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「……? メテオラくん? どうかしたんですか?」

 通信機のスイッチが入っている合図の赤いランプを見たのだろう。マシューが言う。メテオラは現在の状態をありのままにマシューに報告する。

 メテオラは十二階に到着する。

 ……螺旋階段の近くにニコラスの姿はない。

「わかりました。通信機のスイッチは入れたままで、気をつけて移動してください」

「了解です」

 メテオラはそう言って、暗闇の中を進んでいく。

「……あのマシューくん。先ほどのワルプルギスさんの話を聞いてもらえませんか?」とメテオラは言う。

「それは構わないですけど、別に無理に僕たちに話をしなくてもいいんですよ? 情報は必要な情報だけ共有できればいいんです。秘密があっても構いません」

「そうですよ。必要なことだけでいいんですよ」マリンの声がする。

「ありがとうございます。でもぜひマシューくんに、それからできればマリンさんにも聞いてもらいたい話なんです」とメテオラは言い、それから本物の幽霊さんの狙いが禁断の箱であることを二人に話した。

 だけど、もう一つの話。

 本物の幽霊さんがメテオラを狙っているというワルプルギスさんの話は言わないでおくことにした。

 それは二人に余計な心配をかけたくはないとメテオラが思ったからだった。

 メテオラの話を聞いた二人は通信機の向こう側で黙り込む。二人ともなにかを考えている表情だ。

「まあ、わかっていたことですけど、これは本当に大事です。こちらの件はやはり僕たちは無理に首を突っ込まないほうがいいでしょう」とマシューが言う。

「はい。私もそう思います。禁断の箱なんて、狙いが大きすぎますよ。大魔法使いソマリ先生がずっと魔法学校に泊まり込んでいる理由がわかった気がします。それってつまり本物の幽霊から禁断の箱を守っているってことすよね?」マリンが言う。

 メテオラはマリンの話を聞いてそれは十分にあり得ると思った。でもそれと同時にメテオラは一つの疑問に思う。

「あのマリンさん。どうしてソマリお兄ちゃんが魔法学校に泊まり込んでいることを知っているんですか?」とメテオラは質問する。

「それは誰にだってわかりますよ。だってマグ先生が毎日、朝昼晩ってソマリ先生にお弁当を届けているんですから」とマリンは笑って言った。

 その答えを聞いてメテオラはなるほど、と納得した。

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