↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
英雄の異世界戦記〜敵を使役する異端な存在〜  作者: もぐのすけ
魔王グロスクロウ編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
76/217

ヒットアンドアウェイ

 仲間になると口にしなければ二人が殺される。

 そして奴のスキルは俺達では防ぎようのないもの。


 考えろ!

 奴の言葉に視野を狭められるな!

 どうにかしてグロスクロウのスキルを防ぎ、奴を討ち取る一手があるはずだ。


 上級魔人を使うか?

 いや、中級魔人の身体ですら容赦なく千切られた。

 上級魔人といえど、それは例外じゃないだろう。

 一体しかいない上級魔人をこんな場面では使えない。


 ゼロは未だ覚醒せず、シーラも狙われれば避けることができない位置。


 くそ!

 何かないのか!


「無駄な足掻きはやめろ……。一言、『我が人権はグロスクロウに帰属する』と言えばいい。そうすれば二人も殺すことなく配下に加えてやろう」


 口約束か……?

 それだったら今は時間を稼ぐ意味でもコイツの言うことに従っておいたほうが…………。


「ヤシロミナト!」


 俺に対する呼びかけと共に、一本の矢がグロスクロウへと飛んでいった。

 当然矢はアッサリと防がれてしまったが、俺に呼びかけを行った人物は離れた家の屋根の上にいた。


「何だ…………?」

「遅くなってゴメン! 助けにきた!」


 A級討伐隊『ベルの音色』のベイルか!

 手に持っているのは…………クロスボウ?

 この世界で遠距離用の武器はあまり使われていないって話なのに……異世界でも作られる武器は似たようなものなのか。


「 気を付けろ! こいつは魔王だ! 特殊な攻撃の…………」

「分かってる! 遠目から確認した!」


 既にグロスクロウは『離れられざる民(プラスホール)』を使用していたが、ベイルは屋根の反対側に隠れたことで吸い寄せられるのを回避していた。


 建物を挟めば吸い寄せられないということか。

 固有スキルなんて知らないはずなのに、よくすぐに対処法が出てきたな。

 スゲェ。


「シーラ! 建物の中に隠れろ!」

「分かった!」

「逃がさん」


 グロスクロウが標的をシーラに変える。


「やああああ!!」


 シーラが豪炎を放った。

 身体が吸い寄せられるよりも先に、放たれた炎がグロスクロウへと向かう。


「!! ちっ……」


 グロスクロウは一度黒い渦を消し、もう一つの弾くスキルで炎を消しとばした。


「そうか……! さっきから引き寄せるスキルは生き物以外を引き寄せてはいない。だから一度スキルを消して、もう一つの弾くスキルを発動させたのか……! 奴の引き寄せるスキルの攻略法になり得るか?」

「こっちっすよヤシロっち! 倒れてる連れの人は俺が運ぶから!」

「ギャレルバ・ボルザノク!」

「何でフルネームなんすか!? いいからコッチに! 魔王はベイルとミリが足止めしてるから!」


 このタイミングで来てくれるとは……!

 ヒーローのなんたるかをよく分かってるな!!


 ボルザノクの誘導で、俺は建物の裏手に避難した。


「あ、危なかった〜。まさかの魔王っすよパネェ〜。よく持ちこたえれてたっすね〜」

「いやヤバかったよマジ助かった。おいゼロ、無事か?」

「ぐっ…………はっ! 野郎は!?」

「落ち着け。まだ何も終わっちゃいない。彼らが助けに来てくれたことで一度態勢を立て直してる所だけど、何か策を講じないとグロスクロウには勝てない」


 彼らはA級討伐隊とだけあって、ヒットアンドアウェイの方式でグロスクロウに攻撃を繰り出している。

 しかし、それも二人では限界が来るだろう。

 それほどまでに魔王との能力の差は離れている。


 あまり作戦を練るのに時間を割くこともできない。


「俺達も離れた位置から攻撃するのはどうっすか?」

「いや、そうすれば奴はずっと弾くタイプのスキルを使っていればいいだけだ。ジリ貧で終わるし、何より魔法の威力も相当だと考えていい。スキルと魔法を同時に使えるのだとしたら、俺達は即ゲームオーバーだ」

「でも今は使ってないぜ?」

「ゼロが気絶してる間にも似たような予測は立ててたんだよ。でも結局俺の予測は外れた」


 楽な方の予測を立てるのは危険だ。

 行動する時は常に最悪を考えて行動しなければ、奴は倒せない。


「他に援軍は?」

「ダメ。ほとんどは使徒の方に人員を割かれてるっす。派手にウェーイって感じで暴れてるんすよ向こうは。だからみんなそっちに釣られてて」

「期待できない、ね」


 俺達と彼らでやるしかないか。


 時間稼ぎ?

 それはいつまでだ。

 明確に援軍が来ると分かるならそれも視野に入れることもできるが、いつ来るか分からない援軍に期待するのはやめよう。


「奴の能力について整理しよう。奴はあらゆるもの全てを弾くスキルと、人を引き寄せるスキルを使う。ただ引き寄せる方はもしかしたら、人以外のものは引き寄せられない可能性がある。シーラが魔法を放った際に奴はスキルを切り替えた」

「つまり、引き寄せるスキルを使ってきたら魔法を使えば回避できるってわけか?」

「そうなるね。ただ、弾くスキルの攻略法が分からない以上、迂闊な真似はできない。俺達もヒットアンドアウェイで攻めよう。ただ、俺とゼロは時折接近戦を持ちかけてみる。人数をかければなんとかなるかもしれない」

「はえ〜ヤシロっち色々考えてるっすね」


 死にたくないからな。

 それにしても2人だけで魔王の攻撃を凌いでるって凄いな。

 伊達に厳しいこの大陸でA級討伐隊になっていないわ。


「さぁ行こう!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。