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せめて見られるほどに全身整形を

主人公が全裸になりますご注意ください。

おそらく下品な感じではないはずです。

昨日はそのまま晩御飯を食べて風呂に入って寝てしまった。

まったくもって異世界に来ました感ゼロな初日のように思えるのだが、文字にするとそう見えないだけで実情は少し違う。


晩御飯を食べるのだって不思議なテーブルクロスで食べたいものが勝手に出てくるようにして暴飲暴食をしたし、もちろん食べ終わった食器はテーブルクロスの上に置けば勝手に消えるので洗い物は一切なし。

お風呂だって何度使っても減らないシャンプーとリンスーで髪を洗ったし、勝手に泡立って撫でるだけで汚れを落とせるスポンジで体を洗って、宙に浮いて勝手に乾かしてくれるドライヤーとか、口に含んでグジュグジュペーをするだけで歯磨きをしたように綺麗になる液体とか、まあ使えるチートをふんだんに使ってまるで魔法使いのように過ごしていたのだ。

ただし外には出ていないので異世界に来ました感がゼロなことに変わりはない。チートが凄かっただけだ。


さて、おはよう諸君。

一晩考えた結果私はこれから"ハル"と名乗るつもりだ。

深い理由はない。ファンタジーな世界で名乗る自分の本名があまり気に入らないだけだ。


では本題に入ろう。

今回は自分の容姿をビフォーアフターしようと思うのだ。

それは何故か。ファンタジーな世界にいるのに今の自分の容姿だと思い切って楽しめないと考えたからだ。

お世辞にも今の私の容姿は美人でも平凡でもない。割と不細工な部類に入る。そんな私がこんな綺麗な景色の中に溶け込めるわけがないのだ。

あと、あわよくばイケメンと知り合えたらいいなという欲目も多大にある。


ということで、早速全裸になった。

断っておくが私は変態ではない。

これは全身をビフォーアフターするために必要なことだ。それに、私以外誰もいない部屋で全裸になったって何も問題はないはずだ。


全身鏡の前で自分の全身を眺める。


なんというか、肌が汚い。

体毛も濃い目だ。

そして割とぶよぶよボディだ。


まずは全身がつるつるすべすべもちもち滑らかな白い肌になるように念じる。すると、ニキビ跡や日焼け跡、シミすらも綺麗さっぱり消えて、全身のムダ毛もまるで脱毛したかのように消えた。

おっと、肌色を白くし過ぎて気持ち悪いぞ。もう少し赤みを足さなければ……よし、これぐらいか。


次に体形。

身長を弄ると身体を動かすのに差し障りがあるかもしれないから、日本女性の平均的なこの高さのままでいいだろう。

ぶよぶよボディから余分な体積を奪い、健康的な細さを目指す。胸のサイズは……大き過ぎなければ、まあいいか。


さて、最後に顔のメイキング。

ふっくらとした丸い顔の輪郭を小顔になるように整えて、元の顔がちょっと可愛くなったらこんな感じだろう、という風に微調整を加えていく。

がっつり変えないのは自分の顔が思い切り見慣れないものになるのが怖かったからだ、さすがに。

それでも「この顔がもう少し可愛い感じだったらなぁ」と夢見ていたから整形するのだ。


こんなに自分の身体を弄って怖くないのかと聞かれれば、それほど怖くはないと答えよう。

気分的にオンラインゲームのキャラメイク画面を見ているような気分なのだ。

むしろ今までのコンプレックスがなくなると考えれば、これからを想像するだけで楽しくなる。


完成した自分の新しい姿を見て、私は満足気に口の端をあげた。

これを人に見せるときが本当に楽しみで仕方ない。

こういう下準備(?)しているところを掘り下げて書くのが好きです。

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