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「メテオラ、お友達とは仲良くしている?」
「はい」
「お勉強はちゃんとやっている?」
「はい」
マグお姉ちゃんはときどきチーズのかけらを指でつまんで口の中に運びながら、メテオラにそんな魔法学校での日常生活についての質問をたくさんしてきた。メテオラはマグお姉ちゃんの質問攻めにあいながらも、もぐもぐと口を動かし続け、なんとかそれらの質問に全部答えながら、少し時間はかかったのだけど、朝ごはんを頑張って全部残さず食べきることに成功した。
マグお姉ちゃんのお朝ごはんはどれも手間がかかっていてとてもおいしかったのだけど、メテオラにはやはり量が多すぎたようで少しだけお腹が苦しかった。でも頑張って用意した料理が全部綺麗になくなったお皿を見て、マグお姉ちゃんはとても嬉しそうな顔をしていたので、とりあえず全部食べきれてよかったとメテオラは満足した。
壁にかかっている時計を見ると、まだ出発の時刻まで余裕があった。なのでメテオラはしばらくこのままここで自分のお腹を休めることにする。
「今年は卒業試験の年だね……。あんなに小さかったメテオラも、もう九歳か……。時が過ぎるのって早いよね……」
するとしばらくしてマグお姉ちゃんはそんなことを言いながらメテオラの顔を間近でじろじろと見てくるようになったので、メテオラはなんだかとても恥ずかしくなって顔を赤く染めた。
「あの……、マグお姉ちゃん。僕の顔をじろじろ見るのはやめてください」
メテオラはそう言いながら隣の椅子の背もたれにかけていた帽子を手にとってそれを深くかぶり直すと、そのまま帽子のつばを下げて自分の顔をマグお姉ちゃんから隠そうとした。
「だめよ。やめてあげない」
でもマグお姉ちゃんはそう言って、メテオラの帽子を指でつまんでくいっと上げた。
「でも、恥ずかしいです」
「朝ごはん作ってあげたでしょ? そのお礼の代わりよ。だから我慢しなさい」マグお姉ちゃんは言う。
そう言われても恥ずかしいものは恥ずかしい。