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なろうさんでは初投稿です。まだまだ序盤ですが、楽しんでいただければ幸いです。
その昔、神様はこの世に3つの種族を生み出しました。
1つは、精霊を媒体にして魔法を使うことのできるヒーラー。
もう1つは、3つの種族の内で一番身体能力に優れたモガム。
最後に、神と同等の知識を扱えるヒューネ。
けれど、彼ら同様まだ生まれたばかりだったこの地では、秩序という概念が存在していませんでした。その為、明確なチカラを持ったヒーラーとモガム達によってこの世界は荒れ果てていったのです。
神々の楽園のように花々が咲き乱れていたこの世界は、あっという間に変わり果ててしまいました。
事態を嘆いた神様は、ヒューネに神託を授けました。
『お前たちのその知識を使い、ヒーラーとモガム達を従えよ』、と。
神託を授かったヒューネ達は集い、その方法を考えました。
力ではモガムに敵わない。超常のチカラを使うヒーラーには正攻法では太刀打ちできない。
実際、今までのヒューネ達は3種族のなかで一番弱い立場にいました。
ではどうすれば神の意向に添えるのか。
ふと、あるヒューネが言いました。
『知識で戦うのはどうだろう』
そのヒューネはこう主張しました。
『神様は、ヒューネの”知識”で他種族を従えよ、と仰られた。ならば我らの得意とする【ゲーム】で勝負すればよいのではないか』
【ゲーム】とは、ヒューネ独自の勝負法です。チカラのない彼らは、何か決め事がある場合に【ゲーム】という知識勝負を用いていました。
もっとも多く用いられる【ゲーム】は、ジャンケンでした。
確かに、それならば他種族を従えることも可能でしょう。
3種族のなかで考えることができるのは、ヒューネだけです。他種族は辛うじて言葉を話すことはできるのですが、考えることはしません。
その行動のどれもが、本能に従ったものばかり。
『だが、一体どうやってヒーラーとモガムにこの勝負を受けさせるのか』
『私がやりましょう』
その時、一人の女性が名乗り出ました。
彼女の名は、ノア。彼女は後に〈ヒューネの女神〉と呼ばれることになります。
『私が2種族の里に出向き、約束を取り付けます。ですので、皆々様には勝負の場を用意して頂きたいのです』
美しく微笑む彼女に異議を唱えるものは誰一人としていませんでした。
そして数日後。
ノアは約束通り、ヒーラーとモガムの長を連れて勝負の場へと姿を現しました。
そして、3種族によるゲーム、【ジャンケン】がはじまったのです。
勝負は、ノアの圧勝でした。
敗者となったヒーラーとモガムは、ヒューネに従うこととなりました。けれどノアがひとつだけ、約束を増やしたのです。
それは、〈百年に一度だけ、3種族の代表が集い、【ジャンケン】をする〉というものでした。
そして、勝利した種族が次の勝負までこの世界の王となれる、というのです。
ヒーラーやモガムはもちろん、ヒューネからも反論は出ませんでした。
皆、希望を与えることで余計な戦いを避けたかったからです。
こうして、騙し合いの世界が誕生したのです。
でもさぁ、騙すことが当たり前の世界に、純粋無垢なコがいたら、とっても面白いと思わない?
僕は面白いことが好きなんだ。
俺は退屈が嫌いです。
俺は楽しいことだけしかやらねぇ。
さぁ、キミは、”僕達”を楽しませてくれるのかな?
有り難うございました。