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迷宮救命士 ~お前ら無茶しやがって~  作者: 星野サダメ


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14 ラビリンスモール

 14 ラビリンスモール


 午前の勤務が終わり、支部にある食堂で昼食を頂いてから単身寮へ帰る。

 護身のために持っていくように言われた拳銃……、いきなり渡されても困ってしまう……。

 それでも必要であることは理解できるので、これも慣れるしかないのだろう。

 革製のガンケースに入ったクロツメとマガジン、それにおそらく掃除などに使う道具が入った小さなポーチを亜空間倉庫へ収納する。

 亜空間倉庫の取り出し口は、自由に移動できるので、探索装備の腰に身に着けているウエストポーチから取り出せるように見せたら良いだろう。


 さて、気分を変えて買い物の時間だ。

 多摩迷宮特区は5つの地区に分かれており、中央地区には特区役所や総合病院、警察署や消防署、そして迷宮と迷宮省の支部もここにある。

 北地区と西地区は住宅が多く、南地区には迷宮関連企業の支社や工場などが多くあり、本日の目的地となる商業施設は東地区に集まっているそうだ。


 今の私はこの地球世界で不自然に思われないような、まともな私服がない……。

 単身寮で生活をする上で必要となる最低限の衣服は今井さんに買ってもらったが、本当に最低限なのだ。

 幸い、この迷宮特区内では探索装備で出歩いていても不自然に思われないが、やはり落ち着かない。

 と言うわけで、まずは衣服を購入する!

 と言いたいところだが、カバンや靴などから買わないといけないのだ……。


 そうして、探索装備のまま特区内を循環するバスに乗り、西地区にあるラビリンスモールへ到着した。

 迷いそうな名前の商業施設だが迷宮を意識した名前なのだろう。

 国が建築した広大な施設には、いくつかの商業施設を運営する企業がテナントとして入居しており、ここで買えない物はほとんどないと言うほどの品揃えらしい。

 また、特区内なら当日の配達をしてくれるそうなので、荷物の量を気にせずに買い物ができることはありがたい。


 まずは、アウトドア用品にありそうなバックパックを探したいのだが、そういう品々は全て探索用品としてまとめられているらしく、探索用品専門店に向かう。

 多摩迷宮は、虫系の魔物が出現するので、甲殻や皮が多くドロップするそうだ。

 そんなドロップアイテムを特区内で加工し、直販のような状態でこのラビリンスモールでは売っているらしい。


 店舗内に入り、品々を歩きながら見回っていると、知っている品から初めて見る品まで様々な品々が目に入る。

 そうしてレジャーシートのような品に注目した。

 ダンジョン内で広げても吸収されないシートらしい。

 転移魔法陣と同じく、ダンジョン内の素材で作られたシートなのだろう。

 丁度良くダンジョン内でやりたいことを考えていたので、購入を決める。

 それから、間もなくしてバックパックの売り場へ到着した。

 地上で使っても違和感のない品と、探索用の品を買うつもりだ。

 それからあれこれと見比べて購入を決めた品は、少しレトロ感がある日常使いにも問題のないカーキ色のバックパックと大型で頑丈そうな現代的なデザインのバックパックを選んだ。

 カーキ色のバックパックはこのまま背負うことにして、大型のバックパックとシートは配達にしてもらう。

 ちなみに大型のバックパックは、ダンジョン内で戦うつもりがあまりない私には不必要かもしれないが、用意だけはした方が良いと判断をしたので購入を決めた。


 続いて今日は買うつもりはないが、値段と質を見ておきたいので武器と防具の売り場へ向かう。

 まずは、武器の売り場では、魔石を素材にして製造された魔合金属製の様々な武器とドロップアイテムの武器が並んでいた。

 魔合金族製の武器は、内包魔力量が多くはないが、質は異世界と比べて遜色はないかもしれない。

 しかもお値段は武器として考えたなら、十分にお安い値段で売られてもいる。

 しかし、ドロップアイテムの武器は、値段は高いが質はあまり良いとは思えない品ばかりだった。

 防具もほぼ同じ評価で、迷宮素材で作った品は、ほどほどに良いが、ドロップアイテムの品はあまり良いとは思えない。


 実は異世界からこちらへ持ち込んだ武器と防具は、数が限られているのであまり使いたくはないと思っている。

 修理するにも簡単に直せる品でもないし、世に出したら大問題になりそうな品ばかりで困っていたのだ。

 それに武器は今のところ、軍刀の荒苦寝があるが、和風の造りだからなのか少し私と馴染まない感覚がある……。

 面倒な品を使い続けるくらいなら、武器と防具をここで購入しても良いかもしれない。

 そう考えながら眺め続けていると、オーダーメイドも取り扱っているとの看板を見つけた。

 なるほど、オーダーメイドなら荒苦寝をもう1本か2本用意して、サーベルとマンゴーシュに造り直してもらえるかもしれない。

 大量にあるクモ糸も防具にしてもらえるのなら、本当に助かる。

 そうして、看板には、あれこれと詳細が書かれていたので少し読んでいると、30歳前ほどの男性店員に声を掛けられた。


「お客様、オーダーメイドがご希望でしょうか?」

「あ、はい。この軍刀なんですけど、刀身がサーベルみたいなんですよね。ですので本来と言うかサーベルらしい造りに変えてもらえたらなと」

「なるほど。よろしければ『鑑定』で見させていただきますが?」


 こんなところに『鑑定』のスキル所持者がいるなんて……、だがよくよく考えたなら、ここは首都である東京都内にある迷宮特区なのだ。

 レアスキルの所持者が居ても、不思議ではないと言うことなのだろう。

 それから店員に荒苦寝を渡し、じっくりと鑑定をされる。

 地上ではわずかな情報しか鑑定できないはずだが、それでも十分に使えるスキルらしい。

 確かに少しでも情報が読み取れると、様々な場面で役に立つだろうから、鑑定が人気のあるスキルなのも納得だ。


「なるほど……。こちらの軍刀は、当店で取り扱っている品よりも、さらに上質な品のようですね。確かにサーベルのようにも見えますので、そちらへ造りを変えることは可能です。また鞘も強い魔力が宿っているようですので、そちらもこのままに改修も可能です」

「それなら、マンゴーシュのように造りを変えることも可能でしょうか?」

「打ち直しを検討して頂けるのでしたら可能です。ですが、この軍刀に特殊効果がある場合は、その効果が維持できるか保証しかねます。とは言え新たな特殊効果が付与される場合もありますので、ギャンブル的な改修になるとご理解ください」

「なるほど……」

 それからサーベルに造りを変える場合と、マンゴーシュに造りを変える場合のお値段を聞いたところ、高額ではあるが用意できない金額ではないことがわかった。


「それと布糸からこちらで用意した場合、それを使った防具の製作は可能でしょうか?」

「はい。魔物のドロップアイテムには布や糸もありますので、品質や量にもよりますが問題なくお受けできます。ですがご希望によっては高額な他の素材も使わせて頂くことにもなりますので、そのことご理解ください」

 そして参考までにドロップアイテムの糸で防具を作った場合のお値段も聞いたところ、やはりこちらも高額ではあるが用意できない金額ではないと分かった。

 それにしても10代後半にしか見えない私なのに、大金が必要となるオーダーメイドを検討していることを、真面目に受け止めてくれるこの店員には頭が下がる思いだ。


「諸々の準備が整いましたら、オーダーメイドのお願いをしに来ますので、その時はよろしくお願いします」

「はい。その時はぜひお任せください」


 なかなか良い買い物と情報収集ができたので、ご機嫌のまま次の買い物へ向かう。


 靴専門店に入り、あれこれと見て回る。

 特にこだわりはないので、地上で使うスポーツ用のスニーカー2足、お薦めにあった厚底のスニーカー1足、スーツに合わせることのできるパンプス1足、オシャレ服用にローファー1足、最後にダンジョン内で使うトレッキングブーツを購入した。

 ちなみに私の足のサイズは、約22センチメートルらしい。

 厚底スニーカーを履いて、残りを配達にし、靴専門店を出る。


 今度こそは、衣服なのだが、先に下着を購入しなければならない……。

 女性下着専門店に入り、店員にサイズを計ってもらうところからスタートだ。

 異世界では、地球世界ほどの下着文化が発展していなかったので、仕方がない。

 それに地球世界の雰囲気に当てられたのか、前世の男性だった感覚が少し蘇るような感覚があり、憂鬱に感じてしまう……。

 それはさておき、結果、細かい数字などは伏せるが5つ目のサイズだと判明した。

 それから、寄せたり上げたりと基本的な着用方法も教えてもらう。

 幸い私の翼とストラップが引っかかるような構造はしておらず、いくつかの色と形を選び、上下を合わせて大量の下着を購入する。

 ついでにキャミソールや靴下のような品もこの店で購入し、今から身に着ける分を除いて残りは配達にした。


 やっと今度こそ本日の本命である衣服だ……。

 とは言っても、はっきり言ってあれこれと悩んでいるほどこだわりもないので、いくつかの店舗を回って、展示されている品や店員にお薦めされた品を購入した。

 ついでに探索用品専門店で見なかった日常で使えるハンドバッグやポーチ、帽子などもいくつか購入する。

 そうして最終的に厚底スニーカー、水色のハイソックス、青系のチェック柄をしたプリーツスカート、キャメルイエローのフロントオープンパーカー、頭にダークレッドのキャスケット、背中にカーキ色のバックパックと言う姿となった。

 武器は、ウエストポーチを腰に身に着けて、そのベルトにマンゴーシュのストラップを付けておけば良いだろう。

 うん、白い髪とよく似合う姿になったと我ながら思う。

 ちなみに元男性だからと言って、女性としての生活が長いのでスカートを履くことに抵抗はない。

 他にもあれこれと仕入れたので、当分は服に困ることはないと思いたい。


 さて、まだまだ買い物が私を待っている……。


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