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【緊急挿入】第2部 第0話 港の見える公園にて

「第二部 ベイビーアサルト・マギアス」を緊急掲載致します。理由は、他の作家の方とネタが被りそうになったからです(笑)

SFとファンタジーの融合作品、初手で異世界に転移し、その世界で巨大人型兵器に乗る、は既存作品がたくさんあると思います。


この「ベビアサ」は30万文字ガチガチのSFロボ物をやり、そこから異世界転移要素を入れます。たぶん初出です。第一部の伏線を第二部で回収、またはその逆も、という仕組みです。

この異世界が絡むことで、第一部に於いて色々なイベントが発生するルートに入ります。


若干、というかかなりややこしいストーリーとなりますが、楽しんで頂けたら幸甚です。

ベイビーアサルト・マギアス ~前略、僕ら16人は無事異世界へ転移しました。仲間の絆チートで帰還を目指せ! 前世のSFロボット作品が単なる異世界転移の前日譚だっただと!? ベイビーアサルト第2部~





 風光明媚な公園である。標高は100メートルほどであろうか。そこに、十数人の男女が集まっている。――――男女、と言ってもその中に男性はひとりだけだったが。


 皆楽しそうに騒いでいた。あたりには、他に人影が見当たらない。若い、十代の学生の集まりのようだ。その明るい笑い声は、ずっと続いていくと思われた――が。



 バタリ。



 バタリ。



 突然、ひとり、ふたり、と、その若人たちが倒れ始めた。次々に、無言で倒れていく。糸の切れた人形のよう、とは言い当て妙な表現だろう。ついに、ひとりを残して全員がその青々とした芝生の上に転がることとなった。


 残ったのはただひとり、女性だ。純白のワンピースに、髪には大きな花かざりを付けている。金属製のカチューシャがまるでティアラ――童話から抜け出たお姫様のようだった。


 彼女はスマホでどこかへと連絡をする。‥‥‥‥恐らく助けを呼んだのだろう。そして、ひとりひとり肩を揺すって呼びかける。


 だが、彼女の呼びかけに応える者はいなかった。



 山の中腹の公園、眼下には市街と港が一望できる、風光明媚な場所。



「‥‥集団ヒステリー? ‥‥酸素濃度? おかしい。こんな。なんで!?」


 女性はそう、悲痛な声を上げる。中でも、男性の傍らに来た時には。



「‥‥‥‥お願い‥‥‥‥目を覚まして‥‥‥‥お願い」



 ひときわ悲しげな声を上げた。



 澄んだ空気を運ぶ風は、本来は心地いいもののはずだったが、その風に、何台かの救急車のサイレンの音が混じってきた。麓の方から響いて、よく聞こえてくる。その音に我にかえった女性は、芝生の上の倒れた男女の状況確認を始める。トリアージだ。

 意識レベル、自発呼吸のあり無し、脈拍、慣れているのか、大変手際が良かったが、まるで眠った様に意識を失っている十数名の男女が、目を覚ます気配は無かった。



「ああ‥‥‥‥!」



 疲れたのか、絶望に心が折れたのか、ついに唯一動いていた彼女――――純白のドレスの女性も膝をつき、地面に どさり、と倒れた。



 サイレンの音が次第に大きくなる。その音はのどかな丘陵にあるいは大きく、あるいは小さくこだましながら、だんだんと近づいてきた。



 そのけたたましさが最大値になった時、サイレンが鳴りやんだ。救急車が到着したのだ。隊員たちは、その状況に驚き、互いの顔を見合わせながらも、よく訓練された動きで少年少女たちを収容していった。



 あとには、片付け途中のお弁当箱やレジャーシート、そして。





 100円ショップの材料で子供がこしらえたと思われる、造花のブーケが残されていた。






※質問 「いつから異世界転移することを想定して書いていたか?」

 回答 「ひと言で云えば『ほぼ最初から』です。『第4話 右手Ⅰ②』(本来は第2話だったが移動)に、痕跡を残しています。

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