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 すると、

「あ、メテオラ! ニコラス!」

「……! ……メテオラくん」

 とデボラとモリー先生が同時にメテオラとニコラスの存在に気がついた。それに少し遅れてニケー先生、アビー、マリンがメテオラたちに目を向けた。

「いいところにきた。メテオラ! ニコラス! 助けてくれ!」

「……お願い。助けて」

「きゃー!! メテオラくん、私のこんな姿見ないでください!」

 と月組教室の三人はメテオラたちを見て三者三様の反応を見せる。でも、この状況ではメテオラもニコラスも三人の誰の期待にも答えることはできそうもなかった。

 そんな二人のところにニケー先生と、それからモリー先生がやってきた。

「……おはよう、メテオラくん。ニコラスくん」モリー先生が言う。

「ふふ、おはようメテオラくん。ニコラスくん」ニケー先生が笑顔で言う。

「おはようございます」とメテオラとニコラスが先生たちに挨拶を返す。

 モリー先生は少し気まずそうにしているが、ニケー先生の機嫌はご機嫌だった

「おい! メテオラ! ニコラス! 敵と仲良くするんじゃない。味方である僕たちを助けてくれよ!」とデボラの声が聞こえる。デボラは足をじたばたさせながら睨むような目つきでこちらを見ている。

「……助けて」と瞳を潤ませてアビーも言う。

 その隣では最初に叫んでからずっと黙っているマリンが可能な限り体を小さく丸めてじっとしていた。それは、私はここにいない、という意思表示らしい。どうやらマリンはそのまま自分はこの場にいないものとして現状をやり過ごすつもりのようだった。

 アネットがいればマリンになにか声をかけたのかもしれないけど、メテオラたちではそうもいかないので、二人はマリンの意思を尊重して、この場はなるべくマリンには触れないでおくことにした。

「えっと、この状況はどういう状況なんでしょうか?」とメテオラはニケー先生に質問する。

「ふっふっふ……、いい質問をするわね、メテオラくん」とニケー先生がメテオラを見て笑う。

「この三人はね、懲りずにまた無許可で新聞を生徒たちに配ろうとしたのよ。だから三人を捕まえたのよ。本当は私一人でなんとかしたかったんだけど二回も連続で逃げられたとあれば、私の名前に傷がつくからね。だから三人の担任であり、新聞部の顧問でもあるモリーにも協力してもらったの。裏で手を引いているのはどうせワルプルギスさんでしょ? 彼女にも文句を言いたいんだけど彼女は魔法学校の管轄外だから呼び出すには確固たる証言が必要なのよ。だからこれからこの三人をみっちりとしごいて、確証を掴んでやるわ。ふふ。もう今から楽しみでしょうがないわね!」とニケー先生は高笑いする。

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