ペット
僕は彼女のペットでした。
彼女が飼い主で、僕はただ彼女に従って生きております。
生活は何の不自由もありませんでした。むしろ僕はとても贅沢な暮らしをさせてもらっています。
わがままを言えば何でも聞いてもらえます。人は僕を見てうらやましがるのかもしれません。
でも僕は所詮ペットなのです。それ以外の何者でもないのです。
彼女のことを話しましょう。
彼女はとても素敵な人です。最も近くにいる僕から見ても、本当に素敵な人なのです。それは僕だけじゃなく、彼女を知っている人ならみんなそう思っているでしょう。
彼女は人間が好きなのだと思います。だから誰にでも優しく、誰とでも仲良くなれます。彼女が嫌いな人なんてたぶん何処にもいないのではないでしょうか?
それに彼女は本当に頭のいい人です。お父様の会社を次がれるのも彼女ではないかと噂されています。
本当に欠点の無いお方です。そんな私も彼女のことがとても好きで尊敬すらしております。
だけど私は彼女のペットなのです。
彼女のための何かしたくても、私にはそれができません。
彼女のことを守りたくても、私には何もできないのです。
私は所詮ペットでした。
彼女にかわいがられるだけの、ペットでしかなったのです。
これはもしかしたら詩なのだろうか? ある心境を表現したくて書いてみたのですが……。