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メテオラはニコラスに説明をしながら二人の動きをもう一度、頭の中で整理する。
それで思うのは、やはりアビーの技量の高さだ。空中で力を抜く技はおそらく『ひねりこみ』と呼ばれる上級技の応用だと思われる。ひねりこみとは簡単に言うと自分を追ってくる魔法使いの後ろを取るための技術のことだ。
それだけでも高等技術なのに、アビーはさらに自分がデボラが回転するために支点となり、空中にとどまりながら、デボラの分と二人分の体重移動をこなしてバランスを保ったままでいる。少しでも力加減を間違えば、二人は空中で衝突しそのまま地面の上に落下するという事態になっていたはずだ。
まさに神技と言えるだろう。
それからデボラを真下に投げたあとに、アビーがデボラを追いかけたわけだけど、ここでデボラとアビーの役割が入れ替わったことになる。だけどさすがにデボラにアビーと同じ真似はできないだろうから、実際は後ろにいてもアビーが主導権を握ったままで、あれはニケー先生の動きを(まだ追ってくるかどうか)見極めていたのだと推測される。
アビーの技量に隠れてしまっているけど、デボラだって飛ぶのが下手なわけじゃない。デボラも十分な技量を持っている。なによりも二人の信頼関係がなくては絶対にできない技だ。本当にすごい二人だ。メテオラは素直に感心していた。
メテオラとニコラスは星組の教室の前でアネットと合流した。
アネットはどこで手に入れたのか、その手に先ほどの騒ぎの元凶であるパンプキンを持っていた。
それから三人は星組の教室に入り、授業の鐘の音ととにも教室にやってきたマグお姉ちゃんの授業を受けた。
そして授業が終わると、三人は一緒に、マシューとの約束の場所である魔法学校一階にある森の食堂に向かった。




