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「すみません。すぐに出ますので少しだけ待ってもらえますか?」

 マグお姉ちゃんが人影にそう声をかけた。

 すると、「……そのこえはマグせんせい、ですか?」と言うとても平坦な発音の声が聞こえてきた。

 メテオラはその声に聞き覚えがあった。

 森の中を風が吹いて、湯けむりを払い退ける。

 ……そこには、その美しく珍しい銀色の髪をマグお姉ちゃんと同じように頭の上でまとめて、一枚の白いタオルだけで体を隠している裸のモリー先生が立っていた。

 モリー先生はマグお姉ちゃんとメテオラを見て、にっこりと優しい顔で笑った。

 モリー先生はマグお姉ちゃんと同じ魔法学校の先生だった。

 メテオラもモリー先生の授業を受けたことがある。そのときは調合する薬の種類を間違えて、調合薬を爆発させてしまったという恥ずかしい過去の思い出があった。

 メテオラは二人の魔法学校の先生に挟まれるようにして、顔を半分お湯の中に入れながら、温泉に浸かっていた。

 マグお姉ちゃんとモリー先生は魔法学校の話をメテオラの頭の上でしている。メテオラはどちらの方向にも顔を動かすことができずに困っていた。逃げようにもお湯の中でマグお姉ちゃんに手を掴まれているため、逃げられない。メテオラの顔の横にはモリー先生の真っ白な肌とマグお姉ちゃんに負けないくらいの大きな胸があった。

「……メテオラくん。どうかしたの?」

 モリー先生がそう言った。

「いえ、どうもしません」とメテオラは答える。

「ふふ。きっとメテオラはモリー先生と一緒に温泉に入って照れているのよ」とマグお姉ちゃんが言った。「そうなの? メテオラくん?」モリー先生が言う。

 メテオラはモリー先生に「そんなことはありません」と嘘を言った。

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