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 マシューはそこで言葉を区切って、再びみんなの顔を順番にぐるりと見る。それからマシューは最後にもう一度、自分の正面にいるメテオラの顔をじっと見つめた。

「……実は、この集まり自体を魔法学校が始まってから三ヶ月たった今行っていることにも関係しているのですが、今まではこういった協力について、先生たちからしばらくの間はしてはいけないと言われていたんですよ。その制約が今日からなくなりました。だからこうして今日、この集まりを行っているわけです」

「本当はこの集まりも最初の週のお休みの日に行う予定だったんですよ。でも、ストップがかかってしまったんです。さっきマシューくんが言った通り、本来生徒たちの協力は当たり前のもので、それをしてはいけないという決まりはありません。

 試験内容が例年と違ったり、クラス分けがされたり、一時的とはいえ、生徒たちの間で協力をしてはいけないと言われたり、なんだか今年の試験は異例のことだらけなんです」シャルロットは言う。

 ……マグお姉ちゃんとモリー先生もそんな話をしていた、とメテオラは温泉での先生たちの会話を思い出す。

「すみません。話が少しずれてしまいましたね。話を戻します。そして三つ目。それは今朝の事件と、僕たちがこの話し合いを行っている最中に同時に行なわれているであろう、その事件についての魔法学校の先生たちの会議についてです」

 そこまでマシューが話したときに、アネットが「はい」と言って手を挙げた。

「はい、アネットさん」

 マシューがアネットを指差す。

「マシューくんのおっしゃった一つ目と二つ目の目的はとてもよく理解できたんですが、三つ目の意味がよくわかりません。それは私たちの受ける見習い魔法使い卒業試験とはなんの関係もないことなんじゃないんですか?」

「そうですね。それは事件の犯人たちから直接、説明してもらいましょうか?」

 マシューはデボラとアビーを見る。

「……みんなは幽霊の噂、聞いたことある?」

 アビーが言う。

「……幽霊の噂? そ、それって図書館に出るっていう、幽霊の噂こと?」ニコラスが言う。

「そうだよ。それのこと。俺たちつい最近、その幽霊を目撃したんだ」

 デボラの言葉にニコラスが青ざめる。

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