第2章〜憧れの人〜
まず最初に私達が向かったのは、イタリアンオーシャンフロー。
私も宮澤さんもラッフィが好きだという事で、一番先に向かったのはヴェネツィア・クックオフだった。このレストランでは、ラッフィ達が舞台の上で繰り広げるストーリーを楽しみながら食事を取ることができるという、ラッフィファンにとっては至福の場所だ。
「ねぇ、真由ちゃんは何食べる?」
「えっ?あっ、はい、えーと…」
ど、どうしよう…あんまり大食いだとは思われたくない…。でも、来たからにはボローニャ・シーフードチャウダーとかも食べてみたいし…。だからといって、スーベニアカップ付きのセットも捨てがたいんだよなぁ〜…。
「あ、その目。さては色々食べたくて悩んでるでしょ?」
「えっ!?なんで、どうしてわかるんですか!?」
「だって、僕がそうだから。真由ちゃんもそうなのかなって」
何このイケメンな返し。すっごいドキドキする…。もう心臓破裂しそう…。
「そうだ!提案があるんだけどさ、もしセットのやつ頼んで他のも食べたいって感じだったらセットのポテトシェアしない?二人なら食べきれるだろうし!」
「あっ、それ、いいですね!確かにそれなら食べきれそうですしね!じゃあ私、スーベニアカップセットと、ボローニャ・シーフードチャウダーにします!」
すると、途端に驚く宮澤さん。えっ、やっぱり私、食べ過ぎかな…。
「すごーい!僕もおんなじの頼もうとしてたのー!僕たちって、似た者同士だね〜!じゃあ、オーダーしちゃうね。えっと…」
う、嬉しい…。似た者同士…。宮澤さんと…?嬉しすぎる…。
「…真由ちゃん〜?出来たみたいだし、食べよ〜?」
「あっ、はい!あれ、でも、お会計って…」
「ふふふ、僕が済ませておいたよ。だから、真由ちゃんは気にしなくて大丈夫だよ〜」
嘘…でしょ…?初対面の私に宮澤さんはわざわざ奢ってくれたって事??いや、確かに、宮澤さんの事は憧れてるし、素敵だなとは思ってるけど…思ってるけれども…!手の届く距離じゃないし…。
「い、いや、ここはちゃんと私からも出します。お金、ちゃんと持ってきてるので」
「そう?じゃあ、ちょっと出すのが遅くなったってことで罰ゲームやってもらってもいい?」
えっ?罰ゲーム??何するつもりなんだろう…?
すると、宮澤さんは私の両頬に両手を伸ばした後…。
「たてたて、よこよこ、まるかいてちょんっ!」
と、頬を軽くつまみぐりぐりと回した。痛い様な、宮澤さんだから心地良い様な…。
「うぅっ…!」
「ぷっ…!ふふ、可愛い。さ、早く食べよ。折角のご飯が冷めちゃう」
そう言うと宮澤さんは、小さく「いただきます」と合掌してから、もぐもぐと食べ始めた。それに倣い、私も合掌した後食べ始める。
すると、タイミングよくショーが始まる。今回のショーは、ラッフィと絵を描くことが大好きなリスのシェラトールの物語のようだ。
「あ、これ、私初めて観ます…!なんだか嬉しいです…!宮澤さんは観たことありますか?」
「少しだけなら。あ、あと、僕のことは『星夜』って呼んでいいよ。それと敬語もダメ。僕も真由ちゃんって呼ぶし、タメ口で話すからさ」
「わ、わか…った!」
「『星夜くん』」
「せ、星夜くん」
宮澤さん…星夜くんはにこっと笑う。ちょっと独占欲強めな一面が見えたような気がするけど、それはギャップがあって寧ろちょっといい。
そして、ショーが終わるのと食事が終わるのとがほぼ同時に終わり、幸せな時間が進んでいった。
今回もお読み頂き、誠にありがとうございました!
今作は前作を投稿してからかなり時間が経ってしまったので内容を忘れてしまった方も多いのではないでしょうか…。申し訳ないです…。
作品自体はできているのですが…Twitterでイラストと投稿しようという、出来るだけ拡散したいと言うだけの意地のせいでこれだけ遅くなってしまったことをここで謝罪させて頂きます…。
本当にごめんなさい…。
忘れてさせてしまった方の為に、ザックリとネタバラシさせて頂きますと、(ネタバレしたくない方は、ここで読むのをおやめすることをお勧めします)星夜と真由が、迷子の子供をきっかけに偶然ばったり出会い、星夜の圧巻のパフォーマンスにより星夜の正体を見抜いた真由の行動で星夜と真由が一緒にパークを周ることになる、という流れでした。
次は、二日後か、三日後くらいに連載予定です。お時間ある方は是非またお読みくださると作者は飛んで喜びます!
それでは、改めて、最後までお読み頂きありがとうございました!