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 べべさんというのは魔法学校の中で働いている、いわゆるメイドさんで、その髪が赤毛をしているため、赤毛のメイドさんとして有名な魔法使いさんだった。

 明るくて、仕事もできて、適度にさぼり癖のあるひょうきんな魔法使いのお姉さんだ。

 メテオラも隠れてべべさんからお菓子をもらったことがある。あのべべさんが偽物の幽霊騒ぎの犯人だとは思えないけど、マシューとシャルロットはかなり高い確率でそうだと認識しているようだった。

「でも、それはあくまで資料をみるとそう思うってだけの話ですから、これからみなさんで実際に魔法学校の中を調査してみようというお話になるわけです」マシューが言う。

「大変申し訳ないことに資料の量が多くて、連絡がぎりぎりになってしまいましたが、本日が偽物の幽霊がまたあらわれる確率がとても高い日だと判明しましたので、急遽、こうしてみなさんにお集まりしてもらうことになったんです」とシャルロットさんが言う。

「まあ、話しておくことはこれくらいですかね?」そう言ってマシューは時計をみる。そろそろ時計の針は七時半を迎えようとしていた。

「あとは本番で、ということにして、少し休憩しましょう」

 そのマシューの言葉で、会議は終了となった。


 メテオラはみんなの言葉を聞いてだいたいのことは理解できたけど、実は一人だけ、まだ気になっている魔法使いのことがあった。それをメテオラが最後に質問しようとしたときに「はい」とマリンが先に手を挙げた。そのマリンにマシューが言葉を促す。

「あの、お兄ちゃんのことなんですけど……そのあることってなんですか?」

 それは先ほど、マシューが容疑者たちの仕事を説明する際に使った言葉だった。マリンのお兄さんはあることがあって、という説明をマシューはしていた。

「あれ? マリンさんのお兄さんから秘密にしておいてくれって言われましたので、先ほどみんなには伏せていたんですけど、マリンさん、もしかしてお兄さんからなにも聞いてないんですか?」とマシューは言う。

「えっと、はい。なにも聞いてません」とマリンは返事をする。

 するとマシューではなくシャルロットがマリンに手招きをした。マリンは椅子から立ち上がってぐるっと反時計回りに三時の席からシャルロットのいる十一時の席まで移動する。そこでシャルロットはこそこそとマリンに耳打ちをした。そしてしばらくすると、マリンが口を大きく開けて驚きの表情をした。

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