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 時計の針が十七時をさしたころ、二人は家の外に出て、それからメテオラはマグお姉ちゃんの魔法の杖に乗せてもらって、魔法学校までの二人の短い空の旅が始まった。

 空はまだ明るかった。

 マグお姉ちゃんはずっと上機嫌で、青い空の中を楽しそうに飛んでいた。

 今日のマグお姉ちゃんは空の中をいつものように飛ばしたりしない。速く空を飛ぶことが大好きなマグお姉ちゃんにしては、それはとても珍しいことだった。

 メテオラは森の小道の途中にある大きな岩のある分かれ道のところに、もしかしたらニコラスがいるかもと思って、その場所で下を向いて森の景色を確認したのだけど、どうやらニコラスはそこにはいないようだった。

 それからとくに何事もなく二人は魔法学校に到着した。

 マグお姉ちゃんはメテオラを森と魔法学校の境界にある年老いた門の前まで送ってくれた。その場所に着地すると、メテオラはマグお姉ちゃんに「送っていただいて、ありがとうございます」とお礼を言った。

 マグお姉ちゃんはメテオラに「頑張ってね」と一言声をかけてから、また空の中に浮かび上がって、それから高度がそれなりに上昇すると、ものすごい加速をかけて一気にどこか遠いところまで飛んでいってしまった。

 メテオラの目の中には青色の空の中に消えていくそのマグお姉ちゃんの後ろ姿が、なぜかいつもよりも鮮明に残っていた。

 マグお姉ちゃんの姿が見えなくなると、メテオラは年老いた門を通って、魔法学校の中に入った。その際、ぎぃ~という門が内側に開く音が、なんだかとても大きく聞こえた。

 メテオラは集合場所である魔法学校の正門を目指して中庭を歩いていく。……その場所に、もうほかのみんなは集まっているのだろうか? もし連絡を聞いて集まってきたのが僕だけだったとしたらどうしよう? とメテオラはそんなことが気になってなんだか不安になってきた。

 ……どうやらメテオラは少し緊張しているようだ。

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