ゼロ。
とある話。
とある喫茶店が朝を知らせる。
とある中学生が悲劇を見る。
とあるバーが悲しみを感じる。
とある存在する人が日常を望む。
とある高校生が心を聴く。
とある日常と非日常が混じる。交わる。
とある話。
日の出と共に香る落ち着く匂い。
とある街に潜む、とある喫茶店。
そこから香る珈琲の匂い。
朝の目覚めを知らせるよう漂う珈琲の匂いは、
人々を誘う。
さて、今日も日常的で非日常的な一日が始まる。
とある話。
学生たちが通学するこの時間。
いつもと変わらない景色。
人が多い交差点。
赤に変わった信号機。短くて長いこの待ち時間。
とある中学生はボーッと目の前の道路を眺める。
瞬きをした。その瞬間。大きな音に風圧が飛びかかる。
思わず固まった。青に変わった信号機。渡る人々を挟むようにぶつかっているトラックや自動車。
悲鳴が広がる。とある中学生はただその光景に立ち尽くした。
とある話。
地下のどこかのバー。
薄暗く不思議な雰囲気を感じる大人の小さい世界。
カウンター前に立つ若い男性。マスターだろう。
そのマスターとカウンターを挟んで向かい側に座る若い男性。常連客だろう。
親しげに話すマスターと常連客。
この落ち着く時間はいつまで続くのだろう。
悲劇の時がゆっくりと迫ってくる。
とある話。
帽子を被り直しゆっくりと街を歩く老人。
杖を持ち街を眺めるよう歩く。
時には雨の日。
大学生くらいの女性が傘をさし人が少ない通りを歩く。
上を向いて曇りきった色の空を見て前を向く。
時には快晴の日。
成人男性が公園で本を読む。心地いい気温に心地いい風。
ゆっくりと流れるこの時間を楽しむかのよう本のページをめくる。
何も違和感もない。何処にでもいるかのように存在している。
例え、ちょっとした違和感を持つ者でも。
当たり前のように存在している。
とある話。ヘッドホンをして窓の外を眺める高校生。
オレンジ色が広がる教室。ただ一人、窓の外を眺める。
誰かを待っているかのように見えるが、一人になりたくているかのよう。
誰の声を聞き入れずにヘッドホンを被り直す。
もう、何も信じないかのように。閉じこもるかのように。
日常的で非日常的なこの世界で、私たちはどう生きるか。
とある喫茶店。
とある店員さんにとある客。
とある日常と非日常が始まる。




