表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
英雄の異世界戦記〜敵を使役する異端な存在〜  作者: もぐのすけ
星降鬼の洞窟攻略編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

115/217

交換条件

「私……生産魔法が水魔法しか使えなくて……。水魔法を使って攻撃できるようなセンスもないから、同年代の人達に馬鹿にされてるの。お前みたいな奴がシルヴァード族とか、恥さらしだ! とか言われて……。だから私も売り言葉に買い言葉で、『一人でダンジョンに潜って主を倒してきてやる!』って言っちゃって……」

「で、ここにいるわけか……」


 どこの世界でもあるわけなんだな、所謂いわゆるイジメが。

 大した力があるわけでもないのに、自分よりも弱い奴を井の中でむさぼろうとするかわず


 残念な話、案外そういう奴らの方が長生きしたりするから困る。


「その子達が入り口の所で見張ってるから、出るに出られくて……」

「ほとんど自殺教唆に近いじゃん。攻撃魔法が使えないのにヴィルモールの作ったダンジョンに入れさせるとか」

「だからダンジョンの外に出るなら、今来た道を反対に進めばすぐだよ」


 そんな話聞いて一人置いていくことなんてできるかよ。

 それに、どうせアクエリア大陸のダンジョンに来たんだ。

 いずれはここにも来る予定だったんだから、『獅子脅し』の強化メモリをゲットしていこうじゃん。


 サンクリッド大陸に戻るのはそれからでも大丈夫だろう。


「よし、じゃあここのダンジョンボスを倒して、アイラを虐めてる奴らに一泡吹かせようぜ」

「えっ!? い、いいよ迷惑かけるし! それに、ここのダンジョンは普通のダンジョンよりも魔物が強いんだよ!? 魔人もいるし……」

「人を見た目で判断しちゃダメだぜ。こう見えて実は俺、魔王ヴィルモールが造ったダンジョンは既に踏破してる」

「う……ウッソだー! 絶対ウソ! 戦う人の格好じゃないもん! スゴイ弱そう!」


 ほう。

 そこまでボロクソに言うかね。

 どんだけひ弱に見えてるんじゃ俺は。


「さっきも魔物を一撃で倒したろ」

「それは……さっきの魔物が弱かったとか」

「おい! さっきこのダンジョンの魔物は強いって自分で言ってたじゃねーか!」

「…………」


 なんか俺って結構舐められるタイプだよね。

 高校生の時も部活の後輩とかによく舐められてた。


 馬鹿にされてるとかそういうことじゃないんだけど、イジられやすいというか、弄ばれるというか。


 今度からキレ芸でいこうかな。


 なんなんだよ!!

 キレてねーよ!!

 先輩だよ!!


 みたいな。

 なんか某芸人みたいだ。


「とにかく、アイラはどちらにしろ外には出れないんだろ?」

「啖呵切っちゃったし……」

「ここで外の奴らが帰るまでずっと待機っていうのも、いつ魔物が出て来るか分からなくて危ないしな」

「でも、攻撃は出来なくても防御は出来るよ」


 そう言ってアイラは水魔法を自身の周りを覆うように発動させた。

 確かにこれなら中途半端な攻撃ではアイラに届かないだろう。


 だけど下級魔人辺りにはすぐに突破されそうなほど脆い。


「それだけじゃこのダンジョンは生きていけないだろ」

「同年代の子の魔法は防げたよ」

「ふーん」


 俺は『雷鳥』を引き抜き振り下ろし、剣圧を水魔法にぶつけた。

 一瞬で水魔法が引き剥がされて消える。


 アイラは驚いた様に目を見開いていた。


「こんな感じでアイラの魔法はすぐに吹き飛ばせる。ここにいる魔物が違うとは言い切れないだろ?」

「び……びっくりした……」

「そこらの魔物とかなら全然俺は勝てる。俺ならダンジョンのボスを倒す手助けをすることができる」

「でも……」

「どちらにせよ、一人でこのまま行くんでしょ? なら外にいる奴らにボスの首でも持っていって、ドヤ顔してやろうぜ」

「でもヤシロに迷惑がかかるよ……」


 無償で助けるってことに抵抗があるのかな。

 なら交換条件か何かつければいいってこと?

 それなら……。


「じゃあこうしよう。俺はアイラに協力してこのダンジョンのボスを倒した後、地上まで送り届ける。その代わり、俺からも成功報酬を要求する」

「成功報酬……? わ、私が可能なことであれば……」

「アイラの耳を好きに触っていい権利をプリーズ」

「へぇ!?」


 そう。

 俺は別に金や地位が欲しいわけじゃない。

 そのネコ耳を触っていたいだけだ。


 俺は昔から犬や猫といった獣畜生けものちくしょうにすこぶる嫌われていた。

 それはもうすこぶるだ。

 家で猫を飼っているが、俺が撫でようとすると逃げる。

 そのくせ俺が寝っ転がっていると、ここぞとばかりに背中や頭にのしかかってきて、われが王ぞと言わんばかりにふんぞり返るのだ。


 だからさっきアイラの耳を触った時、感動した。

 こんなにも動物の耳は気持ちがいいのかと……!


「どう?」

「い……やだやだ! 耳は触られるとくすぐったいもん! それを自由に触られるなんて嫌!」

「ならどうする? このままいじめっ子達の所に戻るか、無謀にも一人でダンジョンに潜って無惨に死ぬ?」

「う………………うう〜」

「答えは2つに1つだと思うけどね」

「………………分かった。無事に帰れたら…………触っていいからっ……」


 よし、言質をゲット!

 ……………………ってあれ? アイラ涙目になってる。

 この状況……ポリスメンがいたら俺ヤバい状況?


 なんか無理強いして答えさせてるみたいな……。

 社会的に死ぬやつ?


「触る時は…………痛くしないでね……」


 ナニコレ良心が凄い痛む。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ