4 花火実行委員会!?
アプリの謎を追求するはずが……?
「なるほどなのです。謎は解けましたよ、しーちゃん」
またもや眼鏡をクイッと上げた美桜ちゃんが胸を張ると言った。
「このアプリを作ったのは玲士お兄ちゃんでなのです! そしてこのアプリの制作には学園長が関わっているのですよ」
「ってことはこのアプリ、最初からソフィーちゃんと通話するために作られてたってこと?」
「そうなるのです。しーちゃんの世界に魔法はないのですよね? 現実世界と幻想世界、どちらの世界にも次元魔法を使える人は学園長以外にはいないのですから、このアプリを作ったのは玲士お兄ちゃん以外にはありえないのですよ!」
「ねえ、じゃあ師匠はあたしがこのアプリでソフィーちゃんとお友達になって、この世界に来るようになることをわかってたってこと? なにそれ、ちょっとコワいんだけど!?」
── それって、あたしがソフィーちゃんと通話する前からこの世界にあたしが転移してくることを予測してたってことだよね? 学園長と師匠が? 何のために?
「そこまではわからないのです。でも学園長はすごい人ですから、きっと何か理由があるのです。これは捜査のしがいがあるのですよ!」
美桜ちゃんが眼鏡に手を当てるとキラリと目を光らせた。
── もし、あたしを最初からこの学園に来させるためのアプリだったとしたら? それってあたしが受容体をもらうことを知ってたってことになるよね。どうして?
「ああ、ダメだ。頭の中がグチャグチャになっちゃったー」
あたしがテーブルに突っ伏すと、ふわりと温かい手が頭をなでた。
「しーちゃん、難しく考えなくてもいいんじゃないかな。わたしはしーちゃんやれーちゃんとお友だちになれてとってもうれしいよ」
顔を上げるとソフィーちゃんの笑顔があった。
「わたしはしーちゃんが遊びに来てくれてうれしかったよ。しーちゃんが来る日がとっても楽しみで、夏休みになって毎日こうやってしーちゃんに会えるの、本当にうれしいな。もしも学園長さんがそうしてくれたんだったら、わたしは『ありがとう』って言いたいな」
「ソフィーちゃんにそう言われてはかなわないのです。美桜もしーちゃんたちに会えるの、とっても楽しいのです」
「それにね、学園長さんはこのタブレットをくれた時に、『メイたちが授業を受けている間わたしがさみしくないように』って言ってたのよ」
「ということは、このアプリはソフィーちゃんのために開発されたということなのですね! さすがは玲士お兄ちゃんなのです!」
「アプリでしーちゃんとお話ができるようになって、しーちゃんが遊びに来てくれるようになって、わたしとっても楽しいよ。しーちゃん、これからもよろしくね」
「こちらこそだよ、ソフィーちゃん。これからもよろしくね!」
── そっかー。学園長はソフィーちゃんのためにあたしを呼んだんだね! ……あれ? じゃあシュリーアさんたちがここに来てるのは、なんで?
「さて、そうと決まったらこれからの計画なのです」
「え? なんのこと?」
うっかりして美桜ちゃんの話を聞きのがしちゃった。すると美桜ちゃんがぷーっとほっぺたをふくらませて言った。
「しーちゃん聞いていなかったのですか?」
「ごめんごめん、ちょっと考え事してたよ」
慌てて謝ると、胸をそらした美桜ちゃんが言った。
「だめなのですよ、大切な計画を聞き逃していたのです」
「大切な計画って?」
「ふ、ふ、ふ。それはですね、アカデミー大花火大会の計画なのです!」
「花火大会?」
聞き返すと美桜ちゃんが指を振って言った。
「チ、チ、チ、ちがいますよしーちゃん。大・花火大会なのです!」
「うふふ、あのね、昨日ハルヴェストの丘で花火を見られなかったでしょう? それで美桜ちゃんがね、学園で花火大会をしようって言い出したのよ」
「へー、楽しそうだね」
「何を言っているのですか? しーちゃんも実行委員の一人ですよ」
「えーっ!」
学園長と師匠の思惑が気になるしーちゃんですが、思わぬ展開にびっくり。
花火大会はどうなるんでしょう?
2週間後をお楽しみに!
それではまたお会いしましょう。




