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英雄の異世界戦記〜敵を使役する異端な存在〜  作者: もぐのすけ
青海龍の洞窟攻略編

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青海龍の洞窟4

「すまない、助かった」


 一度部屋の外まで引き返した俺達は、チームのリーダーらしきベテランの風格があるおっさんにお礼を言われた。


「君達がいなければ我々は全滅していただろう。このダンジョンの主に中級魔人3体だ。手に負えるような奴らではなかった」

「お礼は彼に言って下さい。一人で中級魔人3体を抑えていたのは彼なんですから」

「正直驚いた。中級魔人3体を一人で抑え込める人間なんて勇者一行のメンバーぐらいだと思っていたからな。ありがとう」

「それぐらい構いやしねーよ。それよりアンタらはこの先どうするんだ? このままダンジョン攻略を目指すのはあまり得策とは思えないが……」


 彼らの人数は10人。

 死んでしまった人達を含めると、人数だけで言えばかなりの大所帯の討伐隊だと思われる。

 それでも誰も彼もが下を向き、傷ついていた。


「我々は……ここで引き返すことにする。これ以上先へ進める気がしない。我々は全員B級の討伐者で、人海戦術による連携でA級討伐隊になったが、それに調子付いてしまった罰だな」

「へぇ……A級討伐隊か」

「君達はたったの3人だというのに随分強いんだな。全員S級レベルなんじゃないか?」

「まぁ…………S級ではないですけどそれなりに、ね」


 ホントはC級のプー太郎です、なんて言えないしな。

 ゼロに至っては討伐者でもないし。


「やっぱり伝説の武器を求めて?」

「そりゃもちろんな。それさえ手に入れることができれば勇者にも負けない力を手に入れるとされてる」


 実際はチートみたいな特性はないけどな。

 要は魔人を自分の手駒にすることが出来るってぐらいだし。

 銃自体もワンショットキルできるほどの力はない。


「我々は仲間の遺体を回収できたらこのダンジョンから引き上げる」

「じゃあ休んだら俺達があの龍を相手にする。その間に連れて帰ってよ」

「すまない。恩に着る」


 俺達はそれから1時間近く休憩をとった。

 時折魔物が現れるが、『獅子脅し』の一撃で倒せるので、さほど脅威にもならなかった。

 そして再度青海龍の元へ。


「魔力の方は?」

「微妙だな。多少は回復したが、全快には程遠い」

「私も同じ」

「じゃあ魔法は少し抑え気味で。基本は俺がやる」

「つーかヤシロは何でそんな魔力残ってんだよ。魔術級も放ってたくせによ」

「鍛え方が違うのさ」



 鍛え方っつーか人からの貰い物だけどね。


「倒し方は分かったか?」

「いや、まだ何とも言えないんだよね」

「一つ気付いたんだけど……」


 シーラがボソッと言った。


「何?」

「天井から捻れた水が龍にくっついてたけど……関係あったりする?」


 要は、スパイラルしながら落ちていた滝。

 あれが青海龍に繋がっていたということらしい。

 俺が見た時は全く気づかなかったが、何とも目ざといというかよく見てるというか……。


「もしかしたらそれが手掛かりになるかもしれないな」

「その繋がってる部分を断ち切れば再生しないとか?」

「その可能性は高ぇな。よし、俺が土魔法でそこを塞ごう」

「任せた」


 再び部屋に戻った俺達に対して、青海龍が間髪入れずに超水圧レーザーを放ってきた。

 俺がそれを『雷鳥』で弾き、シーラとゼロは滝が繋がっている部分に回り込んだ。

 俺は飛撃ひげきを幾重にも繰り出し、青海龍が2人や遺体回収をしている討伐隊の人達に気が散らないように、足止めを繰り返す。

 幾ら斬りつけようが直ぐさま切れ込みは回復する。

 滝から水が補充されているためだろう。

 それでも青海龍は超水圧レーザーを出すことは出来ない。

 それで充分だ。


「すまない! こちらは全員回収できた!」

「なら急いで逃げろ! そっちにレーザーを撃たれたら防げない!」

「この恩は必ず!」


 これで後はシーラ達が上手くやるだけだ。

 俺はひたすらに飛撃を繰り出して注意を引くことに意識する。

 持久戦になることもいとわないぜ。

 と、思ったが切れ込みが回復しなくなってきた。


「ヤシロ! こっちは塞ぐことに成功した! 龍の様子はどうだ!?」

「読み通りだぜ! こいつ傷が回復しなくなった!」


 後はなし崩し的に余裕だった。

 ダメージを負わせるたびに体は削られ、青海龍の攻撃方法も超水圧レーザーしかないようで、攻略法さえ分かればそこらの魔物と同じようにただの作業だ。

 半分ほどまで削った段階で青海龍の体は形を維持することが出来なくなったのか、バシャリと音を立てて地面に崩れ落ち、ただの水溜まりとなってしまった。


「ふぅ。シーラが見つけたのが弱点だったのか。今回のMVPはシーラだな」

「えっへん。撫でてー」

「よしよし」

「倒し方さえ分かれば余裕だったな」

「これが洞窟のボス的なアレだったんかな」

「『青海龍の洞窟』って呼ぶぐらいなんだからそーだろ」


 じゃあガルムと踏破した『結晶獣の洞窟』にもこんな奴いたんだろうか。

 俺は知らないけど。

 どちらにせよ、青海龍がボス的存在だとしてもラスボスではないのは確かだ。

 ゴールは扉で固く閉ざされているところで、そこには例の赤い悪魔、上級魔人がいるはずなんだから。


「そういや先に入ったヤシロの知り合いはどうしたんだろーな」

「知り合いじゃないし。敵だし」

「ここにいなかった所を見ると他の道を通っているか、既に死んでるか……」

「どっちでもいいけど、極力会いたくはねーなぁ」


 絡まれると面倒だし。

 シーラも嫌な顔してるし。


「とにかく、一番最初に到着するのは俺達だ」

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