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運気好転?

「あっ、慶祐くん。ここに来てたんだね」

 ほんのり栗色セミロングふんわりウェーブヘアな女の子に声をかけられた。ショッピングカートを引いていたこの子は慶祐の幼馴染、播本舞衣はりもと まいだ。家もお隣同士、クラスも今は同じな彼女の周りには他に三人の女の子がいた。

「慶祐さん、五〇分振りくらいですね」

一人は舞衣の幼友達、利川千景としかわ ちかげ。四角い眼鏡をかけ、濡れ羽色な髪を大抵いつも水玉シュシュで二つ結びにしてお淑やかさを感じさせている。

 あとの二人は舞衣の妹だ。 

「やっほー慶祐お兄さん、ここで会うなんて奇遇やね」

丸顔丸眼鏡ボサッとしたウルフカットがまあまあ似合う次女、中二の桃絵ももえ

「慶祐お兄ちゃん、今日の部活でクッキー作ったよ。おウチに置いて来たから今はないけど」

メロンのチャーム付きヘアゴムでお団子結びにした髪が可愛らしい、青いサロペット姿な三女、小四の羽音はのんである。

「みんなで買い物しに来てたんだね」

 慶祐はさっきまでとは打って変わって上機嫌な爽やか笑顔だ。

「うん、お母さんに頼まれちゃって。たった今来たとこだよ。私達お買い物済ませたら、あそこの喫茶店寄るつもりなんだけど、慶祐くんもいっしょにどう?」

「俺はいいよ。それよりさっきゲーム買ったら不良にからまれそうになったよ」

「慶祐くん、大丈夫だった? 怪我はない? お金とかとられてない?」

 舞衣は深刻そうな面持ちでとても心配そうに接してくれる。

「うん、すぐ逃げたからノーダメージだよ」

「よかった無事で♪」

「慶祐お兄さん、逃げるんは情けないわ~。戦って逆にびびらしたりなよ」

 桃絵ににやけ顔でダメ出しされるも、

「それは絶対無理だ。俺より強そうな奴ばっかだったし」

 慶祐は苦笑いできっぱりとこう言い返した。

「慶祐くんのやり方は極めて正しいよ。怪我したら大変だもん」

「わたしもそれがベストな手段だと思うわ。たとえ腕に自信があっても後々のことを考えると。不良集団には関わらないのが一番ですね」

「あたしの担任も怖い人には絶対近寄らないようにって言ってたよ。慶祐お兄ちゃん、どんなゲーム買ったの?」

「RPGだけど、なんか一風変わってるっぽい。普通RPGって俺らの考えた世界地図な架空の世界を舞台にするものだけど、このRPGは現代日本が舞台みたいで魔王とかドラゴンとか、エルフとか騎士とか亜人獣人とかゴーレムとか定番のものは出て来なさそうだ」

 慶祐はそう伝えながらさっき買ったゲームソフトを鞄から取り出した。

「これ、面白いのかなぁ?」 

 羽音はパッケージを興味深そうに観察する。

「日本地理の学習用ソフトみたい。RPGっぽくないような……」

「茶阪堂って聞いたことない制作会社名やけどこれも和風やね」

「タイトルからして地雷臭が漂ってる予感がするけど、わたしプレーしてみたいな」

 舞衣と桃絵と千景も興味津々だ。

 タイトルは『日本ご当地敵モンスター退治旅』。行書体黒筆文字で書かれていた。

 パッケージには鳥瞰図風の立体的な日本地図がプリントされていて、羆、鳴子こけし、高崎だるま、さるぼぼ、舞妓さん、坊っちゃん団子、有田焼茶碗、シーサーなどのデフォルメイラストがご当地に該当する地図上に描かれている。

 ちなみにテレビゲーム用で、CEROは十二歳以上対象のBだ。

「このゲーム、ワタシもプレーしたい。慶祐お兄さん、いっしょにやらせてな」

「あたしもしたーい。今日は久し振りに慶祐お兄ちゃんちでゲーム大会だね」

「夏休みの最後の日以来だね。慶祐くんち、あとでお邪魔するね。私もちょっとプレーしたいから」

「慶祐さん、一時間程度お邪魔させてもらいますね」

「久し振りってほど期間開いてないと思うけど」

 みんな行く気満々で、慶祐はちょっぴり迷惑がるも嬉しくも思っていた。この四名が慶祐の自室を訪れてくることは昔からしょっちゅうなのだ。


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