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英雄の異世界戦記〜敵を使役する異端な存在〜  作者: もぐのすけ
マリン王国編

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人間と魔者と魔者

「ゼロが惚れた人ってどんな人?」


 直球で聞いてみた。

 遠回しに聞くなんて回りくどいことなんてしないぜ。

 世間話好きなおばちゃんの魂が、今の俺には憑依してるんだ。


「それが王女ってこと以外俺にも分からねーんだ。どこの国の人なのかとかもな」

「王者か……」

「王女だっつーの。そんな最強生物を好きになった覚えはねー」


 ほう。

 いいツッコミではないか。


「あ、でも一つだけ聞いた話があったな」

「なに?」

「なんでも爆発魔法を得意としてるって話だ。爆発魔法を無詠唱で放てる王女様とか知らねー?」


 ………………なんか知ってる。

 魔物に向かって爆発魔法をぶっ放してるお姫様オラ知ってる。

 確かニーナさんってシャンドラ王国の第8王女とかだったよな。

 嘘だろこんなに早く解決するの?

 とんでもない奇跡が起きたもんだ。


「それってニー…………」


 でも待てよ。

 俺が王の間を飛び出た時の彼女の顔……まるで敵を見るような目だったよな。

 今さらあの国に戻ったって、前の出来事を振り返してまた襲われそうな気がする。

 本当ならシャンドラ王国まで案内してやっても良かったんだけど、方向も真逆だし事情が事情だし、本当の事を話して、ゼロ一人で向かってもらうようにするか。


「どーしたよ?」

「確かシャンドラ王国の王女様が爆発魔法を使ってたのを知ってる」

「おー! マジかよ」

「でも俺はちょいと諸事情でそこまで案内は出来ないんだ。悪いけど、行くんなら一人で行ってくれ」

「いや、それは全然構わねーんだけどよ…………そっかシャンドラ王国か」


 なんだ?

 少し含みのある言い方だけど、俺と同じような諸事情持ちか?


「なんか気になることでもあんの?」

「別に何もないけどよ…………シャンドラ王国ってあれだろ? 人間の世界で言えば本拠地みたいな所だろ? 流石に魔者である俺はそんな所に入ることすら難しいだろーなって」


 そういや本にも世界3大都市の一つだって書かれてたな。

 討伐ギルドの本部もあるし、魔王軍の進行も1日で跳ね返したって話だし、いくら透過魔法を使ってツノを消してるからっていって、すぐにバレてお縄につくだろうなぁ。


「そこの王女様だろ? 流石に望み薄だなー」

「ダンカンバカヤロウ!」

「ダンカン?」

「恋愛で何弱気になってんだ! お前は女か! 女々しくて女々しくて辛いのか! 男だったらガツンといったらんかい! 当たって砕けろの精神だろ!」

「ならお前は魔王の城に行って、そこのお姫様に告白できるのかよ」

「無理です」

「なら他人事ひとごとだと思って適当な事言ってんなよ」

「すいませんでした」


 ぐう正論だ。

 ハッパかけようとしたら発破解体させられた。

 凄い怖いよママン。


「…………じゃあゼロの兄貴はどうするんでやんすか」

「とりあえずはヤシロについていこーと思ってんだけど、どうだ?」

「え、俺達に?」

「どうやったら人間と魔者が……その……仲良くなれんのかってコツをだな……教えて欲しくてだな」

「あーなるほどね」


 それならそれでこっちも都合がいい。

 ゼロは魔者だけど、急に俺を殺してくるような野蛮性はないし、魔法のスペシャリストだ。

 俺達に必要だった、魔法の指導者問題を一気に解決してくれる。

 ただ、人間と魔者が仲良くなるコツって言われても、俺達の最初の出会いは主人と奴隷だからなぁ。

 その主従関係を説明してもいいものかどうか……。

 まぁとりあえずはゼロが俺達に付いてくることには歓迎だな。

 どうせなら討伐者登録して、そのままギルドに入ってもらうか。

 そっちのほうがいいよな。


 後は人見知りのシーラがなんて言うかだな……。



「いいよー」

「軽いな!」


 宿に戻ってみるとシーラも戻っていたので事情を話してみたところ、アッサリとオーケーした。


 なんだこの変わりようは。

 どんどん成長してるみたいでお父さんは悲しいです。


「本当にレッカ族か。珍しいな」

「……あなたも魔者?」

「ああ。俺はウィン族といって基本的には風魔法が得意な一族だ。よろしく頼む」

「…………うん」


 あ、でもやっぱまだ直接話すのは恥ずかしいんだな。

 俺の後ろに隠れてら。


「ちなみにシーラは今日どこ行ってたんだ?」

「…………秘密」

「秘密…………だと!?」


 まさか俺のいない間にシーラは、誰か知らない悪いおじさんに捕まって大人の階段を……!

 許せん! 知らないおじさん!


 とまぁ冗談はさておき。


「とりあえず一人で行動できるようになったんだな」

「うん。褒めて」

「えらいぞー」


 シーラの頭をわしゃわしゃと撫でてやった。

 成長してからは少し撫でにくくなった。

 物理的にも精神的にも。


「おお……マジで仲良いんだな! これこそ俺の目指す目標地点だ!」

「頭撫でられたいの?」

「違う! イチャイチャしたいんだ! 俺も」

「欲望全開かよウケる」

「ヤシロとシーラはどうやって仲良くなったんだ?」


 やっぱり来たかこの質問。

 なんて答えようか迷うぜ……。


「ミナトは私のご主人様だから」


 空気が凍った。

 ゼロの顔が引きつっていってるのが分かる。

 もちろん俺もだ。


「…………シーラさん?」

「奴隷で捕まってた私をミナトが買ったの。だからご主人様」


 それ以上はストォォォップ!

 俺がめちゃくちゃ悪いやつみてーじゃんか!

 そんで、なんでちょっとシーラはドヤ顔なんだよ!


「魔者を奴隷にして……それをヤシロが買っただと……?」


 ひいええええええええ!

 悪鬼がおる!

 羅刹がおる!

 堪忍してや事実はそうだけどそうじゃないんだって!

 話を聞いてえええええ!


「つまりは俺も人間の奴隷に落ちれば、シャンドラ王国の王女様と結ばれるようになるんだな!?」

「へっ?」

「なるほど確かにそうすりゃ人間と魔者という垣根を超えて仲良くなれるな!」


 こいつバカだ。

 天然バカだ。

 恋は盲目っていうけど、五感全部死んでるレベル。


 その後、ゼロの間違った考えを正すのに1時間かかった。

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