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⑻『エンド・アンドロイド』
⑻『エンド・アンドロイド』
㈠
実情で言えば、可もなく不可もなくな俺は、アンドロイドのことを、この小説で、たいそう逡巡している。まるで、自分が子供にでもなったかのように、アンドロイドのことを考えろ、と神に言われているかの様である。
㈡
しかし、もういいだろう、時は過ぎたんだ、過ぎ去りし時なんだ、風と共に去りぬなんだ、何が言いたいかって、そんなの分からないよ、分からないな、ただ、アンドロイドのことを思って、執筆していることだけは、確かなんだよ。
㈢
ああ、永劫なるアンドロイド、まさに、俺は、アンドロイド的アンドロイド的俺に、なろうとしているのだろうか、もう、しかし、考えを巡らしても、本当のことなんて、誰も分からないよ、ただ、アンドロイドだけが、知っているんだろうから。