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英雄の異世界戦記〜敵を使役する異端な存在〜  作者: もぐのすけ
魔王グロスクロウ編

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『ベルの音色』

 俺が話しかけたのはA級討伐隊『ベルの音色』という3人組の討伐隊だった。

 全員はそこそこに若いようだが、それでもA級討伐隊ということは実力はそれなりのようである。


 そもそもこの国で討伐隊というのは、一種の傭兵として捉えられることが普通のようだ。

 故にクエスト内容はほとんど生死に関わるケースが多く、その環境で生き残っていくには否が応でも実力が身につくという。


 ちなみに彼ら個人ではみんなB級討伐者だ。


「だからこの大陸で生きていくのも大変ってわけ。でもこの国はすぐに他の大陸に移動できるし、内陸部に比べれば全然マシだよね」

「そうそう。内陸部に住んでる人間なんか、商人でも戦闘術に長けてるって話もあるっしょ」

「殺伐〜って感じよね〜」


 嫌な感じ〜。

 どこ行こうが戦争はあるみたい。


「シャッタード都市ってどの辺りにあんの?」

「すごい遠いよ! シダラクに乗っても1ヶ月以上掛かるし」

「シダラク?」

「砂漠を越えるための乗り物だよ。乗り物っていうか生き物なんだけどね」

「ミリ、あれ酔うからキラーイ」


 酔う系か…………。

 じゃあシーラもアウトだな。

 乗ってすぐにゲロリアン。


「ソウグラス大陸ってどんな所? 自然がいっぱいあるって聞いたよ!」

「まぁそうだね。ここみたいに殺伐とはしてないかな」

「うひゃーその内行ってみてー!」

「その前に魔王シルバースターを討伐してからね」

「そうよね〜。確かそろそろじゃなかった?」

「え、なんかあんの?」


 魔王シルバースターといえば、この大陸で最も勢力の強い魔王だったかな。

 搦め手が得意とかあったけど、どうなんだろう。


「もうすぐ、魔王シルバースターの討伐クエストが発令されるって噂になってるのさ!」

「えっ、じゃあ人類側はその魔王に対して優勢ってことか?」

「そういうわけじゃねーんすよねー」

「今、この大陸にあの3代目勇者様が来てるのよ! は〜…………ミリもサイン欲しいなぁ」


 サインとかあんのか勇者……。

 それより3代目勇者か……。

 俺の知ってる勇者はチャランポランにメガネと自己中の3人だから、あんまりいい思い出ねぇな。

 クセが強い。


「何しに来てんの?」

「そりゃもちろん魔王討伐だよ! 最近まで魔王ガゼルの軍勢を相手にしてたみたいなんだけど、大方おおかた討伐したから本来の標的、魔王シルバースターに切り替えたみたいなんだ!」

「しかも近隣諸国の連合軍も含めて! 一大イベントに討伐ギルドも多額の報酬と共に有志を募ってるらしいんすよ! 行くっきゃないっしょ!」

「場所はどの辺り?」

「ここからベイカ砂漠を越えて、ゼルビア王国を拠点に全部で6つの国が参加予定さ! もちろんカンバツ王国もね!」


 なるほど……。

 この地も間もなく戦火に呑まれる可能性あると。

 あ、でもここでいくさが起きるわけじゃないのか。

 じゃあ少しのんびりして、俺達はシャッタード都市の方に向かってゆっくり進むとしますか…………。


「ちなみにシャッタード都市はベイカ砂漠を越えないとだから、今から行ったら確実に戦いに呑み込まれるよ」


 神よ、死ね!

 なぜこうも俺達の邪魔をするのか!

 俺はただ何事もなくシーラの故郷に向かいたいだけだというのに!


「そりゃ困るよ」

「ここで戦いが終わるのを待つか、参加覚悟で向かうしかないね」

「待つって言っても、いつ起こるか目処は立ってないんだろ?」

「そうだね〜」

「ヤシロっちも行くっしょ! 俺らと一緒に!」


 う〜ん…………。

 こればっかりは俺一人で判断するわけにもいかないよなぁ。

 魔王との戦争なんて巻き込まれたらシャレにならんし……。


「ミナト」


 聞き慣れた声がするなぁ。

 後ろを向くと……やっぱりシーラさんではありませんか。

 ある意味タイミングいい。


「なんだよシーラとゼロ、入り口で待っててって言ったのに」

「…………遅い」

「いくら待っても来ねーから探してたんだよ。予想通りギルドにいたみてーだけどな」


 全く堪え性のない方々ですこと。

 俺なら1時間でも2時間でも待ちますよ?

 待ち合わせで女の子が来ないなんてのはザラにあったからね。

 いや、俺の経験談とかじゃなくてね。

 友達から聞いた話だから。

 俺の話じゃないから。


「うわぁ……凄い美人」

「パねぇ……。ヤシロっちの連れっすか!?」

「そうだよ」


 ふむ……。

 この反応にも中々慣れてきた。

 毎度のように見るからな。

 俺はこのシーラに対する反応を『初見殺死ファーストキル』と、そう名付けたよ。


「…………カッコいい」


 ん?

 こっちはあまり見ない反応だ。

 ついに俺の容姿に気付く女の子が出てきたか。

 変態とか言っておきながら、実は気になってたんだなミリさんよ。


「お名前はなんて言うんですか?」

「俺? ゼロ・レパルト」

「ゼロさん…………! ミリって言います! 仲良くして下さい!」

「お、おお。よろしくな」


 俺ちゃうんかい。

 何となく気付いてはいたけどやられた。

 ピエロだよ。

 とんだピエロだよ。


「僕はベイルって言うんだ!」

「ギャレルバ・ボルザノクっす!」


 だからその名前やめろ。

 笑いそうになる。


「えぅ……。シーラ・ライトナー…………」


 自己紹介できて偉いぞ。

 花マルあげちゃいます。


 じゃなくて…………。


「俺を除け者にするなよ!」


 寂しいだろ!

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