表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

11/184

11

 メテオラは対策を考える。だけどなんの解決策も見つからない。空を飛べないメテオラはこうして空から落っこちることしかできないのだった。

 メテオラは困ってしまった。一応、カバンの中に絆創膏はあるが、それでなんとかなるとはとても思えない。

 ……ど、どうしよう?

 そんなことを考えているメテオラの視界の中に、遠くから高速で近づいてくる一つの小さな影が見えた。

 その影は瞬く間に大きくなり、やがてはっきりとした姿となってメテオラの瞳で捉えられるようになる。それはものすごい速さで空を飛んでいるマグお姉ちゃんの姿だった。

 マグお姉ちゃんの姿を見たことで、メテオラの意識は一瞬で覚醒する。

「……マ、マグお姉ちゃん!!」とメテオラは力一杯大きな声でそう叫んだ。

「しゃべらないで!! しっかりと私の手につかまって!!」そう叫ぶマグお姉ちゃんの顔は真剣そのものだった。めったに見られないマグお姉ちゃんの本気の表情だ。

 高速で空を飛ぶマグお姉ちゃんはメテオラに片手を差し出していた。その手に向かって、メテオラも自分の片手を可能な限り限界まで伸ばす。

 それはメテオラとマグお姉ちゃんの体が空中で交差するその刹那の瞬間だった。

 マグお姉ちゃんはメテオラの手をしっかりと捕まえて、メテオラはそんなマグお姉ちゃんの手を懸命に握り返していた。

 マグお姉ちゃんはそのままメテオラの体を抱きかかえるようにしてくるくると空の中を回転して、力を四方八方に分散しながら減速すると、やがて空の中でなにごともなかったかのようにぴたっと動きを止めて停止した。マグに息の乱れはない。ただその完璧だった魔法使いの服装が少しだけ乱れていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ