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 これでデボラ、アビー、マリンの月組の教室の三人がそろったことになる。

 しばらくの間、そのままマリンを観察していると、メテオラたちの視線を感じ取ったのか、マリンが突然、こちらに気がついてはっとした表情になり、マリンはすぐにもこもこの植物の後ろ側に移動してその身を隠してしまった。

 でも、とんがり帽子のてっぺんがもこもこの植物からはみ出たままだったので、その行動は失敗だったと言えるだろう。

 とりあえずメテオラはニコラスに事情を話して、一緒にマリンに話を聞きに行くことにした。

「え? マリンさんがいるの? どこに?」

 メテオラはもこもこの植物から飛び出しているとんがり帽子の先端を指差して、ニコラスにマリンの居場所を教えた。ニコラスは「あ~、あそこか」と言って、メテオラとニコラスは、それから歩いてマリンのところまで移動する。

 中庭の壁際でメテオラたちに発見されてマリンはびっくりして逃げようとしたのだけど、メテオラが呼びかけると、マリンはなんとか立ち止まって、メテオラとニコラスのところまで戻ってきてくれた。

 マリンと合流して三人になったメテオラたちは、マリンの案内で中庭の壁際まで移動した。

「……おはようございます。みなさん」とマリンが言う。「おはようございます」とメテオラとニコラスもマリンに朝の挨拶を返す。

「マリンさんはここでなにをしていたんですか?」とメテオラはマリンに質問する。

「えっとですね……。そのこの魔法具で『写真』を撮っていたんです」とマリンは手に持っていた箱をメテオラたちに向けるようにしてそう説明した。

 その箱には紐が付いていて、それをマリンは首にかけている。箱には大きなレンズのようなものと、それけら上に睡蓮の花びらのような飾り付けがしてあった。さっき音とともに光を放っていたのは、その飾り付けのように思える。

「これはですね、『写真機』と言いまして、魔法の森に一つしか現存していない貴重な魔法具なんです。ここのレンズに映った風景をですね、この箱の中に閉じ込めることができるんです」

「閉じ込める?」

「ええ。簡単に説明すると記録する魔法具ってことです。それをあとで一枚の絵のようなかたちで再現することも可能なんですよ。そんなすごい魔法具なんです」

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