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英雄の異世界戦記〜敵を使役する異端な存在〜  作者: もぐのすけ
アクエリア大陸 ミラージュ王国編

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要約

 俺達はミラージュ王国に向けて歩みを進め始めた。

 結局のところ、クラリスは借りることなく徒歩にて向かうことにした。

 というか借りることができなかった。


 ここ最近クラリスの貸し出しが多かったようで、そのどれもがまだ戻ってきてはいないのだという。

 要は頭数が足りていないとのこと。

 戻ってくるまで待つかとも言われたが、特段必要ともしていないため、徒歩で向かうことになったのだ。

 ちなみにアイラは乗り物酔いしないみたいだ。


 しっかりと舗装された道。

 その横にはせせらぎを与えてくれるような川がサラサラと流れていた。

 水による資源が豊富なこの大陸は、どこにいっても水辺がある。

 サンクリッド大陸にも少し分けてあげたいほどだ。


 この舗装された道をひたすらに進めば、いずれミラージュ王国に辿り着けるらしい。

 途中途中に、ミラージュ王国の属国にあたる国がいくつか点々とあるため、しっかりとした休養をとるならそこまで進めばいい。

 今までのどんな道のりよりもイージーだ。


「歩いてどれぐらいだっけ?」

「えっと……ミラージュ王国までが3ヶ月。次の国までが4日ってところみたいだよ」


 隣の国までが約4日。

 割りかし遠い。

 もちろん国だけじゃなくて、もっと細かく人が住んでる集落や村があるとは思うけどね。


「歩きながら、これからの目的を整理させておくか」

「一通りメモにはまとめてあるよ」

「おっ。さすがアイラさん」


 マメな性格が出てるね。


「まず私達がしたいことは、ヤシロの仲間探し。物体転移魔導砲で散った2人を探すために、元いたサンクリッド大陸を目指す」


 そう。

 連絡の取り用がない以上、最も集合しやすい場所がサンクリッド大陸の『開戦区域バルフィード』かその近辺の諸国。

 まずはそこに戻ってから情報をかき集める。


「その2人が……えっと、シーラさんと……ゼロさん?」

「うん。シーラ・ライトナーとゼロ・レパルト。どっちも魔族」


 あ〜、と耳をピコピコ動かしながらアイラが頷く。


「そのためには海を渡らなければいけないけど、魔族である私は船に乗せてもらえない。だからその特別乗船許可証を発行してもらうために、港を管理している国家、ミラージュ王国を目指している」

「だね」


 アレコレ複雑な状況が絡んでいないだけに、やること自体はシンプルで簡単だ。


 国に行って許可証貰って帰る。


 魔王を倒してこいと言われるよりよっぽど楽だ。


「ミラージュ王国の特色についても調べたよ」

「流石でございますな」


 俺が日課の訓練をしている間に、何を必死に読んでいたかと思えば予習だったとは、やるなぁ。

 元々頭は良いだけにしっかりしている。


「人類側における世界三大国家と呼ばれるものは、ソウグラス大陸にある、初代勇者を輩出した世界最大の成金商業国家シャンドラ。サンクリッド大陸にある、最先端の魔導科学技術を持つ世界最大の魔導都市シャッタード。で、ここにある世界最大の軍事国家ミラージュ。三つの特色はこんな感じに分かれるんだって」


 シャンドラ王国は商業国家になるのか。

 確かに初代勇者を前面に押し出してる感じはあったし、観光地みたいな雰囲気はあった。

 軍事的にも魔族からの進行を跳ね除ける力はあったし、軍事国家と呼ばれるほどじゃなくても戦力的には申し分なかった。


 シャッタード都市は…………一度魔王の手に堕ちてたけど、きっと俺の想像のつかないような最先端の技術がそこにはあるのだろう。

 ある意味世界の中心とも言える。


「軍事国家ってことは、結構殺伐としてたりするんかね」

「どうだろうね。話を聞いてもそんなに堅苦しい感じはしなかったけど。でも軍隊の規律はとても厳しいって話みたいだよ」

「というと?」

「軍隊が全部で10隊に分かれていて、呼び名が交戦駆動隊、通称〝交駆隊〟って呼ばれてるんだって。その10に分かれた交駆隊に大隊長がいて、それらをまとめているのが五天羅ごてんらと呼ばれる人達。さらにその上に星宝三龍将せいほうさんりゅうしょうって人達がいるんだって」

「とんでもないピラミッドだな。上下関係厳しそう」


 他の国では軍隊を分けてるところは見なかったな。


「軍人数で言うと約10万人だって。属国に当たるところに常駐させてたりするから、討伐ギルドも大きく出れないらしいよ。ほとんど軍の人達が相談事は引き受けてるみたいだから」

「そうすると、入国したりするのも結構厳しくなったりしそうだな」

「そうなの?」

「そういうところって結構マメに自国のことを管理してると思うんだよ。他国の変な奴らが入って来ないように」


 シャンドラ王国とかは比較的ウェルカムな所だったけど、王族にも大した護衛兵付けてなかったし、魔物のレベルも低かったりで平和なところだったから、そこまで厳しく管理している必要はなかったのかもしれない。


 サンクリッド大陸は知らん。


「要するに、アイラのその見た目はマズイってわけだ」


 これまでは魔族の領土だったから特に気にもしなかったけど、青色の髪にネコの耳と尻尾。

 港のオッチャンの反応見るに、魔者を連れていたら門前払いされる可能性も無くはない。

 奴隷と言い張ることはできるけど、アクエリア大陸でも魔者の奴隷が一般化されているのかどうか分からないし。


「じゃあどうすればいいかな?」

「方法は3つある」

「え、本当に!?」

「一つは、アイラが耳と尻尾を切断する」

「わーーーー!! 何で!? 何で冗談でもそんなグロいこと言えるの!?」

「じゃあ二つ目は、賄賂を渡して通してもらう」

「そんな姑息な……通してもらえるとも思えないけど」

「三つ目は、アイラの色仕掛けだな」

「え〜…………ま、まぁ? 他の二つよりかは可能性あるかもだけど?」


 乗り気なのか。

 そんなに腰をくねらせて。


「ま、どれも現実的な話じゃないんだけどな」

「ちょっとー!! それどういう意味!?」


 でも本当に何か対策は取った方がいいかもしれない。

 俺が思ってる以上に、魔者のことを嫌ってる人達がいるかもしれないのだから。

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