10 素敵な花火と危険なソフィーちゃん!
大・花火大会が続きます
氷花火の次は、レイス兄ちゃんの火魔法を使った花火だった。何度も点火させることができるから、狙った場所で花火を展開させることができるんだって。
ジグザグに花火が開いたり、渦巻きのように開いたり。色も自在に変えられるみたいで、最後は虹の花火ができていた。
「すごーい! すごいよ師匠ーーー!! こんな花火見たことないよ!」
あたしは思わずその場でジャンプしながら言った。
「そうでしょうそうでしょう。美桜もこんな花火は初めてなのです」
美桜ちゃんが腰に手を当ててドヤ顔で言うと、すかさず頭をパシンと言乃花お姉ちゃんにはたかれていた。
「痛いのです!」
「何をあなたが開発したような顔で言ってるの。副会長、あの花火の軌道を変えているのは風魔法ですか?」
言乃花お姉ちゃんが聞くと師匠が言った。
「さすがだな、その通りだ。風魔法を込めた玉を時間差で破裂させることで軌道を変えているぞ。言乃花くんの魔法があればこそできる花火だな」
「言乃花さん、すごいです! あんなふうにたくさん移動する花火初めて見ました。遊園地で見た花火も素敵でしたけれど、今日の花火はもっとすごいです」
ソフィーちゃんも笑顔で飛び跳ねながら言った。レイアーナさんとシュリーアさんも感動しているみたいで、
「これは見事な花火だ。素晴らしい技術だな」
「これほど美しい花火、見たことがありません」
と二人で言いながら花火を見ていた。
「このような花火も作ってみたぞ」
そう言って師匠が次に上げたのは、ピンク色の点々が、うさぎ型になっているものだった。片耳に赤いリボンが付いている。
「あれって、ソフィーちゃん? すっごくカワイイ!」
その次は小さなソフィーちゃんがいくつも上がる花火、その次はソフィーちゃんの全身を現した花火。
あたしもれーちゃんもすっかり夢中で見ていた。
比較のためにって、あたしたちが普通に花火大会で見たことのある花火もいくつかあった。
そして打ち上げ花火の最後は、ものすごく眩しい光の花火がいくつも打ち上げられて、一瞬運動場が真昼のような明るさに包まれた。
「うわ、まぶしいっ!」
思わず腕で目隠ししていると美桜ちゃんが、
「やっぱり花火の最後といえばこの閃光花火なのです!」
とうれしそうに叫んでいた。
── ひょっとして昨日言ってたせんこう花火ってこれのこと!?
真逆の花火に思わず笑ってしまった。
「どうして笑っているのですか?」
不思議そうに美桜ちゃんに聞かれたけれど、あたしは笑い続けていた。
打ち上げ花火を鑑賞したら、次は手持ち花火だ。シュリーアさんがうれしそうに言った。
「わたくしこの前見た時に、ぜひしてみたいと思っておりましたの」
この前っていうのはシュリーアさんたちを初めて学園に送った日のことだ。あの日、あたしとれーちゃんは、れーちゃんの家で花火をしたんだ。シュリーアさんたちは手持ち花火を見たことがなくて、あたしたちが花火をするのを珍しそうに見てた。
── あの時は思念体だったから、花火なんかできないよね。
「シュリーアさん、線香花火もあるから楽しみにしていてね」
「そうなのですね。それはうれしいですね」
そう言って微笑んだシュリーアさんは、とってもきれいだった。
冬夜兄ちゃんとレイス兄ちゃんが固形燃料にキャンプ用のライターで火をつけてくれた。
その時、リーゼお姉ちゃんが血相を変えてソフィーちゃんの前に立つと言った。
「ソフィーちゃん。危ないからぜったい火に近づかないでね! 花火の火が当たらないように気をつけるのよ。ちょっと、みんなもソフィーちゃんの側で花火をするのは禁止よ!」
ソフィーちゃんは不思議そうに首をかしげていたけれど、冬夜兄ちゃんが言った。
「そうだな、燃え移ると大変だからな。リーゼ、ソフィーにも安全に持てる花火を選んでやってくれないか」
「もちろんよ。さあソフィーちゃん、わたしが厳選してあげるから大丈夫よ」
「はい。よろしくお願いしますね、リーゼさん」
……なんかリーゼお姉ちゃんの鼻息が荒いような気がしたけれど、見なかったことにした。
線香花火と閃光花火(笑)
同じ発音でも全く別物でした。
花火大会は次回に続きます。
2週間後をお楽しみに。
それでは、またお会いしましょう!




