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それは君と結んだ最初で最後の約束



「青ーーーー!!ごめんねー!!私思い出したよ!!」


…伝えたい事があった。


天音は青に聞こえるように、力一杯叫んだ。


…今会わなきゃいけない…。


青に……。


伝えなきゃ……。





「みんな……バカ……ばっかりだ……。」


青が力なくつぶやいた。


『…ああ。外の世界は…自由だ…。』

『未来は語るためにあるんじゃない。』

『いいかげんにしろ…。風花はそんな事望んじゃいねーよ。』

『自分で行きなさい!!青の信じる世界に。』

『あんたバカ!?』


「もう………。」


『俺が力になる。』





「青……。青なら……行けるよ。……どこへでも…。」


天音が滴る汗を拭いながら、つぶやいた。



その時…


ピ―――――――――――――――――  !!


どこからか聞こえてくるその音に、天音が足を止めた。


ピ――――――――――――――!


その音は、何度も何度も


止む事はない。




―――!?







「青……!?」


もちろんその笛の音は、皇后と話をしていた、京司の耳にも届いていた。

この笛の音は、自分が青に渡した笛に間違いないと、京司はすぐに悟った。


「行きなさい。あなたを呼んでいるんでしょう?」


そして、母が優しく微笑んだ。

彼女には分かっていた。彼が呼ばれている事を…。


「…母さん、いってきます!」


そう言って、京司は勢いよく、部屋を飛び出して行った。


「いってらっしゃい。京司…。」


母の優しい眼差しが、あっという間に見えなくなった、彼の背中を見送った。




*****************




「この……の音は…。」


ピ――――――― !


呼んでる…。


天音はなぜかそう思った。止む事のこの音は、自分を呼んでいるに違いない。

なぜそう思ったのだろうか…。

何の確証もなく、ただの癇にすぎない…。

でも…


「ど……こから……!」


天音は耳を澄まし、この音がどこから聞こえてきているのか、神経を研ぎ澄まし、それを探った。

そして、その音は、窓の外から聞こえてきている事に気が付いた天音は、目の前の窓へと駆け寄り、外を覗き込んだ。


「せ…い…。」


天音がもう一度、その名をそっと愛でるように、口にした。




*****************




「はぁはぁ……。探したぞ……。何だってこんな所から……。」


その笛の音がする方を辿り、京司がたどり着いたのは、城の横に立つ時計塔のてっぺんだった。

時計塔は、いわばこの町のシンボル的建物。

まさかとは思ったが、京司は誰よりも先に、その場所に彼が居る事に、気がついた。

この時計塔の上は、屋上のように開けた場所になっていた。

もちろん、この時計塔は誰でも登る事は可能だが、その階段の数は、人々の想像をはるかに超え、途中でリタイアする者も少なくはない。

そんな魔の階段を駆け上がって来た京司が、息を切らしているのも無理はない。正直、声を出すのもつらいくらい…。

しかし、そんな場所になぜ青がいるのか…?青白い顔の彼が、1人でここまで登って来たのか…?そんな疑問はつきない…。


「なんだよ…。お前が高い所が好きだったなんて、知らなかったよ。」


しかし、京司の口から出たのは、そんな疑問ではなかった。

彼は、わざとそんなおどけた事を言ってみせ、くったくのない笑顔を見せた。

それは、今にも消えてしまいそうな青に、何とか笑って欲しかったから…。


「ここなら……、花火が……よく見えるだろ……。」


しかし、彼から返ってきたのは、途切れ途切れで、今にも、その生気が消えてしまいそうな声。

明らかに今日の青の様子は、今まで京司が見てきた彼とは違う。


「どうした…?」


こんな時間に、誰も立ち入る事のないこの場所で、青い顔をして座り込んでいる彼のその顔は、まるで病人のようで、どこか苦しそうだ。

そんな彼が、この場所でこの笛を吹いた事には、理由がある。

京司はそれを彼に問う。

だってそれが約束だからーーー。


『いいか、俺に何かしてほしい事があれば、この笛を吹け。』


「もういいんだよ……。自由になって……。君も…僕……も。」

「何…言ってんだよ!青!しっかりしろ!」


虚ろな目を、真っ暗な空に向ける青の様子は、明らかにおかしい。

そんな彼を、もうこれ以上は放っておけないと、京司が彼に近づこうとした。


「来るな!!」


しかし青は、そんな京司を制するように、今出せる声を絞り出し、叫んだ。

青は、京司が自分に近づく事を拒んだ。

そんな彼の叫びに、京司は足を止めるしかない。


「お前なんて…嫌いなんだよ。昔から……。バカで…生意気…で、いつだって怖いものなしで…。そうやって……簡単に…天音の心を…奪っていったじゃないか……。」


青は最後の力を振り絞り、声を出す。


「え…。」

「どうして……僕…こんなバカな事……言ってるんだろう……。最後なのに……。」


――― 最後?


その言葉に、京司はその場から動けず、困惑の表情を浮かべた。



「何やってんだよ!!」


すると、京司のすぐ後ろから、荒々しい叫び声が聞こえた。

そして、京司がゆっくりと後ろを振り返る。

その声の主は、やはり息を切らしながら、いつものように鋭い眼差しを向けていた。

しかし、その視線は、京司に向けられたものではない。


「月斗……。ごめん……。」


彼の姿を捉えた青が、弱々しくその言葉をつぶやいた。

そこには、いつものように、威勢のいい言葉を彼に浴びせていた青の姿はもういない。

月斗の少し後ろには、ここまで一緒にやって来た、星羅とりんの姿もある。

彼らも、この笛の音に導かれるように、ここまでたどり着いた。

この時ばかりは、りんも自分の嫌な勘を当てにはしたくなかったが、それは確信に変わった。


「知ってたよ……。あんたがどれだけ姉さんの事……大事にしてたか……。月斗が姉さんを殺したわけじゃない事くらい。でも僕は子供だったから、全部受け入れられなった…。…姉さんが死んだ事も……。何もかも。」

「そんなん。知ってるに決まってるだろう。」


呆れ顔で月斗が少しだけ、はにかんでみせた。

それは、京司が見る、彼の初めての表情だった。

睨みをきかせ、何かを憎んでいる。そんないつもの彼の姿は、もうそこにはない。

月斗はまるで、自分の大切な人を見つめる目で、青を見ていた。


「ありがとう。約束守ってくれて」


そんな月斗に答えるように、青もほんの少しだけ、口端を上げて笑った。


「え……。」

「世界一の花火。」


青の目は、確かに月斗の顔を見つめている。

例え見えなくても、感じる事が彼にはできる。


「なんだよ、それ…。あんなの…まだまだなんだよ!」


青のその言葉に、月斗の瞳が揺れた。


「また上げてよ。僕と姉さんのために……。天まで届く、花火…。」


ザ―

その時、強い風が吹き荒れ、青の髪を揺らした。


「青!!」


そして、不安に満ちた甲高いその声が、風の音と共に、そこに居る彼らに届いた。

その声に青がまた、ゆっくりと顔を上げた。

その声は、彼の一番聞きたかった、彼が大好きな声。

天音とかずさが、最後にその場所にたどりついた。


「来てくれんたんだね。天音。」

「呼んでたでしょ…?」

「来て欲しいような、欲しくないような…。」

「え…?」


天音は、青のその言葉を理解する事ができず、眉をひそめる事しかできない。

青に会えば消えると思っていた不安は、彼に会ったとたんに大きくなるばかり。

どうにも収まる事のない焦りは膨らむばかり…。

そんな自分の気持ちを、うまくコントロールできない天音は、その場で立ち尽くす事しか出来ない。

そして、その横で、かずさが目を伏せた。


「僕には…特殊な能力がいくつも…あった。そのせいで、僕は目が見えなくなった……。僕が力を使うたびに……。僕の目は見えなくなる…。それはまるで呪いのように、僕の体をむしばんでいった……。」

「…。」


そこにいるみなが、立ち尽くしたま言葉を失った。


「僕は……初代天師教の……能力を受け継いで生まれた……。」

「な……。」


京司は思わず息を呑み、目を大きく見開いた。


「僕は……初代天師教の、復活のための……器にすぎない……。僕が……生きている限り、僕に宿る不思議な力は少しづつ増大していく。僕にも制御できない力が、どんどんと僕をむしばんでいく。そして、全ての力を手にした時…、初代天師教の魂が僕の体に宿り、彼が再び甦る。そうなれば、僕の自我もなくなる…。だから……国の連中は…僕を手に入れたがってた。」

「…。」


月斗もまた、青の言葉に、声を出す事はできずにいた。

それが、彼が持つ不思議な力の理由(わけ)

初代天使教…。彼の力は、人並みはずれた力だったという言い伝えは、確かにある。

国がその力を欲していたのは確か。

その力があれば、初代天使教のいた頃のような、統一された世界がまた蘇ると、彼らは考えていた。


「…ちゃんと、いるのに……天師教は…ここに……。」


そして、青は京司を見て、また力なく笑った。


「青……。」


京司がもう一度青の名を呼んだ。

いくら力があったとしても、それでこの世が統一される事はない。

今と昔は違う。力で人々をねじ伏せる事は不可能…。

そんな時代は、もう終わったのだ。


「青……もう止めて……お願い……。」


かずさが弱々しい声を、彼に投げかけた。今にも泣きそうな顔で、彼を見つめながら

かずさのこんな悲痛な顔を見たのは、誰もが初めてだ。

そして、皮肉な事に、その表情が物語っていた。

青の運命を…。


「青…。」


そして天音も、彼にそっと呼びかけた。


「…ぼくはぼくなんだ…。他の誰でもない。」


そして青がまた、真っ暗な天を仰いだ。


「ねえ、約束したでしょ?私の村に行こうって。」


天音がゆっくりと青に語りかけた。


ーーー 変えたかった…。


それは運命?未来?彼の心?


しかし、本当はどこかで、わかっていた…。

それはもう、叶わぬ……約束……。


「天音……。ありがとう……思い出してくれて……。」


そして、青は天音の方を見て、穏やかに微笑んだ。

そう、それは何度も見た、天音の大好きな彼の笑顔。

いつだってその笑顔で、彼は天音を救ってくれた。


「せ…い…。」


しかし、天音もそれ以上言葉が出てこない…。

震える唇は、彼の名を繰り返し呼ぶ事しか出来ない。


…どうすれば、いい…?

…どうすれば、彼を助ける事ができる?



「京司……僕の……お願い……聞いてくれるんでしょ……?」

「え…。」


最後の力を振り絞って、青が言葉を紡ぐ。

その小さな声は、確かに京司の耳に届いた。


「天音の事……たのむよ………。」

「何…言…って…、、せ…い………。」


「だ…………。」


「天音…。君は……僕の……太陽だった……。まぶしくて……。…でも、決して……手は……届かなかった。」


「め…………。」



タッ






その言葉を最後に、青が時計塔から飛び降りた。







「や………だ………い……や……。」






天音が首を何度も横に振る。





『もう誰も殺させない……。誰も死なせないから……。』





「せいーーーーーーーーーー!!」





天音の悲痛な叫びが、町中に響き渡った。











「まかしとき…………。」




そして、自室の窓から外を眺めていた、華子の目からも、一筋の涙が頬をつたった。









神様………私は………どんなに傷ついても大丈夫………。




また立ち上がる………。何度でも……。




なのに……どうして……。




私の願いは………いつだって




叶わない………。







「ど………う……し……て………。」


まるで時が止まったかのように、そこから誰も動けないでいた。

ただ、天音の瞳からは、とめどなく涙があふれ、地面を濡らしていった。


「なんで…なんでだよーーーー!!」


月斗もまた、その行き場のない思いを、どうする事もできなくなり、真っ暗な空に向かって叫んだ。

しかし、その叫びは、ただ、ただ、暗闇に呑み込まれていくだけ。


「もう……誰……も……死ななくて……いいん…だよ………。青………。」


天音のその声は、もう彼に届かない。

…どうして、もっと早く…。


「そう…でしょ……。かずさ……。」

「…。」


天音に呼びかけられたかずさの顔は、悲しみに歪んでいた。

かずさは、天音のその問いに、何も答える事ができず、みなと同じように、そこに立ち尽くしていた。


「知って…たんでしょ……。」

「…。」


天音は下を向いて、尚も口を動かし続けた。

強く噛みしめた天音の唇からは血が滲み、口の中には嫌な鉄の味が広がった。


「全部知ってたんでしょ!!」


そして、顔を上げた天音が、悲痛な叫びを上げた。


「やめろや。天音。」


りんは、未だ下を向いたたまま、低い声を出した。

これ以上、そんな罵倒は、誰も聞きたくなんかない。


「何で……何で…言ってくれなかったの!!!」


しかし、天音には、りんの言葉など、全く耳に入ってなどいない。

かずさを追い詰める言葉を抑える事は、困難をきわめた。

もう誰も、天音を止める事はできない。

たがが外れたように、天音はかずさに言い寄った。


…わかってる…。こんなの間違ってる…。


「しん…じて…たのに……。」


天音の瞳は、かずさを見ているのに、彼女の顔は映らない。

涙でもう、前が見えない。




「未来は語るものじゃない……。」




そんな天音の視線から目をそらしたかずさが、ゆっくりとその言葉を吐いた。



―――― !?



天音はその言葉を聞いて、反射的に手を振り上げた。

ダメだと頭ではわかっていても、心はそれには答えてくれない。

壊れてしまったものは、簡単には元には戻らない。

自分の手が、かずさへ向かって行くのを、まるでスローモーションの映像を見るかのように、涙であふれた天音の目が追っていた。


「天音!!」


りんが声を上げた所で、その手は止まるはずもない。


パシ


天音は手首に感じたその感触に、思わず奥歯を強く噛みしめた。


「ク………。」


そして、天音からは、声にならない声が漏れた。

振り上げた天音の手首を、いつの間にか彼女の横に来ていた京司が、無言で掴み、その先の動きを阻止していた。


「やめろって!!」


月斗が怒鳴り声を上げた。

こんな風に言い合いをした所で、何の解決にもならない。

もう、彼は返ってはこないのだから。


「……なして………はなして!!」


天音が下を向いたまま、悲痛な声で叫んだ。

彼女の目に映るのは、地面にできた無数のしみだけ。

それ以外は、何も写そうとしない。


パッ

京司がすぐに、その手を離した。


「……。」


カツカツ


そして彼は一言も言葉を発する事はなく、ひとりその場を去って行った。


カツカツ


その足音が離れて行く音を聞きながら、天音は力が抜けたように、その場に崩れ落ちた。






天音は一度も彼の顔を見なかった……。






…今もまだ、彼に捕まれた手首が熱い……。







*****************





―――― 2日後


「月斗……。」


どこか、懐かしい声が月斗を呼んだ。


「…さり……。まだ居たのか……。」


月斗の目の前に現れたさりは、昔となんら変わらなかった。目つきが悪くって、耳にはピアスがじゃらじゃらと揺れている。

しかし、強面なのは彼の顔だけ。その中身は全く正反対な事は、月斗が誰よりもよく知っていた。

そんなさりが、どこか申し訳なさそうに、月斗の目の前に突っ立っていた。


「…悪いなこんな時に…。かずさに聞いたけど……。どうしても帰る前に、お前に会って言いたかった。」


本当は、かずさにすぐにでもここを離れるように、言われていたが、どうしても月斗に会っておきたくて、さりは、まだこの城下町に1人留まっていた。

そして、かずさにその事を話すと、この場所を教えてくれた。

そこに月斗は必ず来る。そして、月斗の大切な人が亡くなった事も…。


「アイツ…余計な事。」


月斗がバツの悪そうな表情を浮かべ、そんな文句を口にした。

そう、ここは青の姉のお墓がある、月下美人の咲く花畑。

そして、そのお墓の横には、新鮮な花束がいくつも手向けられているお墓がもう1つ。


「…いい花火だったよ……。ゆうじいもそう言ってた。」


さりは、どうしてもその事を直接、月斗に伝えたかった。


「俺じゃないかも…。」


月斗はわざと、照れ隠しでそんな事を小さくつぶやいた。

月斗もまた、かずさに聞いていた。

天音がさり達と協力をして、あの花火大会を乗っ取り、成功させた事を。


「……いつでもまた、戻ってこいよ。俺達今は、中月町にいるからさ。」


そう言って、さりがあの頃と同じように、ニカっと強面の顔で笑ってみせた。

吊り上がっていた目も、この時ばかりは、何とか平行に保たれている。


「バーカ。」


月斗も、しょうがなくそう言って、いじの悪そうな笑顔をさりに向けた。

あの頃と全く変わらない、その笑顔を…。


「それから、かずさと天音に伝えてくれ。ありがとうって。」

「…。」


月斗の悲しげな瞳が揺れた。


「心に残る花火絶対作るって。」


そして、さりはまたニッと笑い、手を振りながら、歩き出した。



「…100年はえーよ!!」



月斗が、晴天の雲1つない空に向かってそう叫んだ。




************



「お前らには……ほとほと…あきれたよ……。」


京司は、今までに出した事のない低い声で、怒りを露わにした。


「何の事でしょう……。」


京司の前には老中をはじめ、この国の政を行う、重鎮達が顔を揃えていた。

京司が彼らを呼び出したのは、言うまでもない。

しかし、今日の今日まで、天使教自身が彼らを呼び出した事は、今まで一度だってなかった。

そんな京司の言葉に尚もしらを切る老中に、彼は血管を浮き上がらせた。


「とぼけんなよ……。青の事だよ……。」

「……。」


一瞬にして、その場の空気が凍りついたのを、その場の誰もが感じていた。

もちろんその事に対して、口を開くものは誰もいない。


「何が…初代天師教だよ……。力だよ……。」


京司の声が怒りに震える。


…どうして、気づいてやれなかったんだ…。もっと早く気づいていたら…。


京司のその思いは、日に日に増すばかり。


「全てこの国の……。」


そんな京司の気持ちに構う事なく、老中が口を挟んだ。もちろん、老中の耳にも、青が自害した事は入っていた。

しかし、それでも老中は、顔色1つ変える事はない。


「何が国のためだよ!!!」


京司が悲痛な声で、その部屋に響き渡る程の大声で叫んだ。

青が国に利用され、苦しんできたのに…。

天使教である自分は、何も出来なかった。


「お前らはわかっちゃいない、この国を……。」


…こんな奴らに、この国を任せてきた自分がバカだった。

そう悔やんでも悔やみきれない。


「て、天師教様…。」


士官が震える声で、彼を呼んだ。

彼の様子は明らかにいつもと違う。それは、誰もが悟っていた。


「お前らは全員首だ。」


京司が血の通わない声で、そう吐き捨てた。



ーーーーもう、終わりにしよう。



「な…!?」


そこにいた全員が顔を真っ青にした。


「お前らは流罪……。どっか遠くの方の島にでも行きなよ……。まあ、命あるだけありがたいと思えよ。」


その冷たい瞳が彼らを見据えた。


「そ、そんな事が…許されるとでも!!」


今まで感情を押し殺してきた老中が、突然声を荒げ、立ち上がった。

さすがの彼も、この決断には黙ってはいられない。


「老中。天師教様に逆らうのか?俺は親父のように甘くはねーよ。」


その鋭い瞳が、ギロリと老中を睨んだ。

何も考えず、甘い考えだけで天使教の座に座っていたツケが今、京司に重くのしかかる。


「……この国を……潰す……おつもりか……。」


老中が力なくつぶやいた。

もう、何を言っても無駄だと言う事を、老中は悟り始めていた。

なぜなら、彼を睨んだその目は、冷酷で恐れられていた、彼の父親と同じものだったのだから…。


「もう満足だろう老中……。これがお前らの望んだ、天師教の国だよ……。」


京司も奥歯を噛みしめ、下を向いた。



『天師教……。お前が……この国を………………終わらせるんだ………。』




これで本当に終わる…。




************





――――次の日


「まだ寝てんのかよ……。」


天音の寝ている部屋に、月斗がズカズカと入って行く。

青がこの世を去って3日が経った。

あれから天音は、布団を頭から被ったまま、全く部屋から出て来ない。


「いいかげんに!!」


月斗がそんな天音を見かねて、天音を覆い隠す布団をはごうとする。


パシッ


「月斗、やめろや。」


そんな月斗の腕をりんが強く掴んで離さない。


「あ?」


月斗の鋭い瞳がりんを睨む。


「もうちょっと、そっとしといてやりーな。」


りんは、天音の気が済むまで、そっとしておきたかった。

目の前で、大切な人が亡くなったのは、天音にとってはこれが2回目。

彼女が心に受けたダメージは計り知れない。今回ばかりは、すぐに彼女が立ち上がる事が出来ないのは、分かりきった事。

誰もが、月斗のように強くはいられない…。


「いーから!!出ろ!!」


しかし、月斗もまた、天音を放っておけないから、こうやって、つっかかっていくのだ。

こんな姿を見せても、青が浮かばれないのは、わかりきっているのだから。


「月斗!!」


しかしりんは、無理やり月斗を部屋から引っ張り出した。


―――今はまだ無理だ。


こんなに月斗が騒ぎ立てても、天音からの返答が全くないのがその証拠。

時間が解決してくれるのを、今は待つしかない…。


バタン


その部屋の扉が勢いよく閉まり、部屋は元のように静寂に包まれた。



************



「良かったじゃん!!」


いつもの中庭の池の前で京司を見つけ、珍しく機嫌がいい華子が、彼に駆け寄った。


「…。」


しかし、そんな華子とは対照的に、京司はどこか心ここにあらずといった、気が抜けた顔を、チラリと華子に向けただけだった。


「悪者は出てったね。」


それでも華子は、めげる事なく、京司に笑いかけた。

華子も、国の重鎮達が流罪になった事を耳にしていた。

国の事など、今まで全く関心なさそうだった彼女が、その事を口にしたのは、京司にとっても意外な事だった。


「…。」


しかし、それでも京司は何も言わず、押し黙ったままだった。


「迎えに行かないの?」

「は?」


京司は華子の言葉に、やっぱりいつものように、眉をひそめた。


「天音の事。」


…コイツ何言ってんだ……。


華子のそんな言葉に、いつもの調子が戻ってきた京司は、そんな悪態を頭の中でつぶやいた。


「本当の悪者は……ここにいるんだよ……。」


京司が池に1匹だけ残っている鯉を、虚ろな目で追いかけていた。

華子はそんな彼に、何を言っても無駄だと悟ったのか、口を尖らせ、その場を去って行った。

どうやら、華子も少しだけ、空気を読むという事を学んだらしい。



************



「よー!!シド!!」

「オウ。りん。」


りんは、今日もシドの元を訪ねていた。

シドの元へ通う事は、自称暇人の彼の日課になりつつあった。

シドもまた、それが当たり前のように、りんの顔を見つけ、どこか安堵の表情を見せた。


「準備はどうや?」

「ああ。みんなケガも回復してきたし。準備は整ってきてるよ。」


シドは穏やかな声で、彼の問いに答えた。

それは、反乱軍達の準備が順調に進んでいる証。


―――もうすぐ来るであろう、その日のために。


「そうか…。」


りんも穏やかに微笑んだ。


「老中を始め、国の重要人物は城を追放だってな……。」


すると、シドがポツリと小さくつぶやいた。


「さすが、情報早いなー!!」


りんは表情を崩すことなく、笑顔のままそう言って見せた。それ以上の感情を見せまいとしている事は、明らかだ。


「今はもう、天師教を慕う兵士達しか城には残っていない……。天師教の独裁政権だって、みんな言ってるよ。」


シドはどこか遠くを見つめ、話し始めた。

そう、老中達が城を去った事は、瞬く間に城下町、いや国全体に広まっていた。

もちろんその事は、りんも承知の事実。

しかし、それが事実だけではない事もわかっていた。

そして、それをした天使教の心情は誰も知らない。


「天師教は、何を思っているんだ……。」


しかし、シドには分かっていた。彼が何の考えもなしに、そんな事をしない事を…。


「わからん…。」


りんは視線を落とし、ただ一言そうつぶやいた。

そう、りんにもわからなかった。


「俺が見たアイツは……。」


シドが見てきた彼は、いつだって信念を持っていた。


『あんた達にこの町を壊す権利があるのか?この反乱には、この町の人間の生活を壊す価値があるのか?』

『最後まで、ウソはつき通さなきゃ意味ないんだよ!』


「シド…わいらは見えてんのか?」

「え…。」

「わいらの目に映るもん、何が真実なのか、わいにはわからん。何が正しいのか……わからん。アイツが今、天師教なのか…京司なのか……。」


りんが珍しく笑顔を封印し、そんな迷いを口にした。りんもまた、シドと同じ気持ちだったのだ。

彼がこの国の最後を目の前にして、何を考えているのか…。

分からない…。


「…じゃあ、天音は…どう思ってる……。」


天使教を討つ事は、天音を傷つける事になってしまうのだろうか?

やはり、シドもその事が気がかりでならない。

あの2人が交わる事は、もうないのだろうか…。


『始めから違ったんだ…。』

『嫌だよーーー!』

『俺が天師教だよ。』

『う…そ………。』

『俺を殺せよ……。』


「わからん……。」


りんもまた目を伏せ、その一言をつぶやいた。

そう、天音はここへ帰って来た。

しかし、彼女が京司の事をどう思っているのか?今は、どう受け止めているのかは聞けるはずもなかった。


『…なして……はなして!!』


彼女は決して、彼の顔を見る事はなかった…。

彼に泣いてすがる事も、もうない…。

もう2度と…。



************



コンコン


「天音?」


星羅が、天音に食事を取らせるため、彼女の居る部屋をノックした。

もう3日、天音は食事を口にしていなかった。

しかし、今日も部屋の中からの返答はない。


「開けるわよ…。」


しかし、今日ばかりは見過ごすわけにはいかないと、星羅は意を決して扉を開けた。


ガチャ


「……あまね…?」


ザ~


ベッドの上には、布団が乱雑に置いてあるだけ。

そこに天音の姿はない。

窓は開けっぱなしになったままで、柔らかな風が星羅の頬をかすめた。


「……。」



************



「わかっていたわ……こうなる事……。なのに……止められなかった。」


かずさが消え入りそうな声でつぶやいた。


「もう……見たく……ない……。」



************



「私は……大丈夫だよ……青……。また立ち上がれるよ……。だから安心して…眠って。」


天音は、青のお墓の前にしゃがみ込み、手を組み額へと当て、祈りをささげた。

月が暗闇を微かに照らし、月下美人が咲きほこっていた。


『それは君次第。君の意思だよ。天音。』

『信じるものは目に見えるものだけじゃないよ。』

『まだ、夢を見ていたいの?』

『僕らはそうやって生きていくんだから。』

『…わかってるくせに。君のしたい事。』


ねえ、青…。青はいつだって私に大事な事を教えてくれた。

それなのに、私は青の苦しみに、気づいてあげられなかった。

青に、何にもしてあげられなかった。

だから…。


『変わったんだよ…この国は…。』

『じゃあ、また変わるといいね。』

『え…?』

『青の好きだった頃みたいに。』



「それだけは、叶えさせて……青……。」



『僕は自由になりたかった…。』

『僕がこの城を離れる時は、僕の願いが叶う時なんだ。』

『その願いが叶ったら、青は幸せになれる?』


ザー

優しい風が吹き、月下美人が揺れ、優しい香りが天音の鼻をかすめた。



「もう一度、私達の信じた頃に……。」




『僕を連れて行ってくれる?』

『どこへ…?』

『君の信じる世界に…。』



************





「全部、空っぽ………だな……。」


京司は天使教の間で、たった一脚のその椅子に腰かけながら、装飾のほどこされた天井を見上げた。

もう、ここには何もない…。





************



「プハー。」


月斗は青の墓の前に来て、いつものように煙草をふかしていた。

あの日から、これが月斗の夜の日課になっていた。

しかし、今日はその墓の前には、真新しい花束が添えられていた。


「ごめんなさい……。」


すると、月斗の背後から、いつもの彼女からは想像できないような、弱々しい声が聞こえた。


「何でお前があやまるんだよ…。」


月斗が後ろを振り返る事なく、その言葉を彼女へと投げかけた。


「天音の言うとおり……。私はこうなる事はわかっていた……。でも、止められなかった。」


月斗がチラリと肩越しに視線を送ると、そこには、夜の闇に紛れていたかずさが、申し訳なさそうに、そこに立っている。


「どうせ、コイツに言われたんだろう。誰にも言うなって。」


月斗がコイツと言った視線の先にある彼のお墓は、もちろん何も言うはずもない。

しかし、月斗にはお見通し。

青の考えそうな事くらい、手に取るようにわかる。

そして月斗は、決してかずさを責めるような事は言わなかった。


「風花を殺したのも、青をあんなんにしたのも国だろ…。」


月斗の低い声が闇の中に響いた。


「…国が憎い……?」

「ああ。でもな、一番憎いのは自分だ…。」


かずさは、未だ月斗の背中だけをじっと見つめていた。


「守ってやれなかった、俺だよ。」


彼のその表情はかずさには見えない。


「あなたが初めてだったわ……。私の言った未来に……つかかってきたのは…。」


『んなもん変えてやるよ。俺の未来は俺のもんだからな。』


「…。」


未だ月斗は、まだ真っすぐ前を向いたままだ。

かずさの方は一切見ない。


「少し…楽になった……。」


かずさが小さくつぶやいた言葉は、暗闇に吸い込まれていった。

きっと、それがかずさを安心させたに違いない。


「人はみな、私の顔色ばかり気にしていた……。あなたみたいに私の予言に耳を傾けない人、初めて見たわ。」


そう言って、かずさが口元にうっすらと笑みを浮かべた。


「お前は…?」


月斗がそこで初めて、後ろを振り返った。

その瞬間、かずさの心がドキリと躍動を見せた。

しかし、彼女は決してそれを、顔に出す事はしない。


「……。」

「信じてたのかよ?そのお告げとやらをよ。」


月斗の鋭いその目が、今日はいつもより緩んで見えるのは、暗闇のせいではない。


「一度も…役に立ったことなんて……ないわ…。」



************



「ただいまー!!」


天音が月斗の隠れ家の扉を、勢いよく開けた。


「天音…。」


星羅は、明らかに心配していましたといった目で、天音を見つめた。


「おかえり。天音。」


そして、りんは優しく笑って、天音を迎え入れてくれた。


「あれ?月斗いないの?」


天音は、月斗がいない事に気づいて、キョロキョロと回りを見回しながら、家の中に足を踏み入れた。


「あー、アイツはいっつもフラフラしてるからなー。」


ハハとりんは、いつもと何ら変わらない笑顔を見せてくれ、天音はその笑顔にホッと安堵した。


「…天音。…大丈夫?」


星羅の心配そうな目は、まだ天音に向けられたまま。ついさっきまで、何も食べず塞ぎ込んでいた彼女が、笑顔を見せ、そこに立っている事は、星羅にはまだ信じ難い事実のようだ。


「やっぱり、星羅は心配性だね。」


そう言って天音がクスリと笑った。

もう大丈夫だと言わんばかりに。


「そうやなー。星羅、天音のこの顔見れば、わかるやろう。」


そして、りんにはわかっていた。天音のこの笑顔が見れれば、何にも心配などいらない。

天音はもう一度立ち上がる事を決めたのだ。

だって、青は、きっとそれを望んでいるのだから。


「心配性で悪かったわね…。」


そんな風に言われてしまった星羅は、スネたようにそっぽを向いてみせた。

星羅の心配性のキャラは板についてしまい、それをいじられるのも、もう当たり前になってきていた。

しかし、真面目な星羅は、やっぱりそれを認めたくはないようだ。


「星羅。ありがとう。」


そんな星羅に向かって、天音は、急に真面目な声を出した。


「いつだって星羅は、私の事考えてくれてたんだよね…。」

「…。」


星羅は、いつだって天音の事を考え、全てを伝える事はしなかった。

天音に自分で考える事を教えてくれた。

しかし、そんな天音を見捨てる事は決してなかった。


「星羅は、みんなの母ちゃんやな!」


すると、りんがわざとおどけたように、そう言ってみせた。

それは、まるで星羅が、世話焼きの象徴だと言っているのと同じ事。


「な、何よそれ!!」


するとやっぱり、星羅は顔を真っ赤にして怒り出した。


「アハハハ。」


それを見て天音は声を上げて笑った。


「天音。」


りんがそんな天音をそっと呼びかけた。


「ん?」

「明日。シドの所にも顔出してやってくれんか?」


天音はもう大丈夫。彼女の笑顔を見て、りんはそう確信した。

そして、そんな彼女をシドにも会わせてあげたかった。


今の天音に…。


「わかった!」


そんなりんの提案に、天音は何の迷いもなく、元気に頷いた。



************



――――― 次の日


「シド!ひさしぶり!」


天音はりんとの約束を守り、シド達反乱軍がテントを張る場所へと訪れた。


「ああ。天音!」


シドも、そんな天音の元気そうな笑顔に、嬉しそうな顔を見せてくれ、天音を招き入れた。


「あの……この前はごめんなさい!!」


すると、天音はシドに会うなり、真っ先に頭を下げた。


「え…。」


そんな天音の唐突な行動に、シドはわけがわからず困惑の表情をみせた。


「私のせいで…天師教を討つ計画をめちゃくちゃにした…。そして、たくさんの人が犠牲になった…。」


天音は頭を下げたまま、その事を謝罪した。

あの時、自分の事しか頭になく、自分勝手な行動に出た事で、辰だけではなく多くの犠牲を出した事を、天音はずっとシドに謝りたかった。


「その事か…。頭を上げてくれ。」


シドは天音のその言葉を聞いて、理解した。

彼女があの日の出来事を、自分のせいだと責めている姿は、少し前の自分を見ているようだった。

そして、天音はそっと頭を上げた。


「…今は誰もお前の事を責める者はいないよ。あの花火大会……。最高だったよ。」


そう言ってシドが白い歯をのぞかせ、ニッコリと笑ってくれた。

失敗した事は消せない過去。しかし、それを挽回する働きを、天音は見せてくれた。

あの花火大会を見て、たくさんの人々が勇気をもらった。

そして、この国の新たな一歩を予感した。

誰ももう、あの失敗を責めたりなどはしない。


「へへ、まーね。」


天音も照れくさそうに笑った。

シドがそう言ってくれた事に、本当に救われた気持ちになった。


「俺達はもう一度行くよ…。今度こそ…失敗は許されない。」


そして、シドは遠くに目を向けた。

天音もその言葉の意味を理解し、同じ方向を見た。

そう、きっとこれが…


「これが最後だ。」


そして、今度はしっかりと揺らぐ事なく、シドは天音の目を見て、そう言った。


「そっか。」


天音は穏やかな顔で頷いてみせた。


「もう、間違いじゃないよな…。」


シドはどうしても、もう一度、天音にそう問わずにはいられなかった。


「…。」

「時は来た…。そうだよな…。」


何度も失敗し、沢山傷ついてきた。

その度に、心折れそうになる。

でも、それでも諦めたくはなかった。

自分達の国を、自分達の手で変えていきたかった。

この国の未来を確信したかった。


「うん!!」


シドの真っ直ぐな瞳に答えるように、天音は満面の笑みで答えた。

シドの強い思いに応えたかった。彼の背中を押したかった。

辰のいない今、それが自分の役目だと思ったから…。


「ありがとう…。それともう1つ……。」


そしてシドは、またゆっくりと口を開いた。

それを聞いていいのか、思案しながらも、やっぱり…


「ん?何?」


天音は、その言葉をためらうシドに、小首を傾げた。



「…お前は一緒に来てくれるか?」



意を決してシドが、その言葉を口にした。


「…。」


天音は一瞬だけ、目を伏せた。

しかし、もう1度シドの真っ直ぐな目を見つめ…


「一緒には行けない……。」


柔らかな笑顔で、シドの問いに答えた。


「…。」


シドはただ、その天音の表情に目を奪われた。


「私は、反乱軍のメンバーじゃない。剣も持てない、弓も使えない……。」

「天音…。」

「私は、お母さんとは違うんだ…。」


天音が、今度はどこか寂しそうに笑った。


『彼女は、戦いには向かない子なのかもしれない。』


シドは、そんな辰の言葉を思い出した。


そこにいるのは、ただの17歳の少女だ。

それなのに、いつまで彼女は、その重い荷物を背負わなければならないのだろう…。


シドはそう思わずにはいられない。


ザ―


開けっ放しの入り口から、冷たい風がテント内に吹き込んできた。


「…そうか。」

「大丈夫だよ!!」


そんな重い空気を吹き飛ばすように、天音は満面の笑みをもう一度見せた。


「シドは立派なリーダーだよ。」


その笑顔はウソじゃない。


「ありがとう。」


シドもその言葉に応えるように、笑った。


「じゃあ、私はもう行くね。」

「ああ。」


そう言って、天音は出口の方へと歩き出した。


「ねえ、シド……。」


しかし、天音は外に一歩を踏み出す前に、足を止めた。


「ん?何だ?」


天音の背中に、シドはもう一度視線を送った。





「今度こそ、天使教を倒してね………。」






その言葉に嘘はない……


そう信じたかった………











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