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「そうね、わかったわ。名残惜しいけどこの辺りでいいでしょう。下に降りましょう。メテオラ、しっかりと私の体につかまっていなさい」
マグお姉ちゃんはそう言うのと同時に、一気に真下に落下するような速度で急激に高度を下げ始めた。
「うわ!」と叫びながら、メテオラは慌ててマグの腰にしがみつく。
相変わらずマグお姉ちゃんの飛行術は運転が荒かった。
数秒もしないうちに森の中に突入したマグお姉ちゃんは地面の上ぎりぎりのところで魔力を解放して急停止をかけた。するとその場で魔法の杖がぴたっと止まった。そこは狙いすましたようにちょうど森の小道の上だった。周囲には急停止の影響で軽くだけど砂煙が舞い上がっている。
メテオラはふわふわと空中に浮いているマグの杖から大地の上に飛び降りた。
「送っていただいてありがとうございました。マグお姉ちゃん」振り返ってメテオラはマグお姉ちゃんにお礼を言った。
「うんじゃあねメテオラ。卒業試験、頑張って」
「はい」
マグお姉ちゃんはにっこりと笑うと、杖の上からメテオラを手招きをする。メテオラがマグお姉ちゃんのそばに近づくと、マグお姉ちゃんはメテオラの額に軽いキスをして、それから一気に最高速度まで加速して、急上昇しながらやがて遠くの空の中へあっという間に飛び去ってすぐにその姿が見えなくなってしまった。
それは本当に速くて、まるで真昼の流れ星のようだった。




