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それからマグお姉ちゃんはニコラスを家まできちんと送ってあげた。
ニコラスの家の前につくと、マグお姉ちゃんはニコラスと一緒にニコラスの家の中に入って行って、そこでニコラスのお母さんと少しの間、お話をしていたようだった。
メテオラはその間、ニコラスの家の庭のところで、ぼんやりと空を見ていた。
「お待たせ」
マグお姉ちゃんが帰ってきた。ニコラスのお母さんも一緒だ。
メテオラはニコラスのお母さんに挨拶をして、それからマグお姉ちゃんの杖の後ろに乗せてもらって、ニコラスの家をあとにした。
空から下を眺めていると家の窓が空いて、そこからニコラスがメテオラに手を振った。メテオラは笑顔でニコラスに大きく手を振り返した。
メテオラはこのままマグお姉ちゃんが自分の家に帰るのだと思っていた。
でも、しばらくして飛んでいる方向が違うことに気がついた。
「あの、マグお姉ちゃん。こっちは家のある方向ではありませんよ? 飛ぶ方向が間違っています」とメテオラは言った。
「いいえ。方向はこっちであっているわ」
マグお姉ちゃんはそう言うと、杖を斜めにしてそれと同じ方向に体を傾けて体重を移動させた。
すると杖が斜めに急降下して、メテオラは思わず「うわ!」と声をあげてしまった。それでも滑空は止まらない。マグお姉ちゃんはそのままさらに空の中を降下して、やがて二人は森の中に着地した。
「さあ、ついたわよ。メテオラ。早く着ている服を脱いじゃいなさい」マグお姉ちゃんはうきうきしながらそう言った。
そこは、魔法の森の温泉だった。




