表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

33/184

33

 マグお姉ちゃんはカバンの中から香薬の瓶を取り出すと、メテオラの手を引いて湯けむりの中に移動した。

「お湯に浸かる前に体を洗ってあげるわ。これ、とれたてのバラの花と薬草を混ぜて作った私の手作りの香薬なんだよ。これを使えば、疲れなんてあっという間に吹き飛んでしまうわ」

「はい。ありがとうございます」

 メテオラは言われるがまま、されるがままに、マグお姉ちゃんに髪と体を洗ってもらった。

「メテオラの髪、相変わらず頑固だね」

 マグお姉ちゃんはとても楽しそうだったけど、メテオラはあんまり楽しくなかった。温泉は大好きだけど、できれば一人で入りたかった。

「目、痛くない?」マグお姉ちゃんが言う。

「痛くないです」メテオラは答える。

 メテオラの体を洗い終わったあとで、マグお姉ちゃんは自分の髪と体を洗い始めた。それが終わると、マグお姉ちゃんは長い黒髪をタオルでまとめて、メテオラの手を引いて温泉の湯船の中に入った。

「いい湯だねー」

「はい」

 強引に連れてこられた温泉だったけど、入ってみたらやっぱりすごく気持ちよかった。それに最近はずっと一人でお風呂に入っていたけど、久しぶりのマグお姉ちゃんとのお風呂も、楽しいといえば、やっぱりそれなりに楽しかった。

 メテオラはゆっくりとお湯に浸かった。

 そのとき、ふとメテオラの目に温泉の湯けむりの間から一人の魔法使いがこちらに近づいてくる影が見えた。誰かが温泉に入りにきたのだろう。

 メテオラはマグお姉ちゃんの体を揺すって、そのことをマグお姉ちゃんに知らせた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ