表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
マジックの種は夢の中で  作者: 天河 蒼夏
6/20

第5章〜魔法の裏にあるもの〜

「じゃあ、今日やることは下見ってことなんだけど、まず下見のやり方を教えるね」

 そう言うと、星夜くんはまず下見がなんなのか、と言うとこから教えてくれた。

 それでかれこれ楽屋で十分程。分かった事は、下見でやることは、その劇場の裏方や舞台、また劇場全体がどうなっているのかを把握するのが目的だと言うことが分かった。イクスエリピスは以前から利用させてもらっていたらしいのだが、念のために改めて下見に来たらしい。

「…って感じだから、最初は大変かもしれないけど、一緒に慣れていこうね!」

「はいっ!」

 なんだかこの感じ、私が社会人一年目の時の新人研修を思い出すなぁ…。あの時は大変だったけど、こっちも上手く仕事こなせるかなぁ…。…っていうか、これって副業??あれ?うちの会社って副業OKだったっけ?

 コンコンッ ガチャ

「クレッセント・ムーンさーん、上映が終わりましたのでいつでも舞台の使用出来ますよ」

「あ、はい。ありがとうございます!じゃあ、真由ちゃん。早速お仕事、初めてみようか!」

「あ、は、はい!」

 楽屋を後にして、星夜くんについていくと何やらモニタールームのような場所についた。目の前には変なスイッチみたいなのがズラって並んでて、上にはモニターがある。スイッチの台の上には窓があって、そこには舞台と客席が一望できる窓がある。

「ここは照明調光室と、音響調整室が一体型になった調光調整室だよ。まあ、簡単に説明しちゃえば舞台の音とか光とかは全部ここで操作できるんだ。細かい動きはこのモニターでチェック出来る。あとは…」

 うん、他にも色々あったけど、更にざっくり説明すると、舞台上で起きてる事を細かく知ることができるのはこの部屋らしい。要するには、この部屋にお客さんが入っちゃったら死活問題な訳だね。魔法の中身も見えちゃうことあるらしいから。

「…って事で、ここまで一気に説明しちゃったけど、何か質問ある?」

「えっと、この部屋って私、入ることあるの?」

「あ〜…殆どないかな。僕もあまりないし。ただ、舞台作る上では絶対欠かせない部屋だよ」

「なるほど」

「他にはある?」

 もうないかなぁ〜、と思いつつ首を横に振る。

「うん!じゃあ、次行こう!次はいよいよ舞台だよ!」

 やったー!舞台!イクスエリピスの舞台なんて絶対絶景だぞ〜!

「真由ちゃん、真由ちゃんが今想像してるのはきっとめっちゃキラキラした世界だと思うけど、実は舞台の上は危険がいっぱいなんだよ」

 どうやら、星夜くんの説明によると舞台の上の照明器具が落ちてきたり、それ自体を留めている「バトン」と呼ばれている棒が落ちてきたりなど。設置が甘ければ死と隣り合わせらしい。死には至らなくても、大怪我をしたり。他にもライトをガンガンに浴びる訳だから季節を問わず熱中症や脱水症にもなり得るそう。意外と舞台の上って大変なんだな…。

「大変なんだね…」

「それでもね、わざわざ僕の為に観に来てくれたお客さんの笑顔が目の前にあるってだけで、僕、頑張れるんだ!だってそれが、僕にとっての最高のご褒美だから」

 なーっんとっ!この人は天使かッ!天使なのかっ!?にっこり微笑みながらそのセリフはだめっ!

「それで、これが最後になるんだけど、舞台の右、左にも呼び方があって今僕達がスクリーンを背中にして立ってるでしょ?だから、向かって右側が下手しもて。左側が上手かみて。って言うんだ。あ、あと強いて言うなら、舞台袖にある化粧台とかはむやみやたらに触らないでね。僕の物意外のもある可能性があるから」

「はーい」

「って事で!長くなっちゃったけど、説明はこれで終わり!お疲れ様!」

「うん!お疲れ様でしたー!」

 やったー!終わった〜!一応メモはしといたけど…すっごい…本当に新しいことばかりで大変…。でも、なんだか新鮮な感じがして面白いな。

「ねぇ、星夜くん。この後って何するの?」

「うーん…。そうだなぁ。それじゃあ、時間も有り余ってることだし、打ち上げしよう!またトラスト・アクア戻ろっか!」

「えっ?それって入場料…」

「ふふっ、大丈夫!さっき出て行く時手にスタンプ押してもらったでしょ?それが入場券になるから」

 うーん…大丈夫かなぁ…汗とかで落ちてないかな…。てか、本当に下見の予定…?遊びがメインな気が…。

「ほーら、ぐずぐずしてると待ち時間長くなっちゃうよ!早く行こ!」

「わわっ、引っ張らないでっ!」

 そんな興奮気味の星夜くんは、私の手を取り少々早足でイクスエリピスを後にした。

 今回もお読み頂き、誠にありがとうございました!

 今回はちょっと、舞台の裏側ということであくびをしながら読んだ方も多かったのではないでしょうか。

 そうなんです。舞台の裏側って、結構難しいんです。でも、大切なんです。なので、それを知って頂きたくて書かせて頂きました。「ちっ、なんだよ、つまんねーな。予想外れだよ」と、思った方がいたなら、ごめんなさい。次回はちゃんと面白くなるので…!

 因みに、ここでちょっとしたご報告をさせて頂きます。

 今作の投稿ペースを、以前と同じように二日に一度に戻すことにしました。投稿ペースを落としてからというもの、来てくださる方が減ってしまったのでその分挽回したくて…。

 なので、これからはまた二日に一編のペースでやっていくので、お時間ある方は引き続き宜しくお願い致します!

 それでは、改めて、最後までお読み頂きありがとうございました!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ