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英雄の異世界戦記〜敵を使役する異端な存在〜  作者: もぐのすけ
魔王シルバースター編

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102/217

離散

 町を抜けるために進むにつれ、敵と会敵する回数が増えてきた。

 多くが魔者で、魔人とはあまり出会わなかったが、そのほとんどは先制攻撃で処理できた。


『ベルの音色』の3人が索敵を行い、俺かシーラが攻撃を加え、誰かがトドメを刺す。

 ゼロは敵からの攻撃を防ぐ防御的な立場に回ってもらっている。


『ベルの音色』の3人は特別魔法が強力なわけでもなく、剣術に秀でているわけではないが、それでもA級討伐隊になれた理由は索敵に長けているからのようだ。

 敵よりも先に見つけ、先制攻撃を食らわせる。

 そうして今まで クエストを達成し続け、A級討伐隊まで上がったのだという。


 索敵、矛、盾。

 一応はバランスの良いパーティになっている。


「左から敵が一人!」

槍火葬そうかそう


 射出力に魔力を振った炎の槍が敵に突き刺さる。

 ゼロに魔力のコントロールについて教えてもらったようで、今までよりも細かく設定できるようだ。


 速さで言えば俺の銃と同じぐらいの速さが出ている。


「やるなぁシーラ」

「ふふん」


 得意気にしているシーラの足元に魔法陣が浮かび上がる。

 敵の遠隔魔法だ。


 だが、すかさずゼロが上から新たな魔法陣を作り、描き潰した。

 上から潰すことで遠隔魔法は防げる。


「そこか!」


 ドンッ!


 隠れて魔法陣を放ってきた魔族を見つけ、右足を撃ち抜いた。


「ごめん! 見落とした!」


 ベイルが魔族の首に剣を突き立てて殺した。

 容赦なさすぎてグロい。


「多少の見落としは仕方ないさ。これだけ敵がいるんだし、どこにいるか分かったもんじゃない」

「でももうすぐこの町も抜けるっすよ。もう何隊かは抜けてるみたいだし」


 ボルザノクの言う通り、外を視認できる位置まで来ていた。

 そして外には黄色い悪魔が………………黄色い悪魔!?


「中級魔人がいるじゃんか!」

「え、あっ、ホントだ」

「8人で戦ってんな…………いや、2人は魔者かありゃ」

「足らないだろそれじゃ! 行こう!」


 普通のハンドガンタイプじゃ火力不足だ。

 武器変換ウェポンチェンジ一点集中型散弾銃ショットガン』!


『獅子脅し』がバチバチと発光し、キンッという音と共に銀色のショットガンの形に変化した。

 通常型の弾30発分の魔力を込めると、ジャコン! という音と共に1発の弾が込められた。


「うおおおおりゃああああ!」


 ドゴォォン!!!


 凄まじい音と衝撃と共に弾が発射され、戦闘中の中級魔人にヒットした。

 穴が開くとかそういうレベルじゃない。

 上半身が丸々吹き飛んだ。


 魔王には防がれたけど、やっぱりとんでもねー威力だこれ。


「なんじゃあいきなり! 中級魔人が吹き飛んだぞぉ!」

「誰だ!?」

「A級討伐隊の『紅影あかかげ』をどうぞよろしく!」


 続いて魔者の一人をシーラが炎で、もう一人をゼロが青海龍から発想を得たという水のレーザーで片付けた。


「とんでもない味方がいたもんだ……」

「中級魔人を倒すってことはS級討伐者レベルだぞ……」

「センキューセンキュー。あれ? ベイルはどこいった? ついさっきまでいたよな? あとボルザノクも」


 気付けばベイルとボルザノクが居なくなっていた。

 中級魔人を見つけて移動する前まではいたのに。


「ベイルなら苦戦してる人がいるからってボルザノクと援護に向かったよ。ミリは中級魔人がいたからこっち来たけどさ」

「あんまり離れない方がいいんだけど……それなら一旦引き返すか」

「あの二人なら大丈夫でしょ。もう町は抜けたんだし、ミリ達は待っててもいいんじゃない?」

「それなら俺が見てきてやるよ。お前ら3人はここで待ってろ」

「ゼロさんが行くなら私も!」


 ちょいちょいちょい。

 ミリがここで待ってるって言ったんだろ。

 もう少し自分の発言に責任を持て。


「ミナト…………少し離れた所でも交戦してるよ」

「どこ? …………あそこかよ目いいな。流石に遠いけど、もしこっちに被害が及ぶようだったら考える」

「私なら攻撃届くよ……?」

「他の味方に当てずに?」

「うん」

「じゃあ任せた」

「それじゃあ俺は向こうに戻ってるぜ」

「おうよ」

「ミリも」

「んんん任せた!」


 まとめ役も案外大変だな。

 数人を指揮するだけでも大変なのに、何千何万と指揮する人はホントとんでもねーや。


「ミナト…………」

「どした?」

「………………味方にも当たっちゃった」

「何してんの!?」


 だからあれほど気を付けろと言った……覚えはないけれど!


「うう……ごめんミナトォ……」


 瞳を潤しながら泣きそうになるシーラには若干萌えるけれども……!

 尻拭いはしないとまずいよな。


 リアルな意味ではなく。


「俺が何とかするから、そんな顔するなよ。味方の人が死んじゃったわけじゃないんだろ?」

「うん……。魔者に当たったんだけど距離が近すぎて他の人にも炎が……」

「ならセーフだ。すぐに直接助けに行こう」


 部下の責任は上司の責任なんだぜ。

 シーラのためなら土下座の一つや二つ。

 デコがすり減るくらいにこすることもいとわない。


 気付けば俺たちのパーティは、自然とバラバラになってしまっていた。

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