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VERTEX  作者: 銀乃矢
第3章 ル・マン編
23/32

第11話「ゴール」

チェッカーフラッグまで残り1時間。


最後にもう一度自分に出番が回ってくる。


「よーし、大輝(ひろき)、最終スティントはお前に託す。最高の走り、見せてこい。」

「了解!」勢いよく椅子から立ち上がり、再びル・マンの舞台へ。



担当すべき周回を終えた大塚が戻って来る。


大竹が体調不良のため、自分に回ってきた。



大塚から最後のバトンを受け取る。


大塚、監督、メカニックたちがサムズアップなどで鼓舞してくれる。


GOサインが出る。


目指すは一つでも上の順位。




目の前には一つ上の順位を走行する他チーム。

自分はオーバーテイクの機会を伺っていた。


その時、LMGTEのマシンに先行車が詰まる。

この隙を見逃さない。


一瞬でサイドバイサイド(2台横並び)に持ち込む。


サイドバイサイドのままシケインへ。



しかし、ブレーキ勝負で軍配が上がったのは向こうだった。

すかさず、次のオーバーテイクチャンスを探す。



その時、目の前を走るLMGTEのマシンとLMP2カーの走行ラインが交錯する。

接触し、そのまま2台はコース外へ。


「あらら、でも順位が一つ上がったからラッキーか。」


あとは30分後のチェッカーフラッグを受けるだけ。


現在クラス7位。


スタートの時の順位を見れば最高の順位だ。




30分が経過。

チェッカーフラッグが振られる。


総合優勝はフェラーリ。

続々とチェッカーフラッグを受ける。


自分もチェッカーフラッグを受ける。

98号車は大きなトラブルなく完走できた。


『お疲れ様。クラス7位、クラス7位。いい走りだったぞ。』

「いや〜、疲れました。でもいい経験させてくれてありがとうございました。楽しかったっす。」

『こちらこそ乗ってくれてありがとうな。次のFRCの夏季大会も頑張ろう。』



ピットに戻って来ると、メンバー総出で出迎えてくれる。


結果、98号車が7位、99号車はエンジントラブルによりDNF(リタイア)となった。

99号車は残り10時間でのリタイアだった。





モータースポーツの聖地での経験は将来に活きそうだ。



労いのパーティーの末、フランスを旅立った。

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