ふさがったダンジョン
我々のパーティーが、初めて入ったダンジョンが、盗賊の鍵のある洞窟だ。
それまで、扉を開ける鍵といえば、どんな扉も開けられる魔法の鍵というのがあったが、なにしろ
1回使うと壊れてしまうようなシロモノだったので、しかもそのたびに買い足さなきゃいけなかったので、何回も使える鍵というのは、盗賊の鍵が初めてだった。
なぜ、盗賊の鍵というのかというと、その昔、町中を荒らし回った大盗賊が盗みに入る時に使っていたからだそうだ。
簡単な鍵のかかった扉を全て開けることができるとか。
その時のダンジョンは、ちょうどマルタの町と、ポーレン王国の中間あたりに位置する。
私はさっそく、行ってみることにした。
自然の洞窟で、ゴツゴツした岩の洞窟だ。
ところが、この洞窟は、入口のところが崩落し、入れないようになってしまっていた。
さらに、洞窟の通路のところも崩落し、そこから先に進めない、ヘタをすると完全に崩落し、その崩落の巻き添えを喰って、命を落とす危険性すらあるという。
「まいったな、まさかこんなことになっているとはな。」
落ち込んでもいられない。我々は次に、
勇者デスティンの消息を探すことにした。
生きていれば、50歳か。今どこで、何をしているのだろう。