
そこには監督の名前が表示されていた。
「どうしたんですか?監督」
『やったな!ヒロキ!喜べ!お前再来月のスーパーフォーミュラのテスト出られるぞ!』
「えっ?えっ?ナンデスカ、ソレ?」
動揺しすぎておかしなことを聞いてしまう。
『日本トップフォーミュラのスーパーフォーミュラだよ!』
「えええー!」盗み聞きしていたコーチと二人で驚く。
「どこでやるんですか?」
「再来月、鈴鹿でやるんだとよ!チームはRESA Grand Prixだ!」
「本当ですか!やった!」
『ちなみに、同じチームから堀本も参加するぞ!』
「まじすか…」
『テンションの落差激しいな笑。まぁ、お前の走りを見せてやれ』
「わかりました。やれることはやってみます。」
夢でも見ているのか?
「やりましたね!ヒロキさん!」
「あぁ、最高の気分だよ」
「じゃあ、トレーニングもっと頑張りましょう!」
「え?これ以上頑張るの?」
「はい!日本のトップフォーミュラに挑戦するんですから。」
そこからトレーナーと一緒に必死にトレーニングに励んだ。