1−2 加勢
午前中の授業には集中できるはずもなく、ただ時間だけが過ぎた。
おそらくこのままいくと彩音の誘いを断ることも出来ないだろう。
そうなるなら彩音の言ったように男子仲間を探すしかないな。
ハァー、俺は何をしているのだろうか。
友達が少ない。
これは俺の数ある悩みの一つだ。
だがそんな俺にも話せる仲の奴が数人いる。まずは一人目、
昼休みになってすぐ俺は化学実験室に向かった。
ギィー
今にも壊れそうな扉を開けた。彼は既に実験を始めていた。
「なんだ?」
愛想のかけらも無い彼が一人目の友人、小林龍斗だ。
「一つお願い事がある」
「君からお願いとは実に珍しい、何なんだ?」話し方は特徴的だ、誰が聞いてもな。
「ああ、滅多に無い頼み事だ、承諾してくれると嬉しい」
「内容によるな。俺は今忙しい。手短に頼む」
「公安クラブってのを創ることになった、お前に参加してほしい。って言うのも、」
「いや、経緯はどうあれ拒否する」
人の話は最後まで聞けよな
「さっきも言ったと思うが俺は忙しい。なんのクラブか知らないがそんなものに時間を割く気はない」
「俺男子一人なんだ。頼む」
とは言っても無理だろう。そう思っていた。しかし
「ん?男一人?逆に聞くが女がいるのか?」
その目は輝いている。意外だった。小林は隠そうとしているようだがこいつは女好きだ。
「ああ。俺以外は女だ。」
「なんて奴だよ?」
「確か、下の名前が彩音とかいう、」
「仕方ない。入ってやるよ」
「え?」
「だから俺も、その何?公安クラブ?とか言うのに入ってやるよ」
「ま、まじ?それはありがたい。早速だが5分後に図書室に来てくれ。俺は他の奴も勧誘しに行く」
「りょーかい!」
小林の目は実験をしているときくらい、いやそれ以上に輝いている。
よほど興奮してるんだろーな。
俺が話せる奴、二人目は、
続く