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第136話 突撃する赤ちゃんの物語Ⅵ ~異世界成分無添加Vr.~②






「私はぬっくんの盾。私が守る! たとえ、相手がだれだろうと!!」


「うわ。ひめまで勝手に盛り上がっとる」


「ひめちゃん? 無理は駄目だよ?」

「はい‥‥‥‥ごめんなさいっ‥‥」



「渚さんから連絡来た。暖斗くんがそう言うなら助けに行こうって。部隊(スコードロン)Bも前進するって」

「わかった。あくまで慎重に。慎重に」

「ラポルトも適時、援護射撃してくれるってさ」


「まきっち。あれ、やろう」

「おお!? ついにやる!? あれ!」

「うん。ココが出しどころだよ!」

「おおう! やんのかひめ! やらいでか! 小屋敷小トリオ!」


麻妃(マッキ)まで変なテンションに‥‥」


「だってぬっくん。私とまきっちが練りに練った戦法だよ」

「あの布陣に死角は無いゼ☆」


「いや、むしろ積極的に死角を作るみたいな戦法じゃ‥‥」

「ちなみにまだ名前は無いゼ☆ 絶賛募集中!」


「大丈夫。ゼッタイ敵は意表を突かれるから。そして危険な役目はぬっくん! ぜ~んぶ私が引き受けるから!」

「無理はダメだよひめちゃん‥‥」

「前進だゼ☆! 小屋敷小トリオ!」

「前進だよ! 小屋敷小トリオ!」

「大丈夫かな~~」




 ***




「シールドジェネレーター、Sモードに変更」

「ひめ、光格子(こうかくし)フテローマ積層、25パーセント」

「いっくよ~~っ!」


 ガギンッ!!


「暖斗くん、チャージ125パーセント!」

「了解、ひめちゃんっ!」

「うんっ!」


 ボゴゴン!!




「またやっつけた。これで3小隊目。順調だよ」

「ふっはっは。圧倒的じゃないか小屋敷小トリオ」

「ふたりとも。調子に乗りすぎだよ。渚さんに怒られるよ」

「暖斗くんが慎重すぎるんだよ」


(ネペレー)、問題無いみたいね」

「あ、渚さん」

「ちょうどいいところに。ひめちゃんも麻妃(マッキ)も。勝ってるからって油断しててさ」

「ずっとモニターしてたわ。‥‥でも正直スゴイ戦果よ。‥‥まさかここまでとは」

「ほらみろ。褒められたじゃんか」


「でも不思議ね。テオブロマが囮役で、機体を無意味に発光させて隙を作るのはわかるけど、その後の暖斗くんの砲撃。姫の沢さんがどっちに避けるかわかってるの?」


「なんとなく」

「なんとなく」


「ま~~暖斗くんとひめっちは、以心伝心だから」

「‥‥これ、『考えたら負け』案件ね‥‥。『幼馴染だから』ってことにして、これ以上悩むのはやめとくわ。‥‥‥‥あと姫の沢さん」

「はい」


「暖斗くんの砲撃が至近だった時、計器がホワイトアウトしてたでしょ? 大丈夫だった?」

「ああ、それはまきっちがある程度保全してくれてたので。数秒で済みました」

「‥‥数秒‥‥(絶句)。暖斗くんの砲撃、今後さらに強力になるかもだから気をつけてね。戦場で周りの状況判らずに棒立ちになるのは推奨しないわ」


「ああ渚さん。それについては対策済みだゼ☆」


「そうなの?」


「そう。ひめ自身と暖斗くんと、二重に仕込んであるから、まず大丈夫」

「‥‥そう。あ、ツヌは後退しだしたそうよ。私たちの部隊が腹背から嫌がらせし続けたのと。それを討伐しようにもあなた方が全て返り討ちにしたのと。ラポルトの曲射砲撃(パラボレーショット)が効いたわね」

「「やった!」」

「ちなみにコーラさんとソーラさんも無事よ」

「よかった」

「でも敵も、退却すると見せかけて誘い込むのが定石だから、油断なく行きましょう。伏兵置きそうな地形にピン付けとくわ」

「「了解」」

(ネペレー)の砲の冷却もね」

「「了解!」」




 ***




「また来た! 1時。DMTの一個小隊!」


「じゃあ、砲撃モードだね。私は1/4戦闘距離クオータースタディオンに陣取るよ」

「エンジンへの印加電圧10パーセント!」

「マジカルカレント起動。砲撃モード。(ネペレー)、頼むぞ?」


 ドガガン!


「はい撃破~~」



(ネペレー)の砲口が蓄熱してる‥‥少し冷やそうか」

「でもすごいよ。もう6部隊倒した。ぬっくんのおかげ」

「次は、白兵戦モードにしようか?」

(ネペレー)のこと考えたらそうだけど、あんま決めつけるとヤバいかも。戦術固定すると良くないって、ウチは渚さんに言われてるから」


「でもひめちゃんスゴイや。まさかDMTが光るとは敵も思わないし、何気に剣術スゴイし。それで敵が怯んだ間に、僕が砲撃でも回転槍(サリッサ)でもチャージできるし」

「ううん。スゴイのはぬっくんだよ。確実に敵にダメージ与えて。あと桃山さんも。欲しいタイミングで援護来るし、たまに装甲の隙間撃ち抜くし」

「ひめが囮になる作戦はハマったなあ。ひめが前衛役やってるおかげで、暖斗くんのマジカルカレント使用量が想定よりも少なく済んでるって」

「そうなの?」

「そうなんだってさ。三人娘は暖斗くんのマジカルカレント回復を『20時間を目安』にしてたらしいんだけど。15時間くらいで治ってるんだってさ」


「まあ。愛依に20時間もお世話されるのは申し訳ないからな~。気まずいし」

「あっ?」

「あ~~! ぬっくんっ!」


「今『愛依』って呼んだゼ☆ ひひ」

「だぁってさ。僕がそう呼ばないとずっと言い続けるつもりだっただろ? 呼べ呼べってさ」


「じゃあさ暖斗くん。ウチの名前もあだ名じゃなくって」

「私も! 『ゆめ』って呼び捨てを所望っ! ‥‥できれば死んだ目で冷たく言って!」

「‥‥‥‥」


「よ~~べ! よ~~べ!」

「よ~~べ! よ~~べ!」

「‥‥‥‥」


「ぬっく~~ん!」

「暖斗く~~ん!」





「‥‥‥‥ほらみろ。ゼッタイそう来ると思った」







※作者注 

①愛依との「腕まくら」発生イベントが無いので、回復は15~20時間のまま。短縮せず。だがしかし?

②小屋敷小トリオの「テオブロマ発光戦術」。史実のアマリア港解放戦ではコーラと即席でやりましたが。ひめ、暖斗コンビの「オリジナル」だとこの戦果。

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