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 マシューとシャルロットの言葉をまとめると、夜に魔法学校に侵入できる魔法使いは普段から許可をもらっている魔法使いでなければ不可能であるという時間的な条件と、どうやら偽物の幽霊はどんな理由でそうしているかはわからないけど地下の図書館に執着があるようだという場所的な特徴があるらしかった。

 メテオラはその話を聞いてなるほどと思い、アネットも納得したようだった。

「それ本当かな? 今の話はワルプルギスさんからの情報なんだろ? だからまたいい加減なこと言ってるんじゃないのか?」とデボラが言う。「アビーもマリンもそう思うだろ?」

「うん。僕もそう思う」とアビーが言う。

「……実はちょっと思ってます」とマリンが言う。

「なんですか? よりにもよって新聞部の三人が、モリー先生同様にいわば顧問のような存在であるワルプルギスさんの情報を信じてないっていうんですか? それは今後の新聞部の活動に関わる問題発言のような気がしますね」と面白がってマシューが言う。

 しかし、デボラの発言はアビーだけでなく、マリンも理解を示していることから、ある程度は信頼できる言葉かもしれないとメテオラは思った。三人は新聞部というつながりでワルプルギスさんのことをよく知っているはずだし、その三人がそう言っているのなら、ワルプルギスさんにはあるいは大物の特ダネ記事を狙って、ある程度細かいところは無視するような、そんな欠点があるのかもしれない。

 それからシャルロットが偽物の幽霊の容疑者たちの仕事の内容と、ここ三ヶ月くらいの容疑者たちの簡単な足取りのような話をしてくれた。

「何人かの魔法使いさんは地下の図書館とのつながりが弱くないですか?」とメテオラがシャルロットに質問する。

「その何人かは目撃情報があった日と魔法学校にいた日が重なっているんですよ。だけどそれはただの偶然かもしれませんし、ほかの容疑者たちも同じように日時が被っているから、その何人かの魔法使いが犯人である可能性が低いのは確かですね。可能性を潰していった結果、この容疑者たちが残ったってだけで、僕も別にこの魔法使いたちが怪しいと思っているわけじゃありませんよ」とシャルロットではなく、マシューくんが答える。

「そうなんです。つまりこの容疑者のみなさんは、あくまで可能性ってだけで、実は疑いの濃さにばらつきがあるんです。……それでなんですけど、この中でもっとも犯人の可能性が高い魔法使いは誰かっていう話になるんですが……、現時点では私はべべさんではないかと思っているんです」とシャルロットが言う。

「それは僕もそう思います。偽物の幽霊の正体はべべさんの可能性が一番高いと思います」とマシューが同意する。

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